テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
7月前半は大きく相場が上昇して狂喜乱舞していましたが、7月後半から雰囲気がガラッと変わり、さらに8月に入ってからは相場のあちこちから断末魔の叫び声が聞こえてくるようになりました。
先週に続いて今日の日本市場も全面安。日経平均は1日で4,500円ほど下落し、過去最大の下落幅となりました。さらにストップ安の銘柄も500以上。追証でえげつない負債を負った人もたくさんいると思います。
今日はこのポイントをザクっと振り返りましょう。
何が起きたのか?
ポイントは3つ。
1、日銀の利上げ
2、為替が円高へ
3、ハイテク株安
大まかにはこの3つ。以前から日本の利上げは噂されていましたが、まさかこのタイミングでやるとは想定外でした。サプライズを喜んでくれるのは家族や友人、恋人だけで、相場はサプライズを嫌います。
ましてや日本経済が弱ってることは数字やデータを見ても明らかで、目先のたかだか知れてる物価上昇や、金融業界からの圧力に耐えれずに利上げの流れになりましたが、米国はこれから利下げが見えてる以上、為替が逆回転しますから相場に異変が起こるのは当然のことです。
この「金利と為替の逆回転」を以前から懸念していたのでWAVYなど私の会員さんにはお伝えしていましたが、ここまで一気にガタッと来たのは私も想定外でした。
そもそも日経平均の上昇は円安効果が大きく、ドル円が快調に売られまくって円安爆進している方がいいのですよ。でもニュースや世間では「円安だめ!」の一点張りでした。
結果、円高にすることは簡単ですが、その代償にこの悲惨な現状になったわけで、こうなると当分はまた日経平均は弱くなることが考えられます。
全世界金融ショックか?
なお、このコラムを書いている15時20分現在、日経先物はまだ下げていますし、今夜出てくる経済データが弱ければ、さらに円高になることが想定され、そうなるともう1段階、日経平均は下げることが濃厚ですし、そのあとで反発してちょっと上がっても米国の下げに巻き込まれてさらに下げることも考えられるので、安易な気持ちで「逆張りチャンス!」とかやってしまうと大火傷することもあるので注意です。
ちなみに、下げているのは日本株と米国株だけでなくドイツ、フランスなど欧州株、アルゼンチン、ブラジルなど南米株、イスラエルもそうだけど全部下げていて、全世界同時株安!になりつつあり、さらに金、銀、銅、プラチナ、原油、小麦、ココアなどコモディティもほぼ全部下落し、為替も円以外はほぼ下落で円買いが爆進中。
今まで円が売られて「紙屑になってる!」という人も多く、今は世界中から爆買いされて円高が進行中ですが、それがこの状況になっているわけで、これまで膨らみ続けていた風船が「日本の利上げ」というショックで世界中で破裂しそうになっているのが今ですね。
いつ下げ止まる?
今みたいにちょっとしたパニックになると、我こそ先にと投げ売りが始まって、テクニカルも効かなくなります。よって、チャート的には明らかに売られ過ぎとなってもそれ以上に売られ続けることも十分あります。
ですから、相場には「落ちるナイフは拾うな」という言葉があるように、急落している時に迂闊に手を出すと引っ張られて持っていかれる可能性もあります。
もちろんここまで売られたので、どこかで必ず反転上昇はしますが、今じゃないって感じですね。
さらに日本は今週も決算です。レーザーテックなど半導体株も出てきますし、その他の主力企業が続々と出てきますから、さらに相場は不安定になります。こんな時はノーポジこそ正義で、涼しい部屋でカフェラテでも飲みながら相場を眺めておくのがいいですね。
ただ、目先のことだけ見れば、今日の日経平均は2日続けて窓を開けて終わりました。テクニカル的には3空開けると下げ止まり、とも言われるので、明日もう一度大きめの窓を開けたら一旦は止まりそうですが、ちょっと反発してまた下げることもあるので、注意が必要です。
長い相場人生、こんなことも全然ありますし、最近だと2022年の米国株もこんな調子でしたが、数ヶ月したら爆上げ相場になりました。日本株も同じようにどこかで下げ止まって反転するのは間違いないので、悲観的になりすぎず、こんな時だからこそ次の転換ポイントを見定めましょう。
最後にこちらの画像を。
歴史的な暴落をリアルタイムで見れたことは、トレーダーとして経験値を積めたと思います。定期的にこんなショックはくるので、次はチャンスに変えましょう。
そして最後に、これから日本市場は上げ一本調子ではなく下落相場も増えるはずです。そうなると空売り(ショート)ができた方がチャンスが増えるので、信用取引を開けて空売りもできるようになりましょう。
上げも下げも利益を狙えると、どんな相場になっても冷静でいられますからね。死人がゴロゴロ出る相場になっても、私たちは狂喜乱舞しようではありませんか。