【日本株】5大商社の決算状況について徹底解説!

コラム

From:編集部 黒木

大手商社の2023年4-12月期連結決算(国際会計基準)が2月6日までに出そろいました。

日本を代表する巨大企業である5大商社の決算状況についてしっかり確認しておきましょう。

5大商社の決算状況を一挙紹介

今回比較するのは三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅です。

最初に時価総額を見ておくと三菱商事が10兆6000億・三井物産が8兆7000億・伊藤忠が10兆3000億・住友商事が4兆・丸紅も約4兆となっています

次に通期予想の修正を確認しておくと、修正を出したのは三井物産のみで修正内容も純利益1.1%増と小幅な修正になっています。

次に通期予想での成長率を見てみます。通期予想を出している項目は純利益のみです。

三菱商事がマイナス19.5%・三井物産がマイナス16.0%・伊藤忠商事がマイナス0.1%・住友商事がマイナス11.5%・丸紅がマイナス17.1%です。

セグメント別の収益と一緒に見ていきたいと思います。

伊藤忠商事

最初に純利益の減少幅が1番少ない、伊藤忠商事から見ていきます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
I 2020.0310,982,968399,438701,430501,322335.685
I 2021.0310,362,628403,414512,475401,433269.888
I 2022.0312,293,348582,5221,150,029820,269552.9110
I 2023.0313,945,633701,9131,106,861800,519546.1140
I 予 2024.03800,000554.9160
前期比-0.11.6

伊藤忠商事は金属セクターの収益が1番多く、ついで機械、エネルギー、食料、情報となっています。

前年比では金属、エネルギーなどの資源セクターの減少が大きく、それを食料、情報などの資源以外のセクターで補っています。

その結果、伊藤忠商事は売上がマイナス0.9%、経常利益はマイナス8.1%にとどまっています。

伊藤忠商事はファミリーマートや伊藤忠テクノロジーソリューションズなどの資源以外の有力な子会社を抱えてるのも特徴です。

三井物産

続いて三井物産を見てみます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
I 2020.038,484,130534,320391,513226.180
I 2021.038,010,235450,202335,458199.385
I 2022.0311,757,5591,164,480914,722561.6105
I 2023.0314,306,4021,395,2951,130,630721.8140
I 予 2024.03950,000634.5170
前期比-16-12.1

三井物産は金属セクターが一番多く、ついで機械、エネルギー、生活品となっています。

金属、エネルギーなどの資源セクターの減少幅が非常に大きく、機械、生活が大きくプラスとなっていますが、資源セクターの減少を補えきれませんでした。

その結果売上がマイナス99.4%、経常利益はマイナス12.3%となっています。

住友商事

続いて住友商事を見てみます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
I 2020.035,299,814251,922171,359137.280
I 2021.034,645,059-94,215-153,067-122.470
I 2022.035,495,015590,019463,694370.8110
I 2023.036,817,872722,918565,178452.5115
I 予 2024.03500,000409.2125
前期比-11.5-9.6

1番上のセクターが輸送機ついで資源、金属、生活、インフラとなっています。

5大商社の中で唯一資源以外のセクターがトップとなっています。

資源セクターのマイナスを輸送機、インフラなどの非資源セクターで補っています。

しかし、資源セクターの減少幅が大きく、その結果、売上はマイナス0.1%、経常利益がマイナス16.4%となっています。

三菱商事

続いて三菱商事を見てみます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
I 2020.0314,779,734648,864535,353116.244
I 2021.0312,884,521253,527172,5503944.67
I 2022.0317,264,8281,293,116937,529211.750
I 2023.0321,571,9731,680,6311,180,694269.860
I 予 2024.03950,00023070
前期比-19.5-14.7

金属セクターがトップで、次いで天然ガス、自動車、総合素材、食品となっています。

金属セクターと食品の減少幅が非常に大きく、天然ガスはプラスとなっていますが、他に補えるセクターがありませんでした。

その結果売上がマイナス99.7%、経常利益がマイナス25.2%となっています。

丸紅

最後に丸紅を確認します。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
I 2020.036,827,641133,875-165,935-197,450-11635
I 2021.036,332,414141,553281,742223,256126.333
I 2022.038,508,591284,490528,790424,320242.962
I 2023.039,190,472340,814651,745543,001316.178
I 予 2024.03450,000268.783
前期比-17.1-15

金属セクターが1番上で、ついで電力、金融、エネルギー、食料となっています。

金属、エネルギー、食料のセクターが大きく減少しています。

食料の減少は去年売却益で出た利益がなくなったことによるものだそうです。

丸紅には資源以外のセクターが乏しく、マイナスを補うことができていません。

その結果売上がマイナス26.4%、経常利益がマイナス2.9%となっています。

どの株がおすすめか

商社の中でどの株を買ったらいいかとなったらセグメントで選ぶのが良いでしょう。

大きく分けると資源への依存が高いのがいいかどうかです。

例えば丸紅は資源への依存が非常に高くなっています。

逆に住友商事は唯一資源以外のセクターが1番収益が多くなっています。

そして伊藤忠商事は資源セクターの減少幅が低く、非資源セクターで補えています。

株価のバリエーションを見ておくと伊藤忠商事が11.8倍と1番高く、ついで三菱商事が11倍、三井物産が9倍、丸紅が8.8倍、住友商事が8.1倍と1番低くなっています。

配当利回りは住友商事が3.8%、丸紅が3.5%、三井物産が3%、三菱商事が2.8%、伊藤忠商事が2.5%の順です。

株価の変化率は三菱商事と伊藤忠商事が60%台と高く、ついで三井物産と住友商事が45%前後、丸紅が37%と1番低くなっています。

ここ数年の株価の動きが増えてみましょう。

5大商社の株価については、ほとんど同じような動きをしています。

今後も商社の値上がりは期待できるため、配当の高い、住友商事や多角展開している三井物産などを買うのが良いかもしれません。

まとめ

今回は日本を代表する5大商社の決算についてまとめました。

決算内容は去年に比べると決して良くはありませんが、それでも大きな利益を生んでいるに違いはありません。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、商社への投資を検討してみてはいかがでしょうか。