
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
3連休が終わって今日から通常モード。先週末にトランプが中国へブチギレて、米中関税バトルが再開しました。そして日本の政治も混乱で、自民党と公明党が連立を解消。
15日に予定されていた高市総理の誕生は、ちょっと延期になっています。そして国民民主党の玉木さんも総裁に意欲的に。
このあたりの流れについては、先週にコラムにまとめました。「ぶち上げ相場」と「大混乱相場」の考察です。→高市総理に暗雲か?公明党の離脱と国民民主の玉木総理誕生の可能性を考察。
米国株も昨日は反発となりましたが、夕方時点では先物が下げていますね。
では、今日の相場を振り返りましょう。
【米国株】3指数とも反発!ハイテク中心に買い戻し
昨日の米国株は反発となりました。
急落の要因となった米中の関税バトルについて、トランプが自身のSNSで「中国については心配いらない」と投稿。これで相場には少し安堵感が生まれました。
3指数とも序盤は方向感のない立ち上がりとなりましたが、徐々に買い上がりました。大きく上昇することもなかったものの下がることもない相場でしたが、最終的にダウ平均は587ドル高の46,067ドルと6日ぶりに反発。
S&P500も102ポイント高の6,654、ナスダックは490ポイント高の22,694まで上昇して昨日の相場を終えました。

昨日は11業種のうち9業種が上昇。ハイテクが最も上昇し、一般消費財なども上昇しています。下落したのはヘルスケアと生活必需品でした。
今週から米国は大手金融株の決算が始まります。ゴールドマン・サックスなど上昇し、決算への期待感も感じられました。他にもアマゾンやTSMC、エヌビディアなども上昇しています。
また、半導体のブロードコムがチャットGPTのオープンAIと新しいAI向け半導体を作ることを発表。これで10%ほど高騰しました。ビットコインや金銀なども続伸するなど、全体的に強い相場になりました。なお、今日の夕方時点ではコモディティもクリプトも下げています。
乱高下する相場が続くマーケットですが、日本国内も政局で揺れています。軟調な展開が予想されますが、次は日本株も見ていきます。
【日本株】ハイテク株や防衛株が売られて日経平均急落
連休をぬけて、今日の日経平均は続落でスタートとなりました。
寄付きから売り優勢の立ち上がりで、特にハイテク株が防衛株が売られました。為替も円高に振れたことで輸出株も重くなり、さらに政治の動きも不透明に。
昨日の米国株が強かったことから、前場はそこまで崩れずに推移しました。しかし、後場に入ってから流れが変わり、一転して弱い展開に。
今日の夕方から国民民主や維新、公明党が協議することも伝わり、より一層、相場の先行きが見えづらくなりました。後場は下げ幅を広げて、引け前に少し反発したものの最終的に日経平均は1,241円安の46,847円で大引けとなりました。

今日の売買代金は7兆1232億円。電気機器、非鉄金属、証券先物などのセクターが値下がりました。一方で海運、小売、鉄鋼などが値上がりました。プライム市場の値上がり銘柄は16%、値下がり銘柄は82%。
売買代金トップはソフトバンクGですが下落となり、日経平均を押し下げました。アドバンテストやディスコなど主力半導体も下落へ。フジクラやJX金属なども下落しています。
他にも古河電気、ニデック、キーエンス、ファナックなども下落。今日みたいな相場でも強かったのが良品計画、パンパシ、セブンアイ、川崎汽船、ZOZO、ニトリなど。
相場が荒れると上昇する日経VIも一時30を超えるなど、不安も広がっています。30を超えるのは4月の関税ショック以来です。
米国の政府機関は閉鎖しており、米中のバトルに日本の政治も不安定ということで、こんな地合いだとなかなか積極的な買いは難しいですね。これも相場ですが、この流れで決算も始まるためシートベルト警戒です。
米中のバトルはまだもうちょっと時間がかかりそうですが、日本の政治はそんなに時間の余裕があるわけではありません。月末にはトランプ来日も予定されています。
私は高市総理になるビューでいますし、メディアが騒ぎすぎてる印象です。玉木さんが信念を曲げてポスト優先で他党の思惑に乗ると話は変わりますが、さすがにそんな展開はないと思います。そうなれば国民民主の支持は急落するでしょう。
かといって立憲民主が信念をまげてまで国民民主に寄ることも考えにくいです。それはそれで、自分たちの支持が下がることになるからです。つまりこの野党のゴタゴタはプロレスで、高市総理になるのがメインシナリオ。
ただ問題はそこからで、ただでさえ少数与党です。この26年間、公明党の力を借りて当選できていた足腰の弱い議員がたくさんいるので、高市さん(と麻生さん)は彼らを切ってでも新しい風を吹かせたいのでしょう。
もちろん公明党と切れることで戻ってくる人もいます。そのうえで、おそらく解散総選挙に打って出ると思うので、勝負どころはそこですね。
高市相場の再開を期待して、明日もいい波乗っていきましょう!