
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
週末の米国株は引き続き下落となりました。
週末なのでザクっとまとめておきます。そして、1つ告知を。
投資初心者さん向けのwebセミナーを撮りました。こんな相場の時ほどしっかりと見ておきましょう。チャンスは悲観の中で生まれますからね。
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迷いを減らしてルール通りに
売買できるようになる3つのポイント
相互関税、報復関税、FRBの慎重姿勢という3連打で、株式市場はわずか2営業日でコロナ級の暴落を記録。
米国株指数は2日で10%下落し、昨日はS&P・ナスダックともに約6%下落。ナスダックは高値から21%下落となりました。ダウも5.5%下落。わずか2日で約290兆円の時価総額が吹き飛びました。
トリガー①:相互関税と報復関税による貿易戦争へ
今週、トランプ大統領は全ての輸入品に対して10%の関税を発表しました。日本へは追加関税として24%、そして中国には計50%もの関税を発表。
これに対して昨日、中国も報復関税を発表しました。米国へ34%の報復関税に加えてレアアース輸出制限や、米国の防衛関連企業をブラックリスト指定するなど厳しい処置をとりました。これに欧州マーケットも反応し、欧州株も続落しています。
「想定の範囲」を超えた制裁合戦に、市場は反応せざるを得ない状況で、来週9日には追加関税も出てくる予定です。トランプが何を言ってくるかわからない不透明感から相場が荒れています。
トリガー②:雇用統計は予想上振れも、利下げ期待鈍化?
昨日は雇用統計が発表されました。
毎月第1週目の金曜は雇用統計があり、ライブもやっています。昨日のライブはこちら。
※少し音が飛んでるところがあります。。
3月の米雇用統計、雇用者数は+22.8万人(予想+13.5万人)と強い結果になりました。
今の懸念は米国経済の先行きなので、ここで弱いとマーケットにはネガティブと思っていましたが、予想を上振れてきました。でも市場はあまり反応せず。
また、その後にFRBパウエル議長が会見で発言。
「関税の影響は予想以上」「政策判断には時間必要」と慎重な姿勢を見せたことで、よりマーケットはネガティブに。利下げ期待にも水が差され、さらに売りが加速しました。
トリガー③:VIX40超えで危険水域。Fear指数は「1桁台」
市場の不安心理を表すVIXは40を超えました。30を超えると警戒ゾーンですが、超えてくるのは数年ぶりです。
一時45まで上がりましたが、コロナ以来のことです。さらにFear & Greed Indexは1桁となり、極端な恐怖ゾーンへ突入しました。


市場は“守り”に入り、逃げの連鎖が強まっています。
今後のポイントは?
パウエルの慎重姿勢で、利下げが“遠のいた”という見方も出てきましたが、トランプのサプライズによって相場が荒れているものの、関税によって米国経済が受けるダメージはそこまで大きくありません。
関税の引き上げとは、いわば「モノへの増税」ですから、当然、製造業にとってはダメージが大きいです。しかし、関税の対象外となるサービス業への影響は限定的です。
そして、米国はサービス業の国であり、米国GDPに占めるサービス業の割合は約7割なので、米国経済への影響はそこまでないのです。
ただ、このショックでバタバタする相場はもうちょっと続きそうなのと、メディアも過剰に煽るので、マーケットは敏感に反応します。
関税報復合戦も今後どうなるかわかりませんが、少なくとも中国はかなり厳しいと思います。元々経済が弱っていてデフレも進行中で、失業率も上がっている中で今回の関税ですからね。
また、来週からは決算も本格化していきます。日本は小売から、米国は金融からです。業績や次回の見通しなど、今回もかなり重要な局面ですね。
日経先物も下落しており、週明けも重い展開が考えられます。9日の追加関税が緩和してくれたら、と淡い期待もしていますが、内容によってはもう一段階下に突っ込むことも考えられます。
いま市場が映しているのは「政治リスク」×「金融政策」×「投資家心理」の三重苦。日本の利上げは少し後ろにズレた感がありますが、米国の利下げタイミングは見定めたいですね。これは日々出てくる経済データを見て分析していきます。
繰り返しますが、この下落はウェルカムです。相場は悲観の中で生まれるので、こんな時こそマーケットをしっかり見ておきましょうね。来週もいい波乗っていきましょう🌊