
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
日米ともにマーケットはちょっと休憩モード。米国株も反落し、日経平均も為替が円高にふれたことが重しになって反落しました。
今日は水曜日なので、毎週ライブをしているのですが、私用で今日はおやすみします。では、今日のマーケットを振り返りましょう。
【米国株】小幅反落。財政赤字懸念と長期金利上昇が重荷に
昨日の米国株は3指数とも反落。
米国の財政赤字の悪化が懸念され、長期金利の上昇が相場の重荷になりましたね。私も毎日金利の動きを見ていますが、日米ともに上昇の流れにあり、基本的に金利高の時は警戒しておきたいです。
また、3月の高値まで到達したこともあり、主力銘柄に利確売りも入りましたね。
ダウ平均は114ドル安の42,677.24ドルで取引を終えました。これでダウは4日ぶり反落でしたね。
S&P500は23ポイント安の5,940で7日ぶりに反落、ナスダックも72ポイント安の19,142で取引を終えました。
こちら直近1週間のS&P500。直近は少し停滞していますね。

業種ごとで見ると11業種のうち3業種が上昇。公益事業やヘルスケア、生活必需品が上げました。
一方で8業種が下落し、エネルギーやコミュニケーション・サービス、一般消費財などが下げました。
個別株を見ると、引き続き急落から大幅リバウンドしていたユナイテッドヘルスが続伸。そしてボーイングも続伸ですね。アマゾンやメタなどハイテクが売られて下落しています。
昨日は目立った材料もなく、今週は静かな1週間と言えます。そして、最近になって関税よりも注目されているのが減税で、ただこれも財政負担が大きいとの懸念から金利高の流れもあります。
今週は引き続き為替協議について進展があるか、見ておきたいですね。
また、「イスラエルによるイランの核施設への攻撃準備」との報道もあり、これでコモディティ市場が上昇。金銀プラチナなど大きく上昇する一日になりました。
【日本株】日経平均、円高進行で230円安の反落。
では次に、今日の日本マーケットも振り返りましょう。
米国株反落の流れから、今日の日本株は方向感ない展開でスタートしました。
朝は60円高の37,590円で寄り付き、そのあとで上昇する場面もありましたが、為替が1ドル143円台と円高進行が重しとなって反落しました。
ここまで続伸していたグロース250も、今日は下げています。しかし9日ぶりということで、引き続き強い流れが続いています。
今日は後場になっても流れは変わらず、日米財務会談を前に調整売りもあって、引けにかけて下げ幅を大きくしました。
今日も自動車株が下げていますが、関税リスクも依然としてあり、そして今日出てきた4月貿易収支を見ても自動車の輸出低下から先行きは不透明です。
自動車セクターは市場規模も大きく、マーケットへの影響もあるため、関税がうまく着地してくれたら・・というところですが、ノーダメージでは無理でしょう。
個別株を見ると、今日は防衛株が強かったですね。三菱重工も最高値に接近、IHIは年初来高値を更新。中東危機の再燃が材料になった形ですね。
また、東京海上が下落。26年3月期の当期純利益が前期比で12%下落という弱き見通しを出しました。自社株買いも発表したのですが、ちょっと弱きな方に伝わりましたね。
他にもソニーやアドバンテスト、ファストリ、リクルート、ソフトバンクGなどの主力株が下落しています。強かったのはファナック、第一三共、そして三井物産やエーザイなどは日経平均の値上がりに寄与しました。
こちら直近1週間の日経平均です。

向川の視点:自動車セクターの動向に注目
先ほども書いたように、今日出てきた4月の貿易収支で自動車の輸出額の低下が確認されたことからも、関税の影響が少しずつ出始めています。
米国にとって関税はポジティブ要素が大きいですが、他国はそうではなく、日本においても自動車など輸出株にダメージがあるとマーケットにとってはネガティブです。
さらに為替も円高の流れですから、自動車を中心に輸出セクターが厳しい展開も考えられます。
ただ、今日は防衛株が強かったように、トランプも敵の攻撃から守るための「ゴールデンドーム」というミサイル防衛に3年間で約25兆円もの巨額投資をすることを発表しました。宇宙空間からミサイルを監視するものですね。
世界的に防衛セクターは中心なので、引き続き見ておきたいところ。国内の防衛株も大手から中堅、小さい企業まであるので、ざっと見ておいてもいいでしょうね。
では、明日もいい波乗っていきましょう!