【投資家目線で読み解く2025年参院選挙】第1話~なぜ大事?3つの見どころ~

コラム

テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

6月も折り返しです。米国内でドンパチが起こったり、中東でもドンパチしていて、日本に住んでいると分かりませんが、世界は荒れています。

ここから7月相場を考えたとき、避けて通れないのは選挙。今回は政治がマーケットに与える影響について分かりやすくまとめて、このイベントが株高or株安かを考察していきます。

反響がよければあと1ヶ月ちょっと、シリーズ化してリアルタイムで情報をまとめていこうと思います。

まず前提として、政治の行く末は間違いなくマーケットに影響を与えます。米国もトランプ大統領になったことでがらっと方針が変わりましたし、良くも悪くもサプライズが増えましたね。

日本の政治は大きく変わらないことが特徴ではありますが、なにせ選挙結果は私たちの生活にも大きく影響します。

物価、税金、子育て、年金など、私たちの生活やお金にじわじわ効いてくる大事なテーマが、実はこの選挙で動くかもしれないのです。

まずは初回ということで、「そもそも参院選ってなに?」「何がポイント?」という人向けに、今回の選挙の見どころをまとめます。

なお、各人の政治信条は大事にしてください。ここでは投資家目線/トレーダー目線で解説していきます。

では、始めましょう。

そもそも「参議院選挙」ってなに?

日本の国会は、衆議院と参議院の2つでできています。そのうちの1つ、参議院のメンバーを選ぶのが今回の選挙です。

ポイントは参議院の議員は6年任期で、3年ごとに半分ずつ入れ替えます。今回はその「半分を選び直す」タイミングで、つまり「政権が変わる」というより、今の政治がこのままでいいのか?をみんなで考えるための選挙と言えます。

ザクっとですが、参議院は「法律やお金の使い方をチェックするチーム」で、税金をどう使うか、新しいルールを作るか、無駄使いがないかなどを話し合います。

では、その衆院選、今回の見どころはなにか?3つにまとめます。

見どころ1:与党は巻き返せるのか?

今回の参院選、1つ目の見どころは「国を動かすチーム(与党)は元気になれるのか?それとも他が追い越すのか?」です。

いま与党(自民党・公明党)はピンチで、前の衆議院選挙(2024年)参院選でかなり議席を減らしました。

自民党の裏金問題もありましたし、物価高で生活がキツイのにたいして何もしないしで、みんなの不満がMAXになっています。

石破総理も「ちゃんとやるから信じて!」と言ってるものの、特に何か兆しがあるわけでもなく、ちょうど今も国民に2万円、そして非課税世帯には4万円のバラマキの話も出てきましたが、この非課税世帯の8割は老人世代で、無職や外国人も含まれることからネット界隈では反発の声も大きいです。(そもそもその財源も、もとは税金なので)

なので、もし今回の参院選でも負ければ政治の流れが悪くなりますし、国会で法律が通りにくくなったり、最悪は首相交代の声ももっと大きくなるでしょう。

不人気の自民党政治かのなかでもまだ人気があるのが小泉ジュニアです。なぜか選挙の前に米がなくなって、ヒーローのように見参した小泉ジュニアですが、少しは自民党の支持率アップに貢献したみたいですね。

個人的には与党になにも期待していないどころか、早くつぶれてほしいと思っていますが、与党が元気なら政治が落ち着きます。そうなると株や経済は安定しそうですし、国内の政治がバタバタすると海外投資家もあまり乗ってこないです。

事実、昨年夏から海外投資家はずっと売り越していたので、マーケットは重かったですよね。でも4月から買ってきて、ここまで現物だけでも4兆円近く買ってきています。↓の「海外」のところ。単位は上から約3,900億円、約6100億円。

これは4月頭にトランプの関税ショックがあって、日本の利上げが遠いたことで買ってきたと思っていますが、日経平均の直近の強さの背景には、こうした海外投資家の買いもあったことは間違いないでしょう。需給面もいいですしね。

つまり与党が元気じゃないと政治や経済が不安定になるため、理想は与党が圧勝し、そして新たな経済政策などを打ち出してほしいところです。

それをやっているのがトランプで、所得税の減税や法人税の減税、そして国外から数百兆円レベルの投資を呼び込むことにも成功しました。

石破さんは地方の経済活性化を掲げており、師とあおぐ田中角栄の「日本列島改造計画」みたいなことを打ち出すとかすれば、道路や電車を作るインフラ会社は伸びると思います。投資家目線で見た時の理想はこれですね。

見どころ2:物価・税金・年金…生活に直結するテーマはどうなる?

