
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
今週の相場も終わりましたね。日経平均は週間で1.6%安、米国株も売りにおされて重い展開です。
そして週末は日米関税協議。しびれる展開に突っ込んでいきますね。
では、今日のマーケットを振り返りましょう。
【米国株】米国市場はまちまちの展開、警戒すべきは金利高。
昨日の米国株は方向感ない展開になりました。
ポジティブだったのはトランプ減税の恒久化を含む減税法案を可決したこと、そして5月の製造業・サービス業PMIが市場予想を上回ったことですね。新規失業保険申請件数は前週比2,000件減の22.7万件で、労働市場は改善しました。
しかし財政悪化の懸念もあり、金利上昇が警戒されて終盤にかけて売られました。
ダウは上下に動く相場になり、一時は229ドル高の42,090ドルまで上昇。しかし、引けにかけて急速に売られて最終的には1ドル安の41,859ドルで取引を終えました。4日ぶりに反落です。
S&P500は2ポイント安の5,842ポイントで、こちらも4日ぶり下落。ナスダックは53ポイント高の18,925ポイントで引けました。
業種ごとで見ると11業種のうち3業種が上昇。一般消費財やコミュニケーション、ハイテクが上昇しました。一方で、8業種が下落。公益やヘルスケア、エネルギーが下げました。
肝心の米国金利はやや下落。こちら10年債です。

昨日の相場で目立っていたのはスノーフレーク。SaaS型データウェアハウスを提供する会社ですが、市場予想を上回る売上とEPSから13%上昇しました。
ビットコインが過去最高値を更新したことででコインベースも上昇、他にもテスラやパランティアもしっかりと。Googleも続伸しています。
弱かったのは太陽光発電株で、トランプ政権によってクリーン電力向けの税制措置が早く終わることが悪材料になりました。ファースト・ソーラーやサンラン、アレイテクノロジーなどが下がっています。
方向感ない展開の中、ハイテク株や主力株を中心に買われた米国株。週明け月曜は休場のため、今日はどうなるか。では次は日本株も振り返りましょう。
【日本株】日経平均3日ぶり反発。防衛や半導体が堅調。
ハイテク株の上昇をうけて日本株は買い優勢でスタートしました。
日経平均は37,000円台に回復して寄り付き、その後も上昇。買い一巡後は少し落ち着きましたが、関心は週末の日米関税協議へ。積極的な売買は弱くなりました。
為替を見るとドル円が143円台とやや円安に進み、これも相場を下支えしました。
日経平均は前日比174円高の37,160円で引けました。TOPIXは18ポイント高の2,735、グロース250は3日続落となる0.2%安で取引をおえました。
こちら直近1週間の日経平均です。

今日も三菱重工や川崎重工など防衛株や、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体に買いが入りましたね。
他にもフジクラや古河電気などの電線株、日本製鋼所や三井E&Sなどもしっかりと。「造船業の再生に乗り出す」と報道があり、今日は名村造船も強かったです。弱かったのはレーザーテックやサンリオ、UFJ銀行も下げました。
33業種のうち上昇は26業種。売買代金は3兆9321億円となり、4兆円を割れました。プライム市場の値上がり銘柄は68%、値下がり銘柄は27%でした。
また、こちらも警戒されていた金利高も、今日は少しブレーキ。過去最高に上昇していた30年・40年国債が下がりました。(債券価格は上昇)
向川の視点:日米関税交渉とFOMC議事要旨
今週の日経平均は6週ぶりに下落も、関税ショックがあった4月頭から25%ほど上昇です。多少下がっても仕方ないかと思いますが、マーケットの雰囲気は悪くないでしょう。
まずは週末に予定されている3回目の日米関税に注目。米国の財務長官は欠席みたいですが、進展があるのか、それとももう結論が出ていて最後の話し合いをしに行くのか。
自動車や鉄鋼の関税がどうなるかで、マーケットの雰囲気も変わるので、早いところ結論を出してほしいですね。
来週の注目イベントは28日にFOMCの議事要旨が出るのと、世界が注目するエヌビディアの決算ですね。今回も神決算に期待したいですが、果たしてどうなるか。
では来週もいい波乗っていきましょう!