From:編集部 小早川
株式投資にはさまざまな手法があります。多くの手法を覚えることによって株式投資で利益を上げる確率を高められます。
数ある取引手法の中で有名なものの1つに「ナンピン買い」があります。
ナンピン買いとは、株価が買った値段より下がってしまった場合、その株を買い増しして平均取得単価を引き下げる方法です。
株式投資家の多くは、このナンピン買いを行っています。
しかし、投資初心者の方が安易にナンピン買いをしてしまうと、大きな損失につながる可能性があるのです。
ナンピン買いは有名ですが勘違いされている部分もあるのでこの記事ではナンピンについて詳しく解説します。
わかりやすく説明しますので、株式投資の参考にしていただければ幸いです。
ナンピンとはそもそも何?
ナンピンは、漢字にすると「難平」と書きます。
「難」は損のことを指し、「難を均す」ことから、難平と書き、株式投資の世界では平均取得単価を引き下げる意味です。
なぜ株価が下落したときに買い増ししたほうが良いかというと、株価が下落したときに買い増しすることによって、当初購入したときの株価まで戻らなくても、損失をゼロにできるからです。
例えば、1株1万円のときに10株購入し、1株5000円になったときに10株購入すれば、平均取得単価は7500円になります。
つまり株価が当初の1万円に戻らなくても7500円まで戻れば、損失はゼロになるのです。
ナンピンが成功すれば損失を減らすことができ、利益を伸ばすことができます。
ナンピン買いの成功例と失敗例とは
ナンピン買いはうまく行えば非常に大きな効果がありますが、ナンピン買いにも失敗があります。
そこで、こちらでは、ナンピン買いの成功例と失敗例について説明します。
- 平均取得単価を下げることができる
- 損切りできずに損を拡大させてしまう
- 指数連動系の商品は比較的安全
ナンピン買いの成功例と失敗例についてわかりやすく説明します。
平均取得単価を下げることができる
先ほど説明した通り、ナンピン買いは、平均取得単価を下げる効果があります。
先程の例だと、1万円まで株価が戻らないと損失はゼロになりませんが、株価が5000円の時に同じ株数をナンピン買いすることによって損益分岐点を7500円まで下げることが可能です。
ナンピンをすることで、今後株価が上昇していけば損失を早く取り戻すことができますし、利益に繋げやすくなります。
損切りできずに損を拡大させてしまう
ナンピン買いは平均取得単価を下げる効果がありますが、株価がその後も下落し続けてしまうと損切りできずに結局は損を拡大させてしまうことになります。
ナンピン買いをしたら株価が上昇するとは限りませんので、ナンピン買いを行う際は、慎重に行う必要があるのです。
指数連動系の商品は比較的安全
個別銘柄のナンピン買いは、その後も株価が下落する可能性があるので慎重に行わなければなりませんが、S&P500やナスダック100などの指数連動型の商品の場合、一般的にナンピン買いは有効であるとされています。
なぜなら、指数連動型の商品は、長期目線で見ると右肩上がりで上がっているからです。
特に、アメリカの株価指数は、長期目線で見ると大きく上昇していますので、このような商品の場合、ナンピン買いは非常に有効であるといえます。
ナンピン買いの計算方法とは
ナンピン買いの成功例と失敗例について説明しましたが、そもそもナンピン買いの計算方法について知っておかなければ有効なナンピン買いを行うことはできません。
この章ではナンピン買いの計算方法について具体的に説明します。
計算方法を知れば平均取得単価がわかる
ナンピン買いの具体的な計算方法は以下の通りです。
・平均取得単価=総取得金額÷保有株数
この式を覚えればナンピン買いの計算を簡単に行うことができますのでしっかり理解することが重要です。
ナンピン買いが効果的なタイミングとは
やみくもにナンピン買いを行っても、思い通りの効果を得ることはできません。
ナンピン買いには効果的なタイミングがあります。ナンピン買いの効果的なタイミングは主に2つです。
- 中長期投資を考えている場合
- 下落相場から上場の兆しが見えたタイミング
ナンピン買いに適したタイミングについてわかりやすく説明します。
中長期投資を考えている場合
先ほど説明した通り、S&P500やナスダック100などの株価指数の場合長期目線で見ると右肩上がりに上昇しています。
このような指数に連動する商品に投資をする場合、中長期で投資を考えればナンピン買いは非常に有効です。
