日銀のマイナス金利解除とは?日本株はこれからどうなる?

コラム

From:編集部 黒木

日本は2016年2月にマイナス金利を導入して以来、約8年ずっと同じ状況が続いています。

マイナス金利とは、日本銀行などの中央銀行が金融機関に対して預金金利を支払わせるのではなく、逆に一定の手数料を課す政策です。

これは通常、経済を刺激し、低インフレやデフレーションを防ぐために採用されます。

2024年に入り、このマイナス金利を解除するのではないかといった予測が高まっています。

そこで今回は、日銀のマイナス金利が解除された場合の影響などについて説明をします。わかりやすく説明をしますので、参考にしてください。

マイナス金利が解除されるのは、いつか?

マイナス金利が解除されると予測されているのは2024年3月もしくは4月が1番多いです。

2023年の後半もマイナス金利が解除されると予測されていましたが、結局は解除されませんでした。

しかし、アメリカの金利がなかなか利下げをしていない状況を見ると、今後、日本は、金利を上げないとさらなる物価上昇になってしまう可能性があります。

ここ数年、過去にないほど物価が上昇しており、生活が苦しいと思っている方も多いのではないでしょうか。

マイナス金利が解除されることによって、物価上昇を抑える効果もあるので、2024年早いうちにマイナス金利は解除されると予想します。

マイナス金利が解除されると起こり得る主な3つの影響について

マイナス金利が解除されることによって起こり得る3つの影響についてまとめました。

  • 株安円高になる可能性
  • ローンの金利が上がる可能性
  • 銀行株が上昇する可能性

それぞれの影響についてわかりやすく説明をしますので、参考にしてください。

株安円高になる可能性

基本的に金利が上がると、企業にとっては調達資金の金利が上がるため、業績が落ちます。

業績が落ちると株安になる傾向にあるのは皆さんお分かりでしょう。

また、日本の金利を上げることによって、アメリカとの金利差が縮小します。

金利差が縮小することによって円高に若干触れる可能性もあるので、注意しましょう。

ただし、為替については、アメリカの利下げも先送りになっているため、大きな変化は無いかもしれません。

ローンの金利が上がる可能性

住宅ローン等の金利が上がる可能性が高くなります。実際にメガバンクを中心に住宅ローンの金利が徐々に上がってきているのを皆さんご存知でしょうか?

日銀の政策金利が上昇することによって、さらなる住宅ローンの金利上昇につながるかもしれません。

しかし、マイナス金利を解除するだけで、大きく利上げをするわけではないため極端に住宅ローンの金利が高くなる可能性は無いでしょう。

銀行株が上昇する可能性

銀行は金利が上がると預金で収益が伸びます。今、メガバンクを中心に預金を集める動きが活発になっています。なぜなら、収益が伸びるからです。収益が伸びるとさらに銀行株が上昇する可能性が高いでしょう。

銀行株は配当も高く、安定性も高いので、今の時期に仕込んでおくのも良いかもしれません。

日銀のマイナス金利解除による投資戦略

金利が上昇することによって、株安や円高など、投資環境が悪くなってしまう可能性があります。

しかし、いくら金利を上げるといっても、マイナス金利を解除するだけなので、比較的すぐにマイナス金利解除の影響はなくなるのではないでしょうか。

マイナス金利の解除はだいぶ振り込まれているので、実際にマイナス金利の解除が起きても大きな株安円高にならないかもしれませんが、もしなった場合、それは投資のチャンスであると言えるでしょう。

例えば、株式投資においては、日本企業の業績は非常に好調ですし、為替についても日米の金利差を考えると、まだまだ円安になる可能性があります。

日銀の政策決定会合の日程について載せておきましたので、必ずチェックするようにしてください。

開催回開催日
第1回1月22日・23日
第2回3月18日・19日
第3回4月25日・26日
第4回6月13日・14日
第5回7月30日・31日
第6回9月19日・20日
第7回10月30日・31日
第8回12月18日・19日

各国の動向

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が6月の利下げの可能性を示したこ

とや、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長も「遠くない将来」の利下

げを示唆したことが欧米の株式相場の支援材料となりました。

欧州ではドイツの株価指数(DAX)やフランスのCAC40、欧州の主要

600社で構成されるストックス600が過去最高値を更新。

NY市場では半導体株指数(SOX)が大幅高で過去最高値を更新。米国の主要500社で構成されるS&P500も過去最高値を更新し、ハイテク株の

比率が高いナスダック指数もほぼ過去最高値に並びました。

なぜ金利は重要なのか

株式投資に大きな影響を与える日本銀行やアメリカの中央銀行であるFRBなどの中央銀行について説明します。

中央銀行にはさまざまな業務がありますが、わかりやすいのがお札を発行してるということです。

物々交換ではなく、お金のやりとりで物を手にできる世の中を作っていくということは経済の発展には非常に重要です。なぜなら物々交換ではスムーズに欲しいものが手に入らないからです。

しかし、物価が1年後に10%上昇したり、2年後に2倍になったりすると多くの人は困ってしまいます。

頑張って貯金しても物価の上昇が急だと、例えば200万円で車を買おうと思って200万円貯めてたのに500万円になってしまうと買えなくなってしまいます。

このように物価が急に上昇すると生活の設計を立てにくくなってしまうのです。

中央銀行は国民が安定した生活を送ったり将来の人生設計を立てやすいようにするために物価を安定させるという非常に重要なミッションがあります。

物価を安定させるためには金融政策が密接に絡んできます。

景気が良くなるということは企業の売上が上がり、給料が増え、物の値段が上がるということです。つまり物価を緩やかに上げることによって景気は良くなるのです。

景気を良くするために金融緩和という政策を取ります。

具体的には、金利を低く抑え、お金をたくさん市場に供給します。すると株価が上昇し景気が良くなるのです。

しかし、金融緩和をずっと行うと物価が上昇しすぎたりする副作用もあります。

そのため今度は金融引き締めを行い、景気を落ち着かせて物価を安定させようとするのです。

景気と日銀の政策、物価の関係は以下の通りです。

景気の状況日銀の政策金利企業や個人の借入経済や物価
景気が悪化金融緩和下がる借入やすい経済活動は活性化→物価は上昇
景気が過熱金融引き締め上がる借入しづらい経済活動は停滞→物価は下落

このように株価は個別企業の業績だけでなく、経済全体の動きに大きく左右されるため、株式投資で利益を上げるためには金利を理解する必要があるのです。

まとめ

今回は日銀のマイナス金利解除をテーマに説明をしました。

日銀がマイナス金利解除に踏み切る可能性は高いはずです。金利が経済にもたらす影響は非常に大きいので、ぜひ今回の記事をきっかけにしていただき、金利動向に興味を持っていただけたら幸いです。