デイトレードで効率よくお金を増やすなら株式投資かFXかどっち?

コラム

これから投資に挑戦したいと考えている方にとって、国債、不動産、投資信託、株式、FX、暗号通貨、金など、数多くの投資商品の中から何を選ぶかは重要な問題です。この記事では、一般的な投資商品としてしられる株とFXについて、その違いはもちろん、どちらがデイトレード向きかについて詳しくご紹介したいと思います。

デイトレードとは

まず基本的な用語を確認しておきましょう。デイトレードとはどのようなトレードを指すのでしょうか。デイトレードとは、その日の内に取引を決済して売買利益を得る取引スタイルを指し、週単位や年単位で長期的に利益を得るスタイルとは異なります。

次に、株式投資とFXでは、どちらがデイトレードでお金を稼ぐのに向いているか、それぞれが持つ特徴を踏まえながら考えてみます。一つずつ見ていきましょう。

投資対象

株式投資の対象は、証券取引所に上場している企業の株式になります。東京証券取引所(東証)、名古屋証券取引所(名証)、札幌証券取引所(札証)、福岡証券取引所(福証)の4箇所あり、さらに東京証券取引所は、プライム、スタンダード、グロース市場に分かれています。それぞれの区分は、会社の規模や発行株式数などによって分かれており、各取引所の上場企業は、いずれも日本を代表する企業となります。

ちなみに最も大きな市場規模を持つ東京証券取引所に上場している企業は、およそ3800社ほどありますので、投資対象は非常に豊富だといえます。(出典:JPX https://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html

一方、世界各国が発行している通貨を投資対象としているのがFXです。FXの通貨ペアは、殆どの国内FX会社でおよそ20から30ペアほどとなっており、株式と比べ選択肢が非常に少なくなっています。

株式投資とFXのメリット、デメリット

株式投資とFX、それぞれの主なメリットとデメリットについて見ていきましょう。

株式投資のメリット

株式投資のメリットは、大きく分けて3つあります。

1.株式の売買益を得ることができる。

株式の売買益はキャピタルゲイン、株式譲渡益(売買益)と呼ばれています。株価が安いときに買って、高くなったら売ることが必要で、買い時や売り時を見極めることが重要になります。

2.配当金を得られる

配当金とは、投資先の企業が企業活動を通じて得た利益の一部を株主に還元するものです。配当金の額は、企業の業績に依存するため毎回変動します。業績が悪くなれば無配となることもあります。

3.株主としての権利や特典がある。

株主の権利を株主権と呼び、配当金の分配や経営への参加権、株主優待制度等があります。配当金の分配や株主優待のことをインカムゲインといいます。

FXのメリット

FXの主なメリットは、大きく分けて3つあります。

1.レバレッジを利用できる

FX取引の最大のメリット、それは「レバレッジ」です。レバレッジは「てこの原理」と言われることもありますが、FX取引を行う際、FX会社に担保となるお金を預けます。これを「証拠金」といいます。この証拠金を原資としてレバレッジという仕組みを利用して取引します。もう少し詳しく見てみましょう。

例えば1米ドル=100円の時、米ドルを1,000ドル購入したい場合、外貨預金をする場合、10万円の資金が必要ですが、FXはレバレッジをかけ、最大25倍まで外貨を取引できます。そうすると、10万円の25分の1の4,000円で取引が可能になります。つまり、少額で大きな取引ができ、大きな利益を狙うことができるのです。

ちなみに株式取引の場合でも、証券会社に保証金を預け入れ、信用取引を行えば、保証金の約3.3倍の取引を行うことが可能ですが、FXと比べると短期的に大きな利益を狙うのは難しいと思われます。

2.24時間取引できる

為替取引は、世界中のあらゆる場所で取引が行われているため、土曜日、日曜日と1月1日以外、基本的にほぼ24時間取引することが可能です。日本時間を基準とした場合、日本時間の明け方、ニュージーランド市場から取引が始まり、次いでオーストラリア、日本、シンガポールといったアジア市場へと取引の中心が映ります。