なぜなら、いつかどこかのタイミングで上昇する可能性が高いからです。
ナンピン買いを行うことによって、大きく上昇したときに、より大きな利益を取ることができます。
このように中長期投資を考えている場合、投資対象を間違えなければナンピン買いは非常に有効であるといえるのです。
下落相場から上場の兆しが見えたタイミング
株価が大きく下がるとナンピンしたくなる人が多いですが、一時的な下落かどうかを見極めるのは非常に難しいのでむしろ損切りを考えるべきです。
ナンピンを考えるタイミングは、下落相場から上昇の兆しが見えたタイミングが一般的には良いとされています。
株価急落時にナンピンしたい気持ちはわかりますが、変な色気を出さず、あくまで上昇の兆しが見えたタイミングで買い増しをするのがおすすめです。
ナンピン買いのメリット
ナンピン買いには様々なメリットがありますが、主なメリットは2つに集約されます
- 下落リスクを抑える効果がある
- 買い増しした株が値上がりすれば利益も大きくなる
単品買いのそれぞれのメリットについてわかりやすく説明していきます。
下落リスクを抑える効果がある
ナンピン買いは、何度も説明している通り、平均取得単価を下げる効果がありますので、下落リスクを抑える効果があります。
当初購入したときの株価まで戻らなくても、損失を抑えることができますので、下落リスクを抑える効果があるのはナンピン買いの大きなメリットといえるのです。
買い増しした株が値上がりすれば利益も大きくなる
ナンピン買いをした後に株価が値上がりすればその分、利益が大きくなります。
平均取得単価を下げることによって、損失を抑えるだけではなく、利益を大きくできるのはナンピン買いの大きなメリットといえます。
ただし、株価が下落し続ける可能性もありますので必ずしもナンピン買いがうまくいくとは限らないことはしっかり理解しておくのが重要です。
ナンピン買いのデメリット
ナンピン買いには様々なメリットがありますが、当然ですがデメリットもあります。
- 損失が大きくなる可能性がある
- 1銘柄に資金が集中してしまう
ナンピン買いのデメリットについてわかりやすく説明します。
損失が大きくなる可能性がある
株価が上昇しなければ損失は拡大していくだけです。
特に、ナンピン買いをし続けることによって投資資金が大きくなると、その分、損失も大きくなりますので注意が必要になります。
損失が大きくなる可能性があるのはナンピン買いの大きなデメリットといえるのです。
1銘柄に資金が集中してしまう
ナンピンは他の銘柄に投資できない機会損失につながってしまう可能性があります。
また、1銘柄に集中して投資してしまうと、その銘柄が大きく下落した場合の損失は、非常に大きなものになってしまいますので、注意が必要です。
1つの銘柄に資金が集中しがちになってしまうのはナンピン買いの大きなデメリットといえます。
ナンピン買いの注意点
適切なナンピン買いを行うためには注意点をしっかり理解する必要があります。
- あらかじめ損切りラインを決めておく
- ナンピン買いの資金上限を決めておく
ナンピン買いの注意点についてわかりやすく説明します。
あらかじめ損切りラインを決めておく
ナンピン買いは、必ずしもうまくいくものではありませんので、ナンピン買いを行う際はあらかじめ損切りラインを決めておくのがおすすめです。
許容できる損切りラインをあらかじめ決めておけば、想定外の損失を被ることはありません。
ナンピン買いを行う際はあらかじめ損切りラインを決めておくようにするのが良いとされています。
ナンピン買いの資金上限を決めておく
ナンピン買いを行うと見境がなくなってしまい投資資金を集中的に投下してしまう人がいますが、ナンピン買いを行う際は必ず資金上限を決めておくようにするべきです。
あらかじめ資金上限を決めておくことによって、冷静さを失わずにナンピンを行うことができます。
また、想定以上の損失を防ぐのにも役に立ちますのでナンピン買いを行う際は必ず資金上限を決めておくようにするべきなのです。
まとめ:ナンピン買いは損切りとセットで考えよう
今回は、ナンピン買いについて説明しました。ナンピン買いはうまく行えば非常に効果のある投資手法になりますが、必ずしもうまくいくとは限りません。
ナンピン買いを行う際は、今回説明した注意点をしっかり守って行うようにするのが重要です。
今回の記事が、ナンピン買いの理解を深める役に立てば幸いです。