【選挙相場】小泉進次郎VS高市早苗、自民党総裁選の行方とマーケット展望

コラム

テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

来週末に迫った総裁選挙を前に、マーケットは強気に動いています。新しい経済政策によってさらに株高になることも考えられ、ここから大詰めに入っていきます。

直近1ヶ月の日経平均ですが、ここまで強いのはもちろん選挙への期待感もあります。

そこで今日のコラムでは、今回の総裁選の見どころをザクっとまとめます。

見どころザクっと解説

候補者は小泉進次郎、高市早苗、茂木俊充、林芳正、小林鷹之の5名。今回は党員票も反映される「フルスペック選挙」となりますが、メディア報道は真っ二つに割れています。

朝日や毎日などのリベラル系メディアは「反高市・親小泉」で、読売・産経など保守系メディアは「親高市・反小泉」という構図です。米国だとBBCなどのリベラル系メディアがカマラハリス、FOXなどの保守系メディアがトランプを推してたのと同じですね。

最近もテレビをつけると選挙のニュースが流れていますが、さっそく”反高市”のメディアでは「麻生さんが小泉を支援」なんて誤報も出るほどです。

昨年の総裁選でも麻生さんは高市さん推しで、まさか天敵である石破さんが推してる小泉さんを推すわけがないのが正直なところ。目的は「小泉支持の空気」の作ることですね。

今朝の時点ですが、賭けサイトを見ると小泉さん優勢でしたが、高市さんもやや追い上げています。

このデータから見ても、おそらく2人のどちらかが次の総理大臣になるでしょう。小泉さんなら「若返り」で、高市さんなら「史上初の女性総理」となり、どちらも新しい風が吹くのは間違いなしです。

なぜ、高市さんはメディアから嫌われる?

私は個人的には高市さんに総理になってほしいので、その視点から見てるからというのもあるかもしれませんが、しかし高市さんはメディア受けが悪いです。

その理由はシンプルで、総務大臣の時に放送改革に取り組んで既得権益を脅かしました。なので、総務省や放送業界は総力を挙げて「反高市」に動いています。

加えて、日本のメディアも左派リベラル色が強いので、高市さんの思想は真っ向から対立します。だから朝日や毎日は反高市で、テレビが小泉推し一色になるのです。

ネットの調査では高市さんの方が優勢で、出馬会見の動画も高市さんが圧倒的に再生されてるのですが、、

党内の権力闘争

一方で、党内の権力闘争も進んでいます。

表向き「解体」されたはずの岸田派・宏池会はまだ残っていて、小泉さんの選対本部長に就任したのは岸田さんの側近である木原誠二さんです。

彼が小泉陣営の司令塔に入ったことで、岸田票が小泉支持に流れることも想像できますが、同じ宏池会の林芳正さんも出馬していることから、ここはここで派閥内で票の奪い合いが始まっています。「宏池会の世代交代」と言ってもいいでしょう。

林さんは親中で、金融引き締め派ですから、高市さんの反中、積極財政とは真っ向から対立しています。

茂木さんは今回も出馬しましたが、前回同様にトップに出るのはやや力不足感もあります。茂木さんは麻生さんチームなのでおそらく最終的には高市さんを推すと思います。

コバホークこと小林さんは、なぜ今回も出てきたのか謎なのですが、この中では最も総理に遠い人でしょう。でも今後のために顔を売るためにも出てたのだと思います。「保守票割り」と言われても仕方なしで、結果として高市さんの票が流れるはず。

そして肝心の小泉さんですが、世の中の多くの方もわかるように、そして本人も自覚しているように、政治家としての能力はゼロと言っていいでしょう。強みは「父親のモノマネ」くらいで、先日の出馬会見でも付箋を貼りまくり、カンペを見ながらでないと話せないほどでした。

さすがに「カンペ総理」では今の時代のキツい外交問題に対処できるとは思えず、もし総理になってもトランプやプーチン、習近平などと切った張ったのディールができるはずもなく、、、

