【投資家目線で読み解く2025年参院選挙】第2話〜選挙まで2週間!インフレ、国防、経済対策、移民、社会保障など各政党の動きをザクっと解説〜

コラム

テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

いよいよ2週間後に迫った参議院選挙。7月相場を考える上で「関税」と「選挙」は避けて通れないトピックです。

参議院選挙は7月20日なので、あと2週間。「物価高、どうする?」「移民や国防、ちゃんと対策できる?」「手取り増えるの?」など、私たちのニーズに応えてくれる政党はどこなのか。

第一弾の記事はこちらです。
【投資家目線で読み解く2025年参院選挙】第1話~なぜ大事?3つの見どころ~

先日6月22日には、東京都会議選挙がありましたが、自民党が過去最低の21議席で、国民民主党や参政党がグングン伸びました。この勢いが参院選にどう影響するのか?

私は個人的には与党大敗となり、野党が連結して下剋上してほしいと思っています。もちろん”荒れる”のは間違い無いですが、今の流れをガラッと変えるには自民党の敗北がもっとも理想の流れ。

野党は減税を掲げるところが多く、減税や経済対策が本当に実行されたら株価にも影響がでます。

ということで、今回は第2弾、まとめていきましょう。

各チームの最新の動きザクっとまとめ

まず、今回の都議選を受けての今の各政党の状況をザクっとまとめます。

今回の選挙の注目テーマ、国内を見ると「給付or減税」で、国外を見ると「移民をどこまで受け入れるか」です。

自民・公明(国を動かす与党チーム)

都議選で自民は21議席と過去最低を記録。公明も19議席。

この結果になった要因を、自民党内部では「裏金問題」と言っていますが、そもそも論点がずれてて、インフレに対策できてないことや、まともな経済対策が何も無いこと、減税どころか増税路線で、海外へのバラマキや、不法移民の問題などもスルーで、正直全く何もいいところがないのが現状。

やったこととしては、非課税世帯(と言っても8割は老人、外国人含む)へのバラマキくらいです。

自民党の支持が急落しているのは、安倍政権が築き上げた「岩盤保守」の支持が離れていることです。その安倍派は裏金問題で解体され、石破さん筆頭に親中議員ばかりが残り、さらにほぼ誰も興味を持っていない選択的夫婦別姓を争点に持ってくる時点で「そこじゃない感」にも気付けておらず。

自民党を支持している3割が岩盤保守層とも言われ、彼らが自民党に見切りをつけて国民民主党や参政党に流れており、その結果が先日に都議選にも出たと思われます。

立憲民主党(左リベラル、老人世代が支持するチーム)

都議選で12議席から17議席に増加も、減税に反対、むしろ法人税・富裕層増税を主張。

若者や子育て世代より年金や医療など高齢者向けの社会保障に熱心で、経済政策は「給付金や賃上げ」と言いつつも具体性や財源が不明確で「絵に描いた餅」となることが多いです。

リーダーの野田さんも「野党をまとめる!」と息巻いていますが、今人気の国民民主党や参政党の支持者から見るとまったく政策がマッチしておらず、支持率はほぼ伸びておらず。

先日も前代表の枝野さんが演説しているのがXに流れてきましたが、民主党が与党だったとき、為替は円高だったと、それが良かったと息巻いていましたが、当時は日経平均8,000円、超デフレで、ドル円80円とかです。吉野家の牛丼が280円みたいな。

円が高いのでインバウンドなんてもってのほか、トヨタなど輸出企業もデメリットが多すぎで、多くの製造会社は海外に工場を作るなどして出ていきましたよ。どう考えても経済対策としては失敗なのですが、それもわかってないので、投資家目線で見た時に最もないなと思っているのが立憲民主党です。

国民民主党(中立やや左、現実的なアイデアチーム)

都議選で0から9議席に増加するなど勢いがある国民民主党。

私は40代で現役世代ど真ん中だと思いますが、同世代を見てもわりと支持している人も多い印象です。

「手取り増」や「減税」を掲げ、積極財政で経済を動かし、インフレ対策や不法移民対策も訴えています。

数年前までは国民民主党と言っても誰も知らない政党でしたが、ここ1ー2年で一気に支持が増加。その背景にあったのは自民党の支持率下落です。

自民党がどんどん左傾化したことを受け、岩盤保守層が離れることとなり、その受け皿になったのが国民民主党でしたが、この直近数カ月で支持率が低下。

その背景もXなどでポストしていますが、こちらも選択的夫婦別姓を進めたり、山尾しおりさんや須藤元気さんなど、左の香ばしい人たちを人選したことが支持率低下の要因になりました。

