
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
先週からいい流れが続いていますね。S&Pは6連騰中で、下落トレンドから大きく反発。関税ショック前の水準まで戻ってきました。

これから週末にかけて重要イベントに突っ込んでいくので、今からの積極的な買いは控えるところですが、米国株も日本株もいい流れ。日本株はいよいよ明日、日銀会合ですね。
では、今日のマーケットを振り返りましょう。
米国株続伸。関税交渉の進展と減税期待。S&P6連騰!
昨日の米国株ですが、トランプ大統領が自動車関税の負担軽減に署名との報道がありました。
さらに今からトランプは法人税減税、所得税減税の流れですから、将来への期待から買われる展開になりました。
ラトニック商務長官も「貿易合意に達した国ができた」と言っており、関税問題が無事に着地しそうです。
ここまでハイテク株が相場を引っ張っていましたが、昨日はエヌビディアが下落。中国のファーウェイが新しい製品を作っており、競争激化が懸念されて半導体株が下げました。
しかしAppleやメタ、ネットフリックス、テスラなど上昇しており、ナスダックも続伸です。
昨日はJOLTS求人が出ましたが、これが予想下振れ。消費者信頼感も5年ぶり水準に低下したものの、減税や関税緩和のポジティブ要因が勝った形です。
昨日強かったのは金融セクターで、銀行株などが上昇しています。エネルギーのみ小幅に下落しました。
米長期金利も引き続き下落しており、17時時点で4.1%で推移。ドル円はやや円安へ進んでいます。
引け後に決算を発表したスーパーマイクロコンピューターが急落、他にもスタバも決算が弱く下落。
今夜メタ決算、明日マイクロソフト決算。さらに今夜は月末のPCE発表ですね。”お祭り”が続きますが、今週はかなりイベント目白押しです。
日経平均5日続伸!ソニー、商社、自動車、銀行など上昇。
そして今日の日本株ですが、日経平均は+0.57%の36,045円。TOPIXは+0.63%の2,667、グロース250は+0.73%の676でした。
これで日経平均は5日続伸、TOPIXは6日続伸となりました。業種別で見てみると、ソニーなどのゲーム株が上昇。ソニーは半導体子会社の上場検討報道で大幅高でしたね。他にもカプコン、任天堂なども最高値を更新です。
自動車株は関税緩和を受けてトヨタ、ホンダなどに買い戻し。他にもスズキやダイハツや、アイシンなどの関連会社も買われました。
そして少し為替が円安に進んだこともあり、商社株もあげました。そして金利水準の下げ止まりと、配当利回り期待から銀行株や保険株も買われています。
銀行からは今日はUFJが決算を発表、前期最終を6%上方修正・最高益予想を上乗せで強い決算が出ました。東京エレクトロンも今期経常4%増で2期連続最高益でした。
今週は日米ともに続々と主力決算が出てくるので、監視銘柄の決算は要チェックしておきましょう。
今日は日経平均への影響度が大きいファストリが下げたことで、日経平均全体を押し下げましたが、それでも日経平均は引けにかけて買われて、約1ヶ月ぶりとなる36,000円台に回復しました。売買代金は5兆4367億円。
次は5月1日に赤沢大臣が財務長官と二回目の協議です。チャート的にも36,000円タッチでややブレーキも考えられます。特に明日は日銀会合もあり、利上げなしがコンセンサスになっていますが、引け後の植田総裁の会見は注目です。
もう1つの救いは、今のところ日本の主力企業もそこまで決算が悪くないです。自社株買いからの上昇、は最近のよく見る流れなので、GW前の相場ですが決算によって動いてくる銘柄を物色するのもアリですね。
為替:ドル円は143円目前へ、円安再加速?
為替を見てみると、また円安の流れが進んでいます。ドル円が一時142.90円台まで上昇。再び143円台をうかがう展開となりました。

米経済指標が悪化しなかったことによるドル反発、そして月末・月初の実需要因(輸出入企業の決済など)、そして日米関税交渉が大きな波乱なく進行していることによる安心感など、いろいろと理由は考えられます。
日銀会合でも利上げナシが既定路線のため、円安の流れが再開しているとも考えられます。
ベッセント米財務長官が「日本との通貨協定は求めない」と発言しており、円高圧力がやや後退したことも影響してそうです。
今後の米金利動向や日銀の政策見通し次第では、再び144円台も視野に入ってくるかもですね。
向川の視点:政策がマーケットの“空気”を変える
日経平均もS&Pも続伸となり、約1ヵ月前の関税ショックはひとまず回復しました。一安心ですね。
トランプ政権の言動は世界のメディアが偏向して流すため、ほとんどが悪い印象で見えていると思います。しかしやっていることは当初から言っている通りです。公約通りのことをやっています。
交渉カードとしての「関税」をうまく使い、時にはジャイアン的な交渉に見えますが、しかしそれも「米国ファースト」であるがゆえ。
賛否はあれど、私は国のリーダーとして正しい姿勢だと思っています。まず自国を守ることが最優先であり、余分の力があまっていたら他国を守るべきです。(日本のリーダーに言ってやりたい)
さて、日本株の次なるターニングポイントは5/1の赤沢対談ですね。米ISM製造業、雇用統計と重要イベントも続きます。しびれる展開に突っ込んでいくので、シートベルトしめて安全運転で良い波乗っていきましょう!