
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
2024年もちょうど半年が終わり、折り返しですね。振り返ってみると、米国株は昨年秋からずっと上げ調子できました。日本は春先まで上がって、そこから揉み合いが続いていますが、なんだかんだで日経平均4万円まで近づいてきました。
ひとまずここまではいい流れできたので、2024年後半戦もこの調子で行ってほしいものですが、これから年末までの後半戦、世界が注目するのは「大統領選挙」と「米国利下げ」です。
どちらにせよ間違いなく日本にも大きな影響がありますし、経済だけでなく政治にも影響しますから超重要イベントです。今日はその大統領選挙をザクっと解説しましょう。
大統領選挙ザクっと解説
大統領選挙が行われるのは4年に1回で、夏期オリンピックと同じ年に開催されます。今回は2024年11月5日です。(もうすぐパリオリンピックですね)
なお、毎回必ず「火曜日」なのですが、なんでそんな平日に開催するかというと日曜はキリスト教の安息日にあたるからで、さらに米国は国土が広いので、交通機関が発達してなかった頃は馬車や歩きで投票に行ったため月曜では間に合わないので火曜日になりました。それが現代にまで続きます。
大統領選挙と言っても仕組みはシンプルで、ザクっというと民主党と共和党、それぞれが党の代表を決めて、その代表者同士が本選挙で大統領のイスを争います。
日本の選挙では、総理大臣を個人指名するのではなく、どの党に入れるかで決めます。現在の総理は岸田さんですが、私たち国民が岸田さんを選んだわけではなく自民党の中で人事が行われて総理大臣に選出されます。
しかし大統領選挙は直接選びます。今ちょうどやってる都知事選みたいなイメージで、立候補する人に直接投票するのが日米の選挙の大きな違いです。
米国は州ごとに法律が違うのですが、各州で選挙が行われて、州ごとに何勝できたかで競います。
色々と候補者が言われていますが、民主党からは現大統領のバイデン、共和党からは前大統領のトランプ。この2人の一騎打ちが行われようとしているのです。
バイデンvsトランプ討論会1stラウンド
で、昨日です。いよいよ今回の大統領選挙で争うバイデンとトランプが討論会でバトルしました。

あとで動画もシェアしますが、いやー、これがひどかったです。苦笑
過去色んなバトルがありましたが、正直私たち一般人は「プロレス」か「ラップバトル」くらいの感覚で見ておくのでいいと思います。政治思想はそれぞれあって、ゼロor100で語れることでもありません。
ただ、
・2人がそれぞれ何をやろうとしてるのか
・それが日本社会にどんな影響があるのか
・それが金融マーケットにどう影響するか
これくらいはザクっとでも覚えておいて損はありません。
バイデンvsトランプ、それぞれ何をやろうとしてる?
大枠はこちらの日経新聞の画像がわかりやすいです。

まずこれをザクっと理解するために、「保守」と「リベラル」の考え方を理解することからです。(一般的に保守=右寄り、リベラル=左寄りと考える)
米国にも日本にも、どの国にも色んな思想を持った人がいます。どちらもその国を大事にしようと思っていますが、優先順位が違います。
米国民も一人一人が国を想い、米国の未来のためにリーダーを選びますが、「保守」の人は伝統や文化、歴史を大事にしようと考える人です。一方で「リベラル」とは平等や自由、格差の是正などを大事にする人たちです。
どちらも正しいことを言ってますが、物事はよーいどんで一斉にチェンジすることはできませんから、優先順位をつけなければいけません。
基本的に米国民主党は「大きな政府」を掲げており、企業にどかっと補助金を入れたり、移民を積極的に受け入れて彼らに手厚い補助をしたり、環境問題やグリーンエネルギーなども盛んです。
中国のEV(電気自動車)とも相性が良くて、テスラのイーロンマスクのことは嫌ってるのも特徴。主に支持してるのは西海岸や東海岸に住む人たちで、シリコンバレーのメガテック企業も基本的には民主党政権寄り。
最近日本でもLGBTが盛んに取り沙汰されたり、SDGsとかもよく聞きますよね。ちょっと前だとロハスとかもそうですが、米国民主党政権の時はこのようなキャッチコピーが流行ります。他にも二酸化炭素で地球温暖化とかもそうですね。黒人差別を訴えるブラックライブズマター(BLM)も同じです。
彼らが訴えることは弱者救済、行きすぎた格差の是正、人種や肌の色、国籍などによる差別反対などです。(日本の立憲民主党、共産党、社民党などもこっち)
現在のバイデン大統領、前回はオバマ。その前はクリントンですね。クリントンはまさに地球温暖化のど真ん中って感じですし、オバマは黒人差別のど真ん中。彼らが誰から支持されて大きな影響力をもってるかは一目瞭然です。