ただ、石破さんや小泉さんのバックにいるのが菅さん(前総理)であり、かの竹中平蔵さんも暗躍していることから、新・小泉政権とは石破政権の延長線と言っていいでしょう。

今回の最大のポイント

最も大きなテーマは「移民」でしょう。

2018年、菅さんが官房長官の時に特定技能」制度を導入しましたが、ここから外国人労働者を大量に受け入れる流れが強まりました。

政府は移民ではないと言っていますが、実質は移民です。働く人の家族も来ていいことになっていますし、どんどん条件が緩和されてずっと住んでいてもいいことになっています。

これらの数を入れたら、なんとすでに世界4位の移民推進国になっており、これからさらに加速していく流れです。

出典:日経新聞

これの何が問題かというと、結局は安価で仕事してくれる労働者が基準になっていることです。日本は徐々に賃上げの流れになり、特に若い労働力はどの企業も札束の叩き合いになっています。

また、アジア各国も経済成長しており、これまでのように安い労働力が難しくなってきています。なので、アフリカやエジプトなどから人を入れる流れになっていて、そこに派遣業など一部企業の利権ができているのです。

世界的な「反グローバル」の流れ

なお、このような問題は日本だけでなく世界中で起こっています。

安価な労働力として移民を受け入れ、現地の人の賃上げにブレーキがかかります。移民の人口は増加し、さらに家族までセットになるため莫大な社会コストが発生。もちろん犯罪も増加しています。

日本でも医療費や生活保護などが増加し、もちろんそれを負担するのは現役世代です。

今、米国や日本だけなく欧州など世界中で起こっている「反グローバル」の流れは、こうした問題に対するカウンターパンチで、その先頭を走っているのがトランプです。

また、ややこしいのはこの問題に反対すると「排外主義」「レイシスト」というレッテルを貼られ、メディアからリンチされます。だから政治家もこの問題に何も言えなくて、議論そのものが封じられます。

多様性や多文化共生など、表面的にはいいことのように聞こえますが、実際のところは「他文化強制」で、もっと言えばその国に暮らす人への差別行為とさえ思います。

小泉総理vs高市総理

こうした流れが小泉総理になるとさらに進みます。

彼は神輿でしかなく、「神輿は軽くてパーがいい」わけです。どれだけ多くの国民が高市推しになっても、昨年同様に政治家同士の力学で「なんでその人・・」という人が選ばれるわけです。

メディアの世論誘導と党内の権力争いから小泉さん有利の空気が作られ、今回は昨年よりも状況が良くない分、高市さんはかなり厳しいと思います。

この1年の石破極左政権(その前の岸田政権も)によって、かなりの数の自民党員が減少しました。その人たちは岩盤保守層で、かつての安倍政権を支持していた人たちです。

しかし、裏金問題で安倍派は一掃され、高市さんを推す人も減少しています。党員も政治家も弱っているのが現状です。

大事なことは、この結果がマーケットにどう影響するかですが、もちろん高市さんのオフェンシブな政策は株高の要因です。しかし、小泉さんも総理になってすぐはそこまで下げないとは思います。

若返り、そして新米のスタンスから海外投資家もそこまでネガティブ視しないんじゃないかと。しかし、その未来に待つのは石破政権と同じ惨敗だと思います。

カンペ総理ですから、その頼りなさや失言、「何かを言ってるようで何も言ってない」浅いトークに、また私たちがガッカリする未来はそう遠くないと思うからです。

そして、ボコボコに弱った自民党にとって、小泉総理の誕生は最後の砦です。いわば大富豪のジョーカー的な切り札でした。

それを使って今回のバトルに臨むわけですが、結果として惨敗となり、次の選挙でもボコボコに負けるとなると、いよいよ切り札がなくなります。その先にある未来は弱小政党であり、1996年に消滅した社会党のように消えて無くなるかもしれません。

先日、小泉銘柄としていくつかあげましたが、投資家としてこの辺りのセクターは見ています。
【総裁選】小泉進次郎総理になったら注目の4銘柄

次回、高市銘柄についても更新予定なので、もうしばらくお待ちください。運命の総裁選は10月4日です!