From:編集部 黒木
いよいよ始まる新NISA、お得な制度ってことはなんとなくわかるけど、
「いくら投資すればいいの?」
「どれくらいの期間投資すればいいのかわからない」
こんな悩みを抱えながら、二の足を踏んで投資しない方が多いです。
あるアンケート調査では、81%の人が投資は必要と思いながら、そのうち77%の人はなにもしていないと回答しています。
出典:東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/500231
ただ闇雲に投資をしても、将来の資産状況を予想できないとどのぐらいの金額を、どのくらいの期間運用していいのかわかりませんよね。
そこで今回は、一定の前提条件をもとに運用結果をシミュレーションしてみました。
この記事を読み終えると、皆さんが目指すべき資産額と運用年数を把握できると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
新NISAの概要を振り返ろう
2024年1月から始まる新NISAは、投資初心者にもやさしい少額投資非課税制度のことを言います。
また、現行制度のNISAと比較して、新NISAになって多くの点が改良されました。
特に重要な改良点は、
- 非課税保有期間の無期限化
- 年間投資枠の拡大
- 非課税保有限度額の拡大
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用可
これらを簡単に説明すると、投資できる金額が大幅に増え、非課税で保有できる期間が無期限化。
資産形成したい人にとっては、まさに神改正と言えます。
今回行う投資額別のシミュレーションは、新NISAを活用することを想定しているので、ぜひ皆さんも自分が投資できる金額をイメージしながらご覧下さい。
投資額別にシミュレーションしてみよう!
皆さんが気になるのは新NISAの概要よりも、資産運用によっていくらのお金を手にいれることができるのかですよね。
ただ、資産運用結果をシミュレーションするには、前提条件が必要になります。
投資する商品・金額・期間を決める
シミュレーションするのに必要となるのが、
- 何に投資するか
- いくら投資するか
- どのくらいの期間投資するか
- 利回りは何%で想定するか
以上の点を考慮しながら、下記の条件でシミュレーションしました。
投資する商品は投資信託
今回は投資経験が少ない方でも始めやすい「投資信託」を投資する商品に決めます。
投資信託の特徴は、
- 少額から投資できる
- 色々な資産に分散投資できる
- プロが運用してくれる
購入する投資信託は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
このファンドの特徴は、全世界に投資してリスク分散をしていること。
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)目論見書
253425_20230908.pdf (mufg.jp)
また運用成績は、基準価額(投資信託の値段)・純資産総額(投資信託の規模を表す指標)ともに右肩上がり。
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)目論見書
253425_20230908.pdf (mufg.jp)
各証券会社の投資信託ランキング(販売金額・積立件数)では常に上位で人気の商品です。
投資する金額は月額1万円~30万円で設定
投資信託を購入する金額は、月額1万円・3万円・5万円・10万円・15万円・20万円・25万円・30万円と幅広く想定します。
投資初心者の方であれば1万円〜5万円など少額投資がメインになると思いますが、資金に余裕が出てくれば10万円・15万円など少しずつ投資額をアップさせることで資産形成のペースが速くなります。
投資期間は5年~50年で設定
投資期間は5年・10年・15年・20年・25年・30年・35年・40年・45年・50年と長期視点でシミュレーションします。
最低でも5年と設定したのは、多くの方が5年以内に投資信託を売却している現状があるためです。
出典:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00009_R20C21A4000000/
投資信託は、運用期間が長くなればなるほどリスクが低減し、安定的な収益を上げられる可能性が高まります。
投資利回りは5%を想定
投資信託の利回りを5%と想定します。ではなぜ5%なのか?
根拠は、アメリカのS&P500に投資した場合、過去30年のデータでは、平均値で約8%〜9%、最低でも5%以上の利回りを実現できているためです。
出典:投資信託ガイド S&P500の平均利回りは何パーセント?(20年・30年投資した場合)
https://teiiyone.com/blog/2023/03/2030_2.html
シミュレーション結果
これまでの前提条件をもとに投資額別のシミュレーションをした結果がこちらです。
当然ながら積立額が多くて、投資期間が長くなれば資産額は増えます。ただ、投資初心者にとって月間30万円は現実的ではないため、月間5万円投資した場合を深掘りしましょう。
今回のシミュレーション結果を算定するのに使用したのが、金融庁の「資産運用シミュレーション」です。※資産運用シミュレーション : 金融庁 (fsa.go.jp)
〇月間5万円投資(運用期間30年)の場合
投資期間20年で資産額が2,000万円を超えます。これだけあれば「老後2,000万円問題」も心配する必要はありません。また、投資期間27年を超えると投資元本を運用収益が上回ります。
このように投資額はそれほど多くなくても、投資期間が長くなれば指数関数的に資産が膨れ上がっていきます。この結果を知らずに、投資信託を5年以内に辞めていく人が多いのはもったいないと言えるのではないでしょうか。
また、投資額を更に上乗せできれば、5,000万円以上の資産額も見えてきます。5,000万円という数字は準富裕層に該当し、一般人でも世帯別の資産額で上位10%以内に入ることができる金額です。
出典:野村総合研究所
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2020/201221_1.pdf
長期間コツコツ投資する大変さはありますが、夢がある数字と言えますよね。お金に余裕のない方は、新NISAの「つみたて投資枠」を活用し、じっくり投資することをおすすめします。
また、お金に余裕のある方は新NISAの「つみたて投資枠」や「成長投資枠」をフルに活用し、少しでも早く投資すれば、短期間でリターンも大きくなります。
まとめ
実際にシミュレーションして具体的な金額を知ることで、将来設計がしやすくなります。
もちろん人によっては投資額や投資期間が違いますし、経済状況によっては運用利回りが5%を下回る年もあるでしょう。
でもへこたれずに毎月地道に積立すれば、高い確率で資産を築ける可能性はあります。
皆さんも一度、自分の資産運用をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。