
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
世間は3連休真っ只中ということで、私も娘が生まれて6ヶ月&妻の休日で出かけていました。
リッツカールトンに宿泊したのですが、ちょうど50階で、でも天気が悪くてあまりビューはよろしくなかったですね。笑 そしてケンゾーのワインは安定の美味しさ。rindo好きです。


さて、そんな3連休ですが、この週末でがかなりマーケットが下落していまして、日経平均も急落しています。米国株も朝に起きたら久しぶりのおはぎゃーになってました。
ポイントは2つで、1つはレアアースを巡って米国と中国が再びバチバチしたことです。関税も発動しそうな動きになりました。もう1つは国内の政局で、自民党と公明党の連立が解消となり、26年ぶりに政治が大きく動いています。
日本、米国、中国の政局の動きでマーケットがピリついており、さらには高市総理ではなく国民民主党の玉木さんも総理に前向きな発言をするなど盛り上がっています。
ちょうどさっきランチを食べて、少し時間もあるので、ザクっとまとめておきますね。
自公連立の“破綻”で始まった地殻変動
まず、今回の騒動の出発点は自民党と公明党の対立です。
先日総裁選挙では、事前の予想は小泉優勢でしたが、結果は小泉さんが負けて高市さんが勝ちました。
もともと自民党は保守政党、公明党は創価学会を母体とするリベラル政党です。表面的には「選挙協力」として繋がっていましたが、高市さんは外交・安全保障では中国に強気姿勢、でも公明党は「日中友好」重視です。
経済政策を見ても高市さんは減税・規制緩和・成長重視、でも公明党は「庶民支援」「福祉強化」ですから、向いている方向が違います。
でも選挙に強いのが公明党で、全国にいる学会員の方々が動いてくれて選挙に勝っていた自民党議員も多いです。(でも反対に公明党がいなくなることで自民党を支援する人もたくさんいる)
ここ最近の岸田ー石破のダメっぷりに愛想を尽かした支持者は、すでに多くの人が自民党と公明党の支持をやめました。その結果が特にこの1年の選挙に出たため、自公は少数与党となりました。
そして、こないだの選挙で高市さんが勝利したことで高市総理が誕生しました。しかし、互いの向いてる方向が違うため、公明党ももう一緒にやれないとなって今の騒動が起こったのが経緯です。
玉木さんの「総理になる」発言は本当か?
この混乱の中、国民民主の玉木さんがSNSで「総理を務める覚悟がある」と宣言。

ただ、これは言ってるだけで、本心は違うと思います。なぜなら「野党の一本化」と条件をつけており、安全保障やエネルギー、憲法改正など、国民民主が掲げる政策を他の野党に合わせるように要求しているからです。
先ほどもあげたように、公明党は高市さんとまったく思想も政策も違います。しかし、立憲民主党や共産党などは近いところも多いです。
野党の候補を一人に絞ることを扇動している立憲民主からすると、自分たちの政策と国民民主が掲げる政策が180度違うことからも受け入れるのは難しいはずです。
もともと国民民主と立憲民主は同じチームでしたが、思想が違いすぎたために離れました。玉木さんもそれをわかっていて、あえてやる気を見せているんだと思います。そうじゃないと周りの支援者からもガッカリされるからです。
正直言って誰も今みたいに分が悪い状態で総理になりたいと思わないでしょうし、でも弱腰にもなれないため、ポーズだけは取っておこうという魂胆が見えます。
総理は誰になる?
私は高市さんだと思っています。
10月20日頃に総理の指名選挙が行われますが、自民党が持つ196議席は高市さんに入れるでしょう。最大野党の立憲民主党は148議席ありますが、野田代表か、または国民の玉木さんに入れる流れになっています。
国民民主は27議席だけ持っていますが、当然ここは玉木さんに入れるでしょう。立憲民主党と組む気はないと言ってますし、そうなれば立憲の人たちは自分たちの代表である野田さんに入れるはず。
公明党は24議席ですが、いきなりここで野党に入れるとかも現実的ではなく、自分たちのボスである斎藤代表に入れるはず。もし決選投票になっても自民党と関係を維持する方がメリットがあるため、おそらくそうなれば公明党の人たちも高市さんに入れると思われます。
維新は35議席ありますが、ここもおそらく自分たちのボスでしょう。他のれいわや参政党、日本保守党なども自分たちのボスに入れるはずです。
なので、メディアで煽っているように「高市総理じゃなくなるかも」みたいな話は、私はないと思っています。いつもの煽りです。冷静に見ましょう。
・・これが既定路線なのですが、1つだけ心配になるとしたら「裏切り」です。特に今の話は自民党が全員高市さんに入れるということが前提の話なので、もしそうではなく自分たちのボスに入れないとなったら・・話は変わります。可能性はちょっとくらいあるかもです。
しかし、それだけの根性がある人がどれだけいるか?ですが、当然そうするということは自分は自民党から出て他党に行くわけで、そんな無謀なチャレンジをする意味はないと思うのです。
理想のチームは?
ということを踏まえた上で、、「玉木総理誕生」や「野党連立による政権交代」などはないだろうなと思います。
立憲民主党との合意を前提条件にした時点で、話は終了です。立憲も飲むわけがないし、ましてや国民民主が自分たちのやりたいことを曲げてまで乗るわけがありません。
あるとしたら玉木さんが思想やビジョンなど横において、ただ自分がポストを欲しいというだけなら可能性はあるでしょう。しかしそれをやったら国民の支持は急落です。
つまり、先日の玉木さんのポストは野党側が一本化できないことを理解した上での“やる気ポーズ”だった可能性が高いということです。
ただ、問題は、自民党はただでさえ少数与党だったのに公明党がいなくなったことでさらに少数になります。これでは高市チームがやりたいことができません。
そうした意味でもどこかと組むのであれば国民民主だと思います。特にガソリン税の暫定税率撤廃や所得税控除の178万円への引き上げなどは考え方がマッチしてるし、国民民主の政策は、高市チームの政策と近いです。
さらに、国民民主の支持層である若年層を取り込むこともできます。自民党も公明党も壊滅的に現役世代以下の支持が低いです。支持してるのは60代以上で、これでは10年も経てば勢力図は大きく変わっています。
なので、新しい風が必要なのも事実。そのためには公明党を切って、本来の保守回帰をするしかなく、そうなることで離れた支持者が帰ってくるのと、新しい若い世代を取り込むことが重要です。
おそらく、高市さんも麻生さんもそれを狙っていると思いますし、高市総理が誕生し、どこかのタイミングで解散総選挙に打って出るでしょう。
そこが本当の勝負どころです。公明党を除いて本来の自民党に戻った新しい政治を打ち出し、支持者がどう判断するのか。もしそこで支持者が戻ってきたら、新しい風が吹きます。でもそれでも選挙で負けたら…さらに混乱の時代になるでしょうね。
前者だとマーケットはぶち上げ、後者だと大混乱、になると思います。痺れる展開に突っ込んでいきますよ。来週もいい波乗っていきましょう!