国民民主党の支持母体は連合で、つまり労働組合なのですが、彼らの意向に逆らえないため、山尾さんを擁立したり、選択的夫婦別姓を進めたりしています。(連合がレフトなので。オーナーの意向にNOと言えない)

個人的には応援したい政党で、投資家目線で見ても「積極財政&減税」は株高の要因ですから、頑張ってほしいところ。ただ、、玉木さんが足腰フラフラで、ちょっとこの先の流れは不安ですね。

先日も玉木さんが「賃上げ率5%になったので消費減税いらない」と言ってましたが、これは春闘で出てくる数字で、実質賃金は下がってるし、ちょっとこれは的外れでしたね。これも連合がバックにいるからです。

これまでの支持母体の連合を取るのか、新たな支持層である保守層を取るのか、玉木さんは迫られています。

参政党(勢いはあるが敵も多い、右の保守チーム)

都議選で2議席、今勢いのある政党が参政党です。こちらも現役世代を中心に支持を伸ばしています。

「日本の伝統!減税!不法移民対策!」を掲げるなど、不法移民や国防強化を強く訴えています。

加えてこちらも「積極財政&減税」を主張しており、投資家目線で見ても推したい政党ですが、オーガニックや反ワクチンなどを強く出しすぎる面が気になるところ。

米国がトランプ政権になった背景は、行き過ぎたグローバリズム(特に不法移民)に対するカウンターパンチと、インフレ対策でした。

米国民のたまった鬱憤が、「別にトランプが好きじゃないけど今は仕方ない」となって、本来支持していた層以外にもリーチしたことが大きかったです。そして、その流れは欧州でも同じで、各国で「⚪︎⚪︎のトランプ」と呼ばれる政治家や政党が支持されています。

参政党はいわば日本のトランプ的な政党で、それゆえ敵も多く作ります。安倍さんがメディアからボコボコにされていたように、トランプが今もメディアからボコボコにされているように。

個人的には国民民主など、野党で経済対策が似ているところと共闘し、自民党を下野させて欲しいと思っています。サプライズとなるので相場はどうなるか分かりませんが、結果的に株高の要因になると思います。

維新・共産・れいわ(個性派チーム)

他の3つはまとめて。都議選で維新0議席、れいわも0、共産は14議席だったものの減少でした。

維新は「ムダカット!減税!」と推してるものの、やはり中心は大阪であり、都議選は不利な戦いでした。今回の選挙でも社会保障の削減をメインに掲げており、私個人的にもそれは賛成。現役世代は税金より、とられすぎの社会保障にもっと目を向けたほうがいいですね。

共産は「消費税ゼロ!弱い人守る!」ですが、そもそも天皇を否定し、自衛隊も否定し、企業の内部留保にも税金をかけるなどトンデモ政策が多すぎて支持しているのは老人世代がほとんど。

れいわは「消費税ゼロ!」を強く打ち出し、積極財政派なので、株高の要因ではあるものの、バラマキ感が強く現実味に欠ける政策が多め。移民に反対と言っているものの、外国人参政権に賛成などチグハグ感も。

選挙の結果がマーケットにどう影響する?

私たちは投資家なので、この選挙結果がマーケットにどう影響するか?を考えましょう。

まず、最も理想のシナリオは、やはり与党大勝です。過去の選挙を見ても、自民党が勝利→株高の流れが続いていました。

ただ、それも背景にあったのは安倍政権だからで、金融緩和の路線を継続する、つまり積極財政でオフェンシブに行くという方針があったからです。

そして安倍政権は過去最長の政権となり、その安定さも株高の要因でした。マーケットはサプライズを嫌います。サプライズを喜んでくれるのは愛する家族やパートナーだけです。

では、今回はどうでしょうか?

