
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
中東情勢に動きがありました。トランプは自身のSNSにイスラエルとイランについて「完全な停戦で合意した」とポスト。

これが翻訳したものです。

現状、まだ米国サイドの声だけなので、これからどうなるかわかりませんが、マーケットはこれを好感。そして原油も下落。

原油があがるとインフレ懸念が進行するので、マーケットにとってよろしくないので、これはポジティブ。私は一貫して原油は下落ビューですが、このまま一直線に下がることはないので、しばらくトレーダーとして面白い動きになりそうだなと。定点観測ですね。
さて、では今日のマーケットを振り返りましょう。
【米国株】3指数とも上昇!S&P、ナスダックは約1%上昇で最高値に接近
昨日の米国株はダウ、S&P、ナスダック、それぞれ上昇。
中東情勢の悪化から寄り付きは下げたものの、イランの報復も限定的で、そもそもイランとイスラエルは戦力に差がありすぎるため、世界中の投資家はどう考えてもイスラエル優勢のビューです。
なので、イスラエルの株価指数はぶち上げで、最高値を更新しているのですが、テレビやニュースだけでは見えてこないリアルがあります。
さらに昨日はFRBボウマン氏が7月利下げについて言及。私は今のところ9月利下げビューですが、ここ最近の弱い経済指標から見るとわからなくもないなと。
パウエル議長がずっとタカってるためトランプもぶち切れで、Mr Too late(遅いやつ)と揶揄するほどなのですが、この発言がマーケットに安心感を与えました。
ダウも一時は225ドル安になりましたが徐々に反転。最終的には374ドル高の42,581ドルとなり、この日の高値まで上昇して引けました。

S&P500は57ポイント高の6,025となり、節目の6,000を超えてきました。最高値に接近ですね。ナスダックも183ポイント高と反発しました。
業種ごとで見ると、11業種のうち10業種が上昇。金融、ハイテク、一般消費財や不動産、生活必需品、資本財など上昇しました。原油の下落からエネルギーだけが下げましたね。
昨日は全体的に良かったと思いますが、特にテスラは8%上昇。S&P500の値上がり率ランキングでトップになりました。
他にもマイクロソフト、メタ、IBM、クラウドストライクなどが上昇。エヌビディアは小幅に上げました。
強かったハイテクの中でも、スーパー・マイクロ・コンピューターは20億ドルの無担保転換社債を発行する予定が分かり、EPSが下がることが嫌気されて約10%下げました。
【日本株】日経平均436円高で反発。39,000円に接近。
米国株の流れをうけて、今日の日経平均は425円高の38,779円で寄り付きました。
地政学リスクが後退したことを好感し、寄付きから上げ幅を拡大。日経平均は一時38,990円まで上昇しました。
節目の39,000円を超えるまでの勢いはなく、為替が円高に流れたこともマーケットを重くしました。こちらドル円ですが、上に下に暴れています。

後場に入ってからもいい流れを継続も、イラン側から「現時点では停戦についての合意なし」との声もあり、買い上げる勢いはなかったですね。
日経平均は大引けにかけて下落となり、436円高の38,790円で取引を終えました。TOPIXは20ポイント高の2,781、グロース250は5ポイント安の756で引けました。
しかし、今日は値上がり銘柄が1,000超え。非鉄金属、空運、証券先物、その他製品など20業種が上昇。鉱業、石油石炭、不動産、海運など13業種が下落。
プライム市場の値上がり銘柄は64%、値下がり銘柄は31%。売買代金は4兆2040億円でした。
今日はINPEXが急落。中東情勢の懸念が弱まり、原油が下がったことが影響しました。半導体からはレーザーテックが高騰。国内証券が投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価を16,000円から22,000円に引き上げたことが好感しました。俺たちのレーザーテック!
他にもアドバンテストや東京エレクトロンもしっかりと。アドバンテストは1万円の攻防戦が続きます。
他の主力はソフトバンクG、第一三共、パナソニック、ソニーなど上昇。三菱UFJやみずほなど銀行株もよかったですね。
そして今日はサンリオやIHI、商船三井など下落。昨日高騰した三井E&Sも下げました。半導体からはソシオネクストも売られましたね。
少しずつ中東危機の終わりが見えてきたことはポジティブ要因です。「有事のドル買い」の反動から円高にふれましたが、日経平均の強さは変わらず。今週でほぼ今月終わりですが、6月高値をキープしていますね。
今夜はパウエル発言ありです。明日もいい波乗っていきましょう!