夕方になるとロンドン、ヨーロッパ市場で取引が活発化し、最後は米国市場に移ります。このようにいつでも取引に参加することもメリットの一つです。株式市場は基本的に取引時間内でしか取引できませんが、FXなら、日中忙しいサラリーマンでも都合のいい時間を見つけて取引することが可能です。

3.スワップを受け取れる

スワップとは、取引通貨同士の金利差から得られる差額のことです。金利の高い通貨を買うとスワップを受け取ることができます。例えば、資源国であり高金利通貨として知られる豪ドルの金利が0.25%、低金利通貨である円の金利が0.01%だとすると、金利差0.24%のスワップを受け取ることができます。逆に豪ドルを売って円を買うと、この分のスワップを支払わなければなりません。

株式投資のデメリット

1.株価が不安定

銀行預金なら銀行が破綻しない限り、資金を預け入れしてから1年後に資金がいくらになるか分かりますが、株価は日々変動し不安定なので、未来の株価を誰も予測することはできません。1年後の株価は予測できず、元本割れの可能性もあるため、銀行預金よりリスクが高くなります。

2.ある 程度まとまった資金が必要

株式投資における一般的な取引単位は、1単元株で100株です。単元とは、株取引で用いられる売買単位のことです。1単元100株の場合、数万円から15万円ほどあれば、ある程度の株について取引が可能になります。このように、株式投資にはある程度のまとまった資金が必要になります。

ミニ株というサービスを利用すれば、1単元株ではなく、1株単位で取引が可能になるので、少ない資金でも株取引を始めることはできますが、一般的には1単元株での取引が行われています。

3.取引時間が短い

株取引は、証券取引所が開いている平日の9時から15時までしか取引できません。また、11時30分から12時30分まで休場となるので、その間も取引はできません。土日はもちろん、祝日も取引できません。例外として、PTS取引という証券会社が独自に行っている夜間取引を利用すれば上記以外の取引時間以外でも取引可能ですが、一般的な取引形態ではないため、投資初心者の方にはハードルが高いといえます。

FXのデメリット

1.価格が不安定

株価と同様に為替相場も日々変動していますので、元本割れのリスクは常に存在しています。

2.スプレッドという名の手数料がある

FX取引を行う際、FX会社から提示されるレートに「Bid(売値)」と「Ask(買値)」があります。もし、通貨を買いで注文する場合はAskが、売りで注文する場合はBidが適用されます。このBidとAskの差を「スプレッド」といいます。このスプレッドが取引コストとなります。具体例を見てみましょう。

FX取引は通常、1万通貨を基本として行われます。例えばBid(売値)が1米ドル100円05銭、Ask(買値)が100円10銭の時、スプレッドは5銭なので、1万通貨を取引すると、0.05×1万通貨=500円が取引コストとして発生します。FX会社によりスプレッドは異なります。スプレッドは取引の度に発生するコストですので、スプレッドが低いFX会社を選ぶと良いでしょう。

FX会社によっては、通貨単位を1000通貨や100通貨などの小さい単位で取引できる口座を用意しているので、投資初心者の方は、まず少額資金から始めるとリスクを抑えて取引できると思います。

まとめ

デイトレードという視点で株取引とFXを比較した場合、株取引には上記のような取引時間の制約があるため、日中働いている方には難しい取引スタイルだと思われます。また、株式投資のメリットである配当金や株主優待などの特典は、デイトレードのような短期間の取引では対象となりません。

次に、レバレッジの大きさから株取引とFXを比較した場合、FXの方がより少ない資金で大きな利益を期待できることから、資金効率が良く儲けやすいといえるでしょう。ただし、レバレッジが大きい分、利益だけでなく損失も大きくなるため、十分な注意が必要です。

これらの比較から、投資初心者の方がデイトレードで効率よくお金を増やすなら、FXが向いていると思われます。