テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
毎月月初は重要イベントが続きます。毎月あるので、慣れてくるといつもの恒例行事なのですが、ちょうど昨日は雇用統計がありました。
毎月月初、第一金曜に発表されるデータで、おもに米国の雇用に関する情報が出てきます。
雇用者が増えていると、経済が回転してるということですから、今の文脈から考えるとよろしくないわけですよね。反対に雇用者数が減っていたら、経済が鈍化してるということ。
本来、鈍化してたらマイナスですが、そもそも米国はあえて経済にブレーキをかけていて、とんでもない物価上昇(インフレ)を抑えたいわけです。そのためにとんでもなく金利を上げてきました。結果、ドルが強くなって、相対的に円安ドル高になってたわけですね。
で、昨日出た雇用統計がこちら。
出典:みんかぶ
雇用者数、そして平均時給も前回から増加しており、米国経済の強さが現れた結果となりました。
これによってさらに米国の金利は上昇。こちら直近1週間の米国10年債のチャートですが、
出典:Yahooファイナンス
直近で上昇してるのがわかります。雇用統計の結果を受けての変化ですね。
世界のお金の流れが変わる?
いつもお伝えしているように、金利→為替→株の流れで金融マーケットは動きますから、金利の動向はとても重要です。その金利ですが、今週ついに先進国で初めてカナダが利下げに踏み切りました。
4年3ヶ月ぶりのことと記載がありますが、ちょうどコロナの時ですね。
出典:朝日新聞
さらに欧州ヨーロッパも4年9ヶ月ぶりに利下げです。
出典:NHK
いよいよ世界の金融マーケットが動いてきています。コロナぶりに、です。
コロナで何があった?
ちょっと時間を巻き戻しましょう。ちょうど4年半ほど前、コロナによって世界が一変しました。バイデン大統領は200兆円の経済対策を実施。これを「マネープリンティング」と言って、つまりお金を大量に刷ってばら撒きました。
これだけのお金をばら撒けば当然、物価が上がっていきます。さらにロシアとウクライナの戦争が起こったことで世界的なエネルギー不足にもなり、さらに物価高が加速しました。
そのために金利を上げて経済にブレーキをかけてきて、今なんですね。
米国の利下げは?
こうなると、米国はいつか?という声も出てくるはずです。実際、私も昨日の雇用統計が出る前までは、予想を下回って順調に利下げに向けて進んでいくだろうと思っていました。
特にここ最近出てきたデータはどれも鈍化していて、利下げもいよいよ…という論調も多かったですし、相場もそんな雰囲気があったように思います。しかし、結果はまだ経済は加熱しており、雇用面は予想を上回っていたんですね。
でも、ほぼ間違いなく米国も夏から秋にかけて利下げすると思いますし、ちょうど大統領選挙まで5ヶ月ほどですが、ここからバラマキなども増えて、トランプとバイデンのバチバチの論争もあると思います。
基本的にはトランプは減税・緩和の人なので、私はトランプで株高になることを期待しているのですが、バイデンも負けじと色々やってくるでしょう。
私たちトレーダーはこうした”お金の流れが変わるポイント”は必ず見ておく必要があります。どんな相場になっても、上がっても下がってもその流れに乗って、自分たちのトレードをするだけですからね。
世界の金融マーケットが大きく動き出そうとしている今。ちなみに、、日本も同じくその大きな潮流の中にいます。ただし、いつだって日本は世界と逆行するのですが、これから日本は「利上げ」するわけです。
これはこれで、その変わるポイントは見ておかないといけない。間違いなく株にも影響しますからね。ひとまず目先は来週の日銀会合、そしてFOMCですね。今回の雇用統計を受けてより一層、注目されるはず。
どんな内容になるか見届けて、来週もいい波乗っていきましょう!