【銀行株】メガバンクの決算状況について徹底解説!

コラム

From:編集部 小早川

3大メガバンクの2023年度の決算予想が出そろいました。

結論としては、3社とも非常に良い決算になりそうです。

銀行は、「AIに乗っ取られる斜陽産業」と長年いわれてきましたが、今、投資先として大きな注目を集めているのをご存知でしょうか?

そこで今回は3大メガバンクの決算をひもときながら、銀行投資への魅力について説明をします。

メガバンクの決算内容について見ていこう!

3大メガバンクの2023年度の決算予想をまとめました。

  • 三菱UFJフィナンシャルグループ:1兆3000億円(22年3月期実績比16%増)
  • 三井住友フィナンシャルグループ:9200億円(同14%増)
  • みずほフィナンシャルグループ:6400億円(同15%増)

24年3月期第3四半期(10-12月)の連結経常利益は以下の通りです。

三菱UFJフィナンシャルグループ…5219億円(前年同期比2.0倍)
三井住友フィナンシャルグループ…4874億円(前年同期比59%増)
みずほフィナンシャルグループ…3087億円(前年同期比41.1%増)

非常に好調な決算です。理由はさまざまですが本業である貸出業務の収益増加が大きな要因です。

大企業を中心に円安などを背景に業績が好調で、設備投資やM&Aなどの資金需要が旺盛なためです。また、海外事業の利ざやの改善も後押ししました。

それでは、過去の決算などを含め、1社ずつ決算内容について詳しく説明をします、

三菱UFJフィナンシャルグループ

3大メガバンクのうち、最も規模が大きいのが三菱UFJフィナンシャルグループです。

2020年から決算内容についてまとめました。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.037,299,0781,235,770528,1514125
2021.036,025,3361,053,610777,01860.525
2022.036,075,8871,537,6491,130,84088.528
2023.039,281,0271,020,7281,116,49690.732
予 2024.031,300,00011041
前期比16.421.2

安定的に収益を上げてきましたが、2023年3月期の売上高が非常に大きいのがわかります。

今後も規模の力を生かして大きな収益を上げていくでしょう。

三井住友フィナンシャルグループ

三井住友フィナンシャルグループの2020年からの決算内容についてまとめました。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.034,591,873932,064703,883511.9190
2021.033,902,307711,018512,812374.3190
2022.034,111,1271,040,621706,631515.5210
2023.036,142,1551,160,930805,842590.5240
予 2024.03920,000697.4270
前期比14.218.1

三井住友フィナンシャルグループは、支店の統廃合や人員の削減など最も経費を抑えている銀行です。

また、営業力も高く、大きな売上高を上げているのが特徴です。

みずほフィナンシャルグループ

みずほフィナンシャルグループの2020年から決算内容をまとめました。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.033,986,701637,877448,568176.875
2021.033,218,095536,306471,020185.875
2022.033,963,091559,847530,479209.380
2023.035,778,772789,606555,527219.285
予 2024.03640,000252.5100
前期比15.215.2

みずほフィナンシャルグループは、システム障害など様々な不祥事がありましたが、大企業取引に強く、各都道府県に1店舗以上ある強みなどからようやく収益を伸ばしています。

今後に大きな期待がもてる銀行です。

メガバンクの今後が期待できる主な理由は3つ!

各銀行とも大きく収益を伸ばしていますが、今後もメガバンクの決算は明るいといわれています。

理由は様々ですが、主な理由は3つあります。

  • 日本の政策金利の上昇が期待できる
  • 人件費の削減効果が期待できる
  • リテール部門の好調

それぞれの理由についてわかりやすく説明をします。

日本の政策金利の上昇が期待できる

日本の政策金利は2015年ずっとマイナス金利でしたが、ようやく2024年の春にはマイナス金利が解除されると予測されています。

銀行は基本的に金利が上がると儲かるため、政策金利の上昇によって銀行の収益改善が期待できるのです。

特にメガバンクについては、預金量が多いため、金利が上がることによって大きな収益につながります。

順位金融機関預金量貸出金
1ゆうちょ銀行194兆9515億円5兆6043億円
2三菱UFJ銀行192兆2722億円97兆1277億円
3三井住友銀行149兆9488億円94兆3073億円
4みずほ銀行145兆1579億円87兆2803億円
5JAバンク108兆6486億円22兆9390億円
6農林中央金庫63兆8323億円16兆9025億円
7三井住友信託銀行35兆0412億円31兆9473億円
8信金中央金庫34兆6528億円9兆5113億円
9りそな銀行34兆0950億円22兆6557億円
10横浜銀行17兆8342億円14兆1659億円

人件費の削減効果が期待できる

メガバンクは今急激に人件費を削減しています。今後この効果が出てきそうです。

人件費だけではなく、店舗も大きく削減しているため、店舗削減の効果も出てくるでしょう。

固定費の削減効果が今後期待できるのもメガバンクの決算が期待できる理由になります。

リテール部門の好調

個人に投資信託や生命保険等を販売するリテール部門の好調さも今後の決算が期待できる理由の1つになります。

新NISAを代表として今過去にないほど投資率が高まっています。

この波によってリテール部門の業績も非常に好調です。今後さらにこの傾向は続くと見られることから、銀行の決算に寄与するでしょう。

3大メガバンクの取り組み

3大メガバンクは、収益改善のためにここ数年大きな取り組みを行っています。

店舗数に関しては最盛期の半分以下になるメガバンクもあります。

店舗数だけで見れば半数以下にはなりませんが、フルバンクと呼ばれる現金の出し入れができない店舗が圧倒的に多くなるため、実質上、半数以下といえるでしょう。

また、人件費についても新卒の採用を抑えたりするなどで大きく改善されています。

バックオフィスから営業部門に大きく人を移すなどして、収益の改善に努めているのです。

まとめ

今回は銀行の決算について説明をしました。

銀行の決算は今後も期待できそうです。

配当が高く、株価の上昇も期待できるメガバンクに投資をしてみてはいかがでしょうか。