
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
ここまで上昇を続けていた相場ですが、少しずつ勢いが鈍化してきましたね。
為替がやや円高へ振れて、今夜は米国の重要データが出るのと、FRBパウエル議長の発言も出ます。
では、今日もマーケットを振り返りましょう。
【米国株】主要3指数は高安まちまち、ダウは小幅続落
昨日の米国株は主要3指数が高安まちまちの展開となりました。
ダウ平均は前日比89ドル安の42,051ドルと下げましたが、S&Pは7ポイント高の5,892、ナスダックも136ポイント高の19,146で引けました。
貿易協議がうまく進んでいること、そして次にトランプが仕掛ける減税案の進展を好感して、昨日のマーケットも続伸しました。
エヌビディアなど半導体株が買われて、ナスダックは堅調に推移。スーパーマイクロコンピューターも15%上昇で強かったですね。引き続き、テスラも続伸。
こちら直近1週間のナスダック指数。

ただ、ここまでの強い上昇を振り返りと、やや勢いの鈍化は否めません。
というのも、小売売上高や生産者物価指数(PPI)など控える中、今夜はオープン前にパウエル発言もありです。
私もテスラ以外のハイテクは利確し、どう転んでもいいように準備していますが、景気敏感株を中心に利確売りに押されましたね。
引き続き薬価引き下げの影響から医薬品やバイオ株は弱い展開でした。
また、先週一週間の米国の原油在庫は増加となり、市場予想を大きく上振れました。これによって原油も急落しています。
業種ごとで見ると、全11業種のうち3業種が上昇。特にコミュニケーション・サービスが強かったですね。他にはハイテク、一般消費財がやや上昇でした。一方で8業種が下落し、ヘルスケアの下げが目立ちます。
まだ他国との関税交渉も残っており、日本もそのなかの1つです。ここまで強かった分、いったんの利食い売りがはいってもおかしくないですね。
個別株を見ても、エヌビディアが4%上昇、AMDやテスラも4%上昇、Googleやパランティアも小幅上昇です。
下げたのはメルク、アムジェン、他にもスリーエムやジョンソンエンドジョンソン、ユナイテッドヘルスなどが弱かったですね。
また、これは先日からSNSではポストしていましたが、米金利の上昇が止まりません。金利が上がっている局面は警戒が必要です。

出典:investing.com
【日本株】日経平均は円高と利益確定売りで続落
では次に日本マーケットも見ていきます。
今日の日経平均は前日比372円安の37,755円と続落。寄りつきから下げて始まり、ドル円相場が円高に振れたことも重しになりました。
日経平均は4月7日から見て約7,000円あげました。さすがに短期的には上げすぎで、利益確定売りや戻り待ちの売りも入り、軟調な展開となりました。
後場は安値圏でスタートしたものの、少し回復する場面もありました。しかし今晩に出る米国の経済データを前にやや失速。連騰していたTOPIXも下げました。
その一方でグロース250が1.2%高となり、5日続伸で取引を終えました。
売買代金は4兆7778億円。プライム市場の値上がり銘柄は30%、値下がり銘柄は67%となりました。
今日は総じて自動車や電機などの輸出株が売られ、決算真っただ中の保険や銀行なども下げました。
企業決算がピークを迎えて、好決算とそうじゃない企業でマーケットは明暗を分けており、今日は値下がりが多かったですね。今日は33業種中、9業種が上昇しました。
個別株を見ると、スクエニが年初来高値を更新。年間配当も引き上げ、そして秋には株式分割も発表して買われました。
先週大きく売られた商船三井ですが、米中の追加関税引き上げが好感され買い材料となり、今日は3%ほど上げました。
今日は半導体も売られて、ディスコやレーザーテックなど売られました。トヨタや任天堂なども下落。強かったのは三菱重工や川崎重工などの防衛株。好決算だったサンリオもしっかりと。
値上がり寄与トップは太陽誘電で、イオンやニデックが続きました。
向川の視点:決算発表と米国経済指標に注目
ダウ平均が下落し、日経平均・TOPIXともに続落となりました。
今日はみずほやUFJの決算に注目していましたが、メガバンクはさすがの決算でした。

出典:ブルームバーグ
米国ではウォルマート、メルク、アプライド・マテリアルズの決算が予定されており、小売売上高、PPIなどが出ます。これは見ておかないといけないデータですので注目です。
では、明日もいい波乗っていきましょう!