ここまでの流れを考えると、自民党や公明党の与党チームはかなりまずい展開です。都議選の結果も最悪で、このままだと今回の選挙でも負けることが予想されています。

もし今回も自民党が負けると、いよいよ石破おろしが進むと思いますが、ここでも岸田さんが暗躍しており、おそらく岸田ー菅ー小泉jrの路線で、さらに政策や思想も似ている立憲民主党との連立は可能性としてもありそうです。

ただ、こうなるとかなり悪夢で、増税&社会保障増額&緊縮財政ですから、株は下げやすいと思います。

加えて、移民政策も推進。LGBTも推進、スパイ防止法に反対、対中国もさらに進めていきます。すでに中国国内では日本政府の後押しもあるので移住しようキャンペーンも進んでおり、今後もさらに移民増加の流れです。

これはトランプ政権から見てもOUTで、むしろ中国寄りのチームになることから日米の関係を考えても海外投資家がネガティブに反応するかもしれません。

今回の選挙に関税問題があまり入ってないのが気になっていて、関税の本質は「中国包囲網」です。いまだにトランプから名前も呼んでもらえてない石破さんや、その政権チームが中国寄りなのはトランプチームもわかっています。

でも先日のNATOの会合でも石破さんは一人ぼっちで、岩屋外務大臣は会食も出席せず。さらに防衛費増額もイヤ、米や原油を入れるのもイヤ、関税もイヤで、ノーダメージ交渉をしています。

挙げ句の果てには名古屋経由で、米国への輸出品の中に麻薬のフェンタニルが入っていて、それを問題視される始末です。つまり、米国は明確に突きつけてるんですよ、「米国or中国」を。

米国と中国から見ると、どちらも日本は重要なポジションで、日本がどっちにつくかかなり大事なところ。

先日のトランプの発言から見ても、関税引き上げの話がまた出てきているのは間違いなく日本を意識しているからだと思います。関税の時期がまた8月にズレるかもという話も出てきています。

米国と日本との距離は遠く、台湾有事も考える中で日本はある意味で米軍の最前線の基地です。その日本が中国に歩み寄ろうとするなら、米国は黙っていないはず。危機感を持って日中の関係に突っ込んでくると思われます。

中国サイドも、日本産水産物の輸入の再開するなど、分かりやすいくらい日本に寄ってきていますが、米国もどこかで関税に折れることも考えれます。

石破さんや政権チームがそこまで考えて、ディールのために今みたいな外交をしているかもしれませんが、、、実際はそんなこともなく、ただその場しのぎでしょう。今、求められているのは与党の大敗です。

向川が考える投票したい政党

私は投資家なので、何よりも経済ファーストです。そのためには増税政党は論外で、基本的に減税で積極財政の政党を推したいです。

減税したらインフレになる?日本はずっとデフレで、やっと抜け出したのですよ。まだ食料品とエネルギーが高騰しているだけで、他はそこまででです。

インフレは筋肉痛ですから、ムキムキボディになるためには避けて通れません。部分的に高騰しているところには補助金を出すなり応急処置をしつつ、もっと経済ファーストで行くべきです。

そうなると、思想的に真ん中の国民民主党、右なら参政党、左なられいわです。経済のことだけ考えるとここ以外にはないなと。

加えて、行きすぎた移民の受け入れも微妙です。そもそも犯罪が増えることはデータでも明らかで、加えて日本人の給料が上がらないことが問題で、30年以上も経済低迷、当時から新卒の給料が変わってないのも異常です。それなのに安い労働力を海外から入れたらもっと平均給料は下がりますよ。

すでに米国や欧州では、反グローバルがトレンドで、なので米国はトランプが勝ったし、イタリアのメローニやフランスのルペンなど、保守政党や保守政治家が支持を伸ばしています。みんなうんざりなんですよ、LGBTに地球温暖化に多様性に、綺麗事ばっかりの世の中に。

国民民主党に風が吹いたり、今だと参政党に風が吹いているのは、保守層が流れているからです。そのトレンドを見えてない政党は、今回の選挙で悪い結果になるでしょうね。

つまり、増税&移民受け入れを進める自民党、公明党、立憲民主党は論外。維新も中国の香りが香ばしいのでなし。共産党ももっと論外。

れいわはネオ共産党みたいなイメージですが、経済政策はいいところを突いてるので、まだアリかと。個人的には参政党または国民民主党ですが、玉木さんがフラフラすぎるので、私は今のところは参政党ですね。

ここから選挙相場にもなっていくと思います。良くも悪くもガラガラポンして、もう一度リセットしてこの国の政治を作り直す時が来ていると思いますね。

第一弾の記事はこちらです。
【投資家目線で読み解く2025年参院選挙】第1話~なぜ大事?3つの見どころ~

第一弾の記事も再度貼っておきます。選挙が近くなってきたら続きも書きますね。ではまた!