
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
週末にかけてマーケットがざわついたのが「米国債の格下げ」でした。
「世界一の安全資産」と言われる米国債が最上級の「Aaa」から「Aa1」となったことで、相場はピリッとしましたが、先日のコラムで書いたように特に怖がる必要はないです。
そして今日の日経平均はわずかに反発。5日ぶりですね。では、今日のマーケットを見ていきましょう。
【米国株】米国債格下げほぼ影響なしで米国株続伸。
ふたを開けてみれば、昨日の米国株も続伸。格下げはこれで3回目で、すでに織り込み済です。
ダウ平均は約332ドル高、S&P500は約41ポイント高、ナスダックも約99ポイント上昇と、主要3指数がそろって上昇しました。
序盤は少し重い雰囲気があり、ダウ平均は111ドル安で寄り付き、その後は300ドル以上下落。しかし、その後は買いに転じて上げ幅を拡大。最終的には137ドル高となり、これで3日続伸となりました。
S&Pは5ポイント高の5,963で、小幅上昇で6日続伸となりました。ナスダックも4ポイント高の19,215で取引を終えました。
ここ最近気になって注視してるのが金利で、日米ともに上昇が止まりません。しかし昨日に関しては金利が低下。米国債は売られたものの反転する勢いもあり、金利上昇(つまり債券価格の下落)は続かなかったです。
また、昨日はここ最近売られに売られて急落していたユナイテッドヘルスがリバウンド。連日の大幅高となったので、こちらもダウ平均を押し上げました。

業種別で見ると、11業種中7業種が上昇。特にヘルスケア、生活必需品、資本財・サービスなどが上昇しました。下げたのはエネルギー、一般消費財、ハイテクなど。
ヘルスケアが反発しており、メルク、アムジェンなど関連株も上げました。ダウ平均の構成銘柄ではないですが、ノババックスが15%上昇。新型ワクチンがFDAに承認されたことが好感されました。
一方、ファースト・ソーラーは急落。7%ほど下げてS&P500構成銘柄の中で値下がり率トップとなりました。
【日本株】日経平均は小幅に5日ぶり反発も上値重い。
米国株の続伸をうけて今日の日本株は買い優勢でスタート。
しかし、上値は重く、終値は前日比30円高の37,529円となりました。もう関税問題は一旦過ぎ去り、米国の格下げも問題なかったので、今見ておくべきは今週開催されるG7会合です。
まだどうなるか分からず、なんでも米ベッセント財務長官は参加しないみたいな情報もあって、どう着地するか見えておらずです。
為替は1ドル144円台半ばをウロウロしており、やや円高へ動きました。

前場はまだよかったですが、後場に入ってからはさらに重くなり、日経平均は一時前日比マイナス圏まで下落。
今日は電機や自動車など輸出株、他には非鉄金属などが買われて相場をけん引しました。一方で電気ガスや陸運、食料品などが下落。
他にはグロース250が続伸で、今日も0.9%高となりました。これで8日続伸ですね。日経平均はレンジに突入で、目先は38,000円の壁が高いです。

個別株を見ていくと、今日はサンリオを取り上げます。今日は約10%ほどぶち上げ。先週新たな中期経営計画を発表、これが好感されて一気に上昇しました。今日の売買高ランキングでも2位でした。

そして安川電機は3日ぶり反発。国内証券会社が中立からアウトパフォームに引き上げて、さらに目標株価も4,000円に上方修正したことが好感されて買われました。

他にはアドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体株が売られました。ファストリ、ソニー、京セラなども弱かったですね。
売買代金は4兆4721億円。プライム市場の値上がり銘柄は21%、値下がり銘柄は76%でした。
向川の視点:G7会議と為替動向に注目
さて、今週はG7会議ですね。どうなるか分からないので、私も大きくポジションは変えず。
円安是正の話もあって、わりと私も可能性はあると思うので、フットワーク軽くいたいところ。
グロース250は続伸しているものの、買われてるのは一部の大型主力で、今日も値下がり銘柄が1,000超えですからね。本来はもうちょっと指数が下がってもおかしくなかったかと。
また、今日は20年国債の入札が不調で、利回りが一気に上昇しています。すでに30年国債など超長期国債がぶちあがっており、いずれにしてもマーケットにはよくないです。
ここまでのトレンドが一服し、マーケットは次のきっかけを探っています。では、明日もいい波乗っていきましょう!