【4/4相場まとめ】トランプ関税ショックの余波で金利低下・円高・株急落へ。動けない日銀、来週の展望は?

コラム

今週もお疲れさまでした。テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

世界が揺れ動いています。トランプ大統領による関税発動で相場は一気にリスクオフへ。マーケットは急落しています。

日本市場は「関税の余波」だけでなく、金融政策・企業収益・通貨構造という「深い変化」を映し出し始めました。

円高・金利急低下。

まず為替から見ていきますが、ドル円は一時146円台まで円高が進み、円は主要通貨に対して全面高の流れになりました。

こちら直近5日間のドル円チャートですが、きれいに円高トレンドになっています。

また、その裏で、国債利回りが大きく崩れています。

日本の10年債利回りは1.32%台まで低下し、長期国債先物は週を通して4円近く上昇。これは1986年以来最大の上昇幅となりました。これはインフレ鈍化ではなく、金融政策の手詰まり感を示しています。

日経平均は崩れ、銀行と半導体が“二本柱で下げ”

今日の日経平均は955円安の33,780円で引けました。

アドバンテストとソフトバンクGだけで▲235円分の押し下げとなり、他にもメガバンクなど銀行株も崩れました。

銀行業指数は週間で▲10%安となり、TOPIX全体の下げに強く寄与しました。今週特に目立ったのは銀行と半導体の崩れです。それぞれ「金利」と「対米関税」という構造リスクに直撃したセクターです。

まさにトランプショックと言っていいでしょう。まだ何を言ってくるかわからない不透明さもあり、そして関税は日本の輸出株に直撃で、これからさらに追加関税もあることから先行きが読みにくいです。

今、買われているのはディフェンシブ銘柄やリートなど“逃避先”ばかりで、今日も強かったセクターは3つだけで、陸運や食料品、不動産です。輸出・金融・テックといった「相場の顔」はことごとく売られています。

売買代金は6兆8414億円と増えたものの、あまりいい環境と言えず、“一過性”の下げではなく、構造的な不信感から売り優勢となっています。

米国株も大幅安へ。コロナ以来のショック。

昨日の米国株も大幅反落でした。ダウは1,679ドル安、ナスダックも1,000ポイント以上下げました。

関税による景気への影響、さらにISM非製造業景況指数が予想以上に低下したことで景気後退入りの懸念が強まりました。

加えて、欧州やカナダが報復措置にたいして強気の対応に出たことも相場の雰囲気を悪くしました。貿易摩擦悪化の懸念から相場はさらに売り優勢へ。

特にアップルが9%下落となり、M7の中でも特に下落。海外のサプライチェーンに依存しており、中国やベトナムで多くの製造をしていることから急落しました。

他にもデルが19%下落、ルルレモンやナイキもベトナムで生産しており、昨日も下げました。ゼネラルモーターやフォードなど自動車も売られています。

また、大手銀行株で構成されるKBW銀行指数も約10%下落。シティやバンクオブアメリカなど銀行株も10%以上下げています。

来週の焦点:CPI、企業決算、そしてドルの動き

来週の相場も見ていきましょう。

円高・株安が進みすぎて、テクニカル的に自律反発が入りやすい局面です。ただ、基本的には下落トレンド中なので、上値を追いすぎは禁物です。

ただ、そこまで強い追い上げになる材料もなく、米国CPIを控えており、「戻ってもすぐ売られる」地合いとも考えられます。

4/9はセブンアイ決算、4/10はファストリの決算など、国内は小売企業から決算もスタート。米国は大手金融株から決算スタートです。

そして4/10に米国消費者物価指数、4/11は生産者物価指数も出てきます。今週に続いて重要データなので注目です。

今後の注目テーマとしては、円高がどこまで続くのか、企業業績への影響はあるのか。そしてトランプ関税と報復措置の動きも大事です。利下げを意識し始めた米国FRBの動向も。

今週の日経平均は前週比でみると-3,339円となりました。

トランプ関税によって平均20%を超える輸入関税が発生します。そしてそれは当然のようにインフレ圧力です。

ただ、世界中から富が集まる構造になることから米国内は心配しておらず。むしろ日本の方がマイナスが大きいので、日経平均の先行きが心配になりますね。米国市場が懸念するスタグフレーションは起こらないと考えています。

最後に

今夜は雇用統計です。

21時からLIVEするので、時間になったらこちらからどうぞ!

そして来週から新しいセミナーを公開するので、ニュースレターで告知しますね。今週もお疲れさまでした🌊