
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
先日から米国内で起っている内戦について解説していましたが、LAだけでなくNYやシアトルなど米国の都市部に広がっています。LAの一部の街では外出禁止令も出ましたね。
さらに中東でもまたドンパチ起きそうになっていますし、この流れは世界的に止まりそうにないですね。
マーケットはやや重くなって、昨日は米国株も反落。今日の日本株も重かったですね。
では、今日の相場を振り返りましょう。
【米国株】3指数反落。中東リスク再燃。
昨日の米国株は主要3指数とも下落。
米中の協議がロンドンで行われており、緩和に向けて着地そうな流れになったので寄付きから上昇。
昨日はLIVEをしていましたが、5月の米CPI(消費者物価指数)が市場予想を下ぶれ。インフレ懸念は後退したことは良かったものの、米国景気への不安は高まりましたが利下げ期待が進んでマーケットは好感。
しかし、ここまで強かったハイテク株に売りが出たのに加え、イランと米国との核協議がうまく進まず、紛争が発生した場合には米軍基地を攻撃すると警告。これによってマーケットは重くなりました。
ダウ平均は前半は良かったものの、一時128ドルまで下落。引けにかけてやや買い戻されて、最後は1ドル安の42,865ドルで引けました。
S&P500は16ポイント安の6,022、ナスダックは99ポイント安の19,615で引けました。
業種ごとで見ると11業種のうち4業種が上昇。特にエネルギーが強いですね。中東危機の懸念から原油が買われて上昇中。これでエネルギー株が買われています。

他には公益事業、ヘルスケア、資本財などが上昇。弱かったのは一般消費財や素材。
個別株を見ると、ユナイテッドヘルスが上昇。他にもキャタピラーやシェブロンなど上昇しています。
スターバックスはCEOが中国事業における少数株式の売却を検討との報道から4%ほど上昇。
防衛のロッキード・マーチンはトランプ政権がF35戦闘機受注を半減したことから4%ほど下落しました。
アマゾンやインテル、アップルなどハイテク株が売られて、ナスダックは4日ぶり下落となりました。
【日本株】日経平均は5営業日ぶりに反落。
今日の日経平均は反落。久しぶりに下げましたね。
米ハイテク株が重い中、今日は96円安で寄り付き。ドル円も少し円高進行となり、関税もまだ不透明な流れなことから下げ幅を拡大。
日経平均は38,100円まで売られて本日の安値を更新し、そのあとも安値圏での動きとなりました。

ただ、とはいってもまだ節目の38,000円台をキープ。値下がり銘柄が全体の6割になりましたが、そこまで大きく崩れてはないです。
明日は週末、そしてメジャーSQということもあり、好材料があるわけではなかったことから後場も重い相場でした。日経平均は最終的に248円安の38,173円で大引け。
TOPIXも小幅下落、グロース250も4日ぶりに反落となりました。
今日は33業種中12業種が上昇。石油石炭、鉱業、機械などが買われて、サービス、輸送用機器、化学などが下落。売買代金は3兆7650億円。
個別株を見ると、川崎重工や三菱重工、IHIなどの防衛株が強く、三井住友やUFJなどメガバンクもしっかりと。任天堂も買われました。
連続2ケタ増益・増配からANYCOLORが高騰。gumiや住友ファーマなども高騰しています。
住友ファーマは17%高となりましたが、国内証券が投資判断を引き上げました。目標株価は560円から1,200円へと大幅に引き上げたことが好感されました。
東邦チタニウムも15%高。親会社であるJX金属が親子上場にあたる同社との資本関係を見直すことを示唆。これによって買いが集まりました。
他の主力を見ると、ファストリやリクルートなどは売りに押され、他にもアドバンテストやTDKなども下げました。
連日の株価上昇から一旦の休憩となった今日の日本株。目先はSQですが、無事に通過して押し目狙いの買いを期待したいところ。G7サミットも控える中で防衛関連は引き続き注目されることが予想されます。
高値圏にはいるのの、もう1つ抜けるには追い風になる材料がほしいところですね。
【向川の視点】引き続き重要ラインキープ。
日経平均は38,000円、S&Pは6,000。日米のマーケットはここが意識されているラインです。
日経平均はこのラインを超えているものの、日足陰線が増えている印象。TOPIXもですね。
高値圏なのは間違いないものの、週末要因は気を付けるところ。そして気になるのが原油の急騰。
原油はあらゆもののコストを上げますし、株高の良い流れにブレーキをかけるものなので、ちょっと気になりますね。
地政学リスクの高まりも気になっていて、日本も関係ない話でなく、むしろ東アジアは世界でも有数の危険地帯ですからね。
さて、明日の材料は米国です。5月の米PPI(生産者物価指数)と新規失業保険申請件数が出ます。
昨日の消費者物価は鈍化していたものの、企業向けはどうか。要チェックです。