
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
さて、今週の相場が始まりましたね。4月上旬の関税ショックから相場は持ち直し、強い上昇をともなってここまできました。S&Pは6,000に最接近、日経平均も38,000円に接近中ですね。
先週末、米国債の引き下げのニュースがあり、マーケットはそれをうけて重くスタート。今日の日経平均は下落で、これで4日続落となりました。
では、今日の相場を振り返りましょう。
【米国株】先週末は3指数とも上昇。引け後に米国債引き下げの報道あり。
先週の米国マーケットは主要3指数が揃って上昇、特にユナイテッドヘルス幹部による自社株購入の報道を受けて9日ぶりに大幅反発し、ダウ平均を押し上げました。
ただ、約2ヶ月の間に株価は半減するなど、ここまでかなり売られていたので、先行きはまだ不透明ですね。
他には、5月のミシガン大学消費者信頼感が予想下振れ、4月の米住宅着工件数は前月比1.6%増の136.1万戸で予想下振れなど、引き続き弱めのデータが出ていたのも印象的でした。
S&Pは11業種のうち10業種が上昇。強かったセクターはヘルスケア、公益事業、不動産など。一方、エネルギーのみ下げました。
17時すぎの米国株先物も下落していますね。

今週は20~22日にカナダでG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。そこで日米の3回目の閣僚協議も予定されており、為替や金利動向に影響を与える可能性もあるため、引き続き注視ですね。
では、今日の日本株を見ていきましょう。
【日本株】米格下げと円高が重しで日経平均は続落。
さて、週明けの日本株はやや重たいムードでスタートしました。日経平均は前週末比255円安の37,498円。これで4営業日続けての下落ですね。
ムーディーズは米国債を最上位の「Aaa」から1段階引き下げ、それに伴いドル安・円高の進行でマーケットは重いです。
結論、私はそんなにマーケットに影響はないと考えていますが、格下げという言葉の響きはよろしくなく、実際ドル円は一時144円台後半まで円高が進行。為替が日本株の重しになりました。
ただ、今日のマーケットを見ていて感じたのは「意外に売りが続かない」ということ。後場には押し目買いも入り、先週までの強気相場の名残をうかがわせる一面もありました。
つまり今の相場は、強気と弱気のどちらに軍配が上がるかの瀬戸際。格下げは確かにマイナス材料ですが、それだけで崩れるような相場地合いではないです。
今日特に目を引いたのは、医薬品や宇宙ベンチャーなどのテーマ株。第一三共は抗がん剤「エンハーツ」の点滴不要化の報道から連騰へ。
直近一ヶ月で見るとこんな形。チャートは戻ってきていますね。

H.U.グループもぶち上げ年初来高値を更新。関連会社の富士レビオがアルツハイマー型認知症の検査薬が米FDAで承認されたと発表しました。
一方でQPS研究所は10号機の打ち上げ成功というポジティブな報道があったにもかかわらず、終値はむしろマイナスに。
他にはディスコや東京エレクトロンなど半導体株が売られて、他にも海運株も下げました。
今週は引き続き為替にも注目で、米国が「過度な円安是正」に動くのであれば、マーケットは嫌気します。今週の会合の動きは見ておきたいところ。
今日はプライム市場の値上がり銘柄が800を超えました。33業種中、医薬品、空運、水産農林、不動産など15業種が上昇し、海運、石油石炭、保険などが下げました。売買代金は3兆8215億円と少し減少しました。
プライム市場の値上がり銘柄は50%、値下がり銘柄はは46%でした。
向川の視点:いまは「流動的」を前提に備える時間
米格下げは警戒材料ですが、パニックは起こっていません。円高は進んでいますが、日本株の底値は堅いです。
今週は引き続き、個別決算とG7、そして為替市場の動きに目を凝らしておきましょう。国債の格下げや財政懸念がマーケットにどんな影響を与えるか。今夜の米国株の動向にも注目です。
では、明日もいい波乗っていきましょう!