「リベラル」とは平等や自由、格差の是正など弱者救済を大事にする人と書いたのは、↑のようなところからです。
一方でトランプは共和党です。彼らは平等や自由も大事ですが、その前に米国としての伝統や文化を大事にして、グローバルもいいけどまず米国民をファーストに考えようという人たちです。
わかりやすいところで言えば、増えすぎて問題になってる移民が、これ以上米国に勝手に入ってこないためにメキシコ国境に壁を作るとか、現在ウクライナとロシアの戦争に巨額のお金を突っ込んで、米国も財布ピーピーなのですが(だから日本もウン兆円のお金をウクライナに送ってるのですが)、これらを即刻やめさせると言っています。
基本的な路線は減税・規制緩和なのも共和党の特徴で、エネルギー政策もグリーンエネルギーに否定的です。米国は世界有数の原油生産地でもあり、電気自動車などにも否定的。共和党を支持してるのは、広い米国土の真ん中や、製造業で成り立ってるような地域です。
トランプは戦争したがりで、問題児みたいなレッテルが貼られていますが、基本的にほとんどのメディアはリベラル民主党のお金が入っていますから、ほぼバイデン贔屓です。日本のメディアもそれを垂れ流してるだけなので、私たちもトランプに対するイメージがあまり良くないですが、よくよく主張を見てみると真っ当なことを言ってるなと思います。
討論会、どうなった?
みたいなところをまずは押さえておきましょう。
それを踏まえた上で、先日あった討論会ですね。
お互いの主張がぶつかり合うバトルになりましたが、これを見てトランプも微妙な対応があったものの、バイデンがあまり喋れておらず、以前から心配されていたように高齢すぎて、ここからさらに4年は無理でしょ・・となっているのが今です。
この討論会は米メディアのCNNで放送されました。そのCNNはリベラル左派よりで、いわばバイデンのホームとも言えます。それでもCNNはバイデンへの不安を書いていたので、相当だと思います。
私の見解としては、おそらくバイデンは早ければ今月中にも次回の大統領選挙に出ないことを表明するのではと思います。それくらい今回の一件で流れが変わりそうです。
誰が代わりに出てくるか?ですが、今言われているのは副大統領のカマラハリス氏も有力で、女性大統領を押す声もありますし、別の候補もいますが、正直トランプと比較すると弱いです。
なので、ウルトラCとしては、オバマの妻でもあるミシェルオバマです。もし彼女が出てきたら、女性初の大統領で、かつ黒人、さらに夫婦で大統領はいませんから話題性は抜群です。
ミシェルオバマは元々は弁護士で法律家。頭は切れます。また、今はバイデンが大統領ですが、実質は裏で糸を引いてるのはオバマです。(オバマ大統領の時の副大統領がバイデン)
オバマはもう大統領を2期務めたから3期目は無理ですが、自分がハンドリングできる人から考えると妻であるミシェルオバマは適任と言えます。
そして、バイデン左派政権にべったりなのが岸田総理で、だからLGBT理解促進法案も、国民も反対して政治家も反対が多数にもかかわらず法律を作ったのもバイデン政権がその流れだからです。EV電気自動車を推進してるのも、バイデン左派政権がその流れだからです。(このことからもわかるように、日本は真の独立国ではなく米国の”保護国”にあるため、自分たちでなんでも決めれない。)
バイデンが再選するのか、別の人になるかわかりませんが、民主党政権のうちはこの流れは変わらないでしょう。ウクライとロシアの戦争も続きますし、そうすることで儲かる人たちがグローバル企業のバックにいますから、どんどん戦争も起こします。
トランプが大統領の時は戦争になってないように、もし共和党が政権を取り返したら、ウクライナから米軍を撤退させるでしょう。トランプの娘婿、クシュナー氏は不動産のエリートでイスラエルにルーツがあるので、イスラエルから米軍を撤退させるかはわかりません。
また、日本が円安、米国はドル高になっている現状も、トランプが大統領になると変わるでしょう。ドル高になっていることで米国の製造業は壊滅状態です。そして、この界隈からトランプは支持されています。(古き良き時代の米国白人層が支持基盤)
よって、トランプになると円安の流れは止まることが考えられますし、トランプは電気自動車もやめさせて石油に戻すことが考えられるので石油などエネルギー株は見ておいていいと思います。
日本の政治は9月、米国は11月に動きます。2024年の後半戦も面白い流れになりそうです。
これから秋にかけて大統領選挙が盛り上がってくるはずです。毎回お祭りみたいになるので、ニュースレターやコラムでもわかりやすく解説していこうと思います。