そもそも選挙って、ただ「誰がリーダー?」を決めるだけじゃなく、「これから日本どうする?」を話し合うイベントです。

今回の選挙のテーマはかなり身近で、物価高にどう対応するのか?給付金なのか、それとも減税するのか。消費税や所得税は上げるのか、それとも下げるのか。子育て支援や年金制度、どう変えるのか。

つまり、「家計」や「将来」に関わるルールが、この選挙のあとに決まっていくのです。

ここ数年、牛乳、卵、パン、フルーツなどが高騰しているのは、あなたも気づいていると思います。電気代やガソリンも高いですね。

しかし、自民党や公明党などの与党は、まったく減税をする気がありません。でも国民民主党や参政党、れいわなどは減税を訴えていますし、「給料の手取りを増やす」ことを争点にしていますね。

社会福祉も同じです。高齢化社会が進み、さらに少子化が進み、これは日本だけじゃないですがどの先進国も同じような悩みを抱えています。

給料明細を見ればわかりますが、高いのは税金じゃなく社会保険料で、毎年ずっと増え続けていて止まる気配がありません。

増税するときは大事になりますが、社会保険料の増加はサイレントで進むため、わからないんですよね。

自民党や公明党など与党を支持しているのは主に高齢者なので、与党は「みんなで支え合えば大丈夫!」という路線です。

つまり社会保険料をもっと上げて、みんなで助けあおうねというスタンス。一方で野党は「若い人やお金が少ない人の負担を減らそう!」というスタンスが多いです。維新は年金を見直そう、社会保険料を削減しようと言っていますね。

そしてちょうど今、世界的にドンパチしていますが、日本でも中国やロシアの動き、韓国も新しい大統領になりましたが超反日の人で、北朝鮮や中国寄りの人がトップになりました。

与党はおもてむきは米国寄りですが(そもそも同盟国なので)、でも石破総理や今の中枢メンバーは中国寄りです。

野党は「ケンカより話し合いで平和を!」と声をあげますが、まちがいなくトランプ政権は防衛費の増額を言ってくると思いますし、こうした防衛の話が強まると関連会社は注目されるでしょうね。事実、ここ最近の株高は防衛株の影響が大きいと思います。

こうした私たちの生活に密接にからむテーマについて、各政党が何を言ってくるかにも注目です。

見どころ3:野党は団結できる?

2024年の選挙で与党を追い詰めたのは、「他のチーム(野党)」の勢いでした。

「野党」とは、いま政権を取っていない政党たちで、立憲民主・維新・共産党・国民民主党・れいわ・参政党などです。

この野党たちがバラバラだと、選挙では与党が有利になるため、今回も野党がみんなで協力できるかで結果がガラッと変わります。

では、野党ってどんなチームなのか?また改めて解説しますが、ざくっとまとめると、

立憲民主党→野党第一党、支持者はほぼ高齢者。減税反対、バラマキ推奨、自由や多様性、移民推進、共生社会など。政治思想は左リベラル。

国民民主党→現役世代が支持も、直近の人選ミスから支持率下落。給料が上がる経済、積極財政、国防重視、選択的夫婦別姓に賛成など。政治思想は真ん中やや左リベラル

日本維新の会→野党第二党、大阪で圧倒的支持、政府の無駄カット、教育の無償化、国防重視、政治思想は真ん中。

れいわ新選組→大きな改革で支持拡大、消費税ゼロ、最低賃金の全国一律1500円、積極財政、社会保障の拡充など。政治思想は左リベラル

参政党→日本ファーストを掲げる新政党、教育・少子化対策・子育て支援、積極財政、国防重視、日本の国益重視、政治思想は右の保守。

共産党→日本最古の政党、戦争反対、憲法改正に反対、自衛隊放棄、脱資本主義、天皇制の廃止、医療や介護を無料、大企業増税など。政治思想は左リベラル。

各政党をまとめると、ザっとこんなイメージです。

野党はそれぞれが与党への不満を持っているものの、そのアプローチが違うため、まとまりません。

立憲民主はただ「政権交代」しか言わず中身がないですし、維新は「ムダをカット」で、れいわは「もっと大胆に」って感じで、意見がまとまらないんですよ。

2024年の選挙では立憲と共産が「同じ選挙区で戦わない」とチームを作るなど、野党内でまとまるところもあります。

特に左チームは固まりがちで、立憲民主は人気になった国民民主を仲間に入れたいものの、玉木さんはそっちにいくと支持率が落ちることもわかっていますが、でもバックの連合の顔色も見ないとで、ちょっとブレ始めています。

今からできること

さて、まとめていきます。

2025年参院選、ちょっと面白そう!って思えましたか?

3つの見どころをおさらいすると、

国のリーダー:与党はピンチを脱出?他のチームが追い越す?
何を決める?:物価、年金、環境…私の生活に直結!
野党のチーム:個性豊かなメンバーが、力を合わせて逆転?

です。繰り返しますが、政治は「私たちの未来をどうするか」決めるイベントです。

投資や経済にも密接にからんでおり、選挙の結果次第で株価も円相場も上下します。

投票は地元の「市役所」や学校でできるのと、今回は7月の連休中に投票日があります。これもなぜ連休なのか、、投票率を上げる気ないでしょと思いますが、「誰に入れていいかわからない…」という場合はこの機会に学びましょう。

次回は「どのチームが何をしたい?注目の政党」を深掘りしたいと思います。