From：編集部 小早川
カップウィズハンドルとは、チャートパターンの1種で、米国の有名な投資家であるウィリアム・J・オニール氏が見つけました。
取っ手が付いているティーカップのような形をしていることから「カップウィズハンドル」と呼ばれています。
株価上昇の手がかりとなるチャートパターンはたくさんありますが、カップウィズファンドルも株価上昇の手がかりとなるチャートパターンとして有名です。
カップウィズハンドルのチャートの形は、以下の通りです
カップウィズハンドルは、株価が高値をつけ、その後下落し、横ばいの状態が続くことが条件です。
そしてしばらく横ばいの状態が続いた後、株価が反発します。そして一旦株価が下落し、再調整が行われます。再度反発して上向きすると、株価はさらに上昇するといったものです。
カップウィズハンドル形成の背景
チャートパターンは、カップウィズハンドルだけではなく、群衆心理が形成するものです。
多くの投資家が「このように動くかな」と思うことによってチャートは形成されます。
一般的に株価が上昇すると、特に短期利益を狙っている投資家は利益確定をし始めます。
利益確定をする人が増えると、株価は下落していくのはお分かりいただけるのではないでしょうか。売り圧力が強まっていくことになります。
次に、ある程度株価が下がると、割安と考えて、多くの投資家がまた買い始める傾向にあります。
多くの投資家が買い始めるので、徐々に売り圧力がなくなり、今度は逆に開発力が強まり反発するのです。
カップウィズハンドルのカップ部分が形成されました。
そして反発した後は株価が割時に買った投資家が利益確定をし始めます。そうすると株価は少し下落するため、これでハンドル部分が完成します。
ハンドルができた後は、その後上昇すると考える投資家が多くなるため、株価が急上昇する可能性があるのです。
カップウィズハンドルの買い時
カップウィズハンドルの買い時は、上値ラインを上抜けしたタイミングです。
具体的に図を使って説明をすると、ハンドル部分の高値ラインやカップウィズハンドルの形成前の高値のラインを上抜けしたタイミングです。
このポイントを上抜けると出来高が急増し、株価上昇が加速していくとされています。
また、株価を上げきれずに押し戻されてしまうようなケースもあります。
いわゆる「だまし」のことですが、そうなった場合は早めの損切りも忘れないようにしましょう。
カップウィズハンドルの条件
カップウィズハンドルには様々な条件が存在します。
- カップ形成の前に株価が30%以上上昇
- 高値からカップの底の調整幅は12%から33%の範囲
- カップ底の形は鋭いV字型よりも丸いU字型の方が良い
- 取っ手の下落幅は8%から12%以内に収まる
カップウィズハンドルが形成される条件についてわかりやすく説明をします。
カップ形成の前に株価が30%以上上昇
カップウィズハンドルがうまく機能するためには、カップ形成の前に株価が30%以上上昇しているのが1つの基準になります。
株価が30%以上上昇すると、その後、調整に入る可能性が高く、カップウィズハンドルになる可能性が高いからです。
高値からカップの底の調整幅は12%から33%の範囲
高値からの調整幅はあくまで目安ではありますが、12%から33%の範囲内が良いとされています。
これ以上の調整があると株価はさらに下落する可能性がありますので、特に33%以上下落している場合は注意してください。
逆に10%程度の調整でもカップウィズハンドルになる可能性はありますので、こちらについてはで目安にしていただくのが良いでしょう。
カップ底の形は鋭いV字型よりも丸いU字型の方が良い
カップ底の形は、V字型よりも緩やかなU字型の方が良いとされています。
なぜなら、長く調整局面が続くことによって、売り圧力が収まりやすいからです。
急激にV字回復をしてしまうと、さらに大きな調整がその後に入ってしまう可能性がありますので、V字型の場合は注意が必要でしょう。
取っ手の下落幅は8%から12%以内に収まる
取っ手の下落幅は8%から12％以内についてですが、この範囲なら強気相場とされているからです。
他にもカップウィズハンドルの形成期間は「7週から65週間ほど」などがあったり、取っ手部分の期間については1～2週間以上をかけて形成されているというものがあります。
このようにさまざまな条件を満たしてカップウィズハンドルが形成されることになるのです。
カップウィズハンドルのメリット
カップウィズハンドルには様々なメリットがありますが、主なメリットは2つです。
- わかりやすい
- うまくいけば大きな利益になる
それぞれのメリットについてわかりやすく説明をします。
わかりやすい
カップウィズハンドルは非常にわかりやすいチャートパターンのため、誰でも簡単に認識できるのがメリットです。
いくら効果の高いチャートパターンでも、発見が難しければ意味がありません。
わかりやすいのはカップウィズハンドルの大きなメリットになるでしょう。
うまくいけば大きな利益になる
カップウィズハンドルをうまく見つけることができれば大きな利益につながりやすいです。
特に最初の段階でブレイクエントリーができれば、かなり大きな利益になります。
場合によっては100%以上の利益を得られる可能性があるのは大きなメリットになるでしょう。
カップウィズハンドルの注意点
カップウィズハンドルにはメリットもありますが、注意点もあります。
- わかりやすいがゆえに「だまし」も多い
- 損切りは躊躇なく行う必要がある
それぞれの注意点についてわかりやすく説明をします。
わかりやすいがゆえに「だまし」も多い
カップウィズハンドルはわかりやすいが故に「だまし」も多いです。
「だまし」に引っかかってしまうと、逆に大きな損失につながりやすいので注意しましょう。
損切りは躊躇なく行う必要がある
カップウィズハンドルはだましが多いため、万が一騙しに引っかかってしまった場合は躊躇なく損切りを行う必要があります。
あらかじめご自身の中で損切りポイントについて決めておくのが良いでしょう。
カップウィズハンドルのおすすめのエントリーポイント
カップウィズハンドルのおすすめのエントリーポイントは2つです。
- ブレイクエントリー
- ブレイク後の最初の戻しを狙うエントリー
最初のブレイク（赤丸）したときに、エントリーができれば大きな利益につながりますが、なかなか難しいのが正直なところです。
現実的にはブレイク後の最初の戻し（緑丸）を狙うエントリーを狙うのが良いでしょう。
こちらでも大きな利益になりますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回はカップウィズハンドルについて説明をしました。カップウィズハンドルはチャートパターンの一種で非常にわかりやすいチャートパターンです。
もちろん絶対ではありませんが、大きな利益が狙える可能性がある。チャートパターンなので、ぜひ覚えておきましょう。
