From:編集部 小早川
2024年、米国株式、日本株式ともに非常に好調な相場が4月時点では続いています。
しかし、銘柄ごとに見てみると、電気自動車最大手のテスラの株価は大幅に下落し、半導体最大手のエヌビディアについては、大幅に上昇をしています。
テスラもエヌビディアもM7に入っている企業です。
M7とはマグニフィセント・セブンとハイテク株(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、テスラ、メタ)の総称です。
2023年のS&P500は約24%上昇しましたが、M7は75%以上の上昇をしました。
S&P500を構成する他の493銘柄を圧倒しているのです。
ではなぜ、テスラとエヌビディアは明暗をわけてしまっているのでしょうか。それぞれの状況について詳しく説明をします。
テスラとエヌビディアの株価の状況
それでは、テスラとエヌビディアの株価の状況について見ていきましょう。
テスラ
テスラについては、年初来33%以上下落しており、S&P500構成銘柄の中でも最低クラスの成績です。
4月3日に1ー3月期の世界販売台数は前年同期比9%減の38万6810台となり、米ファクトセット集計の市場予想(同7%増の約45万台)を大幅に下回りました。
このニュースはテスラ株に直撃をし、この日テスラ株は約5%下落しました。
なぜ、テスラ株がこれだけ売られているかと言うと、まずイーロンマスク社長が、「2024年の電気自動車の需要は2023年よりも下回る」といった発言があったからです。
また、売れ筋だった中国市場が減速をしており、予想以上に販売台数が鈍化しているのも大きな要因になります。
ここ数年テスラの株価は上昇を続けていたため、調整局面であるといった見方もありますが、実需が厳しいのに変わりはなく、しばらくは厳しい状況が続くかもしれません。
しかし、テスラの電気自動車の技術は非常に高く、自動車王国である日本の自動車会社も全くついていけてないのが現状です。
今後、環境問題を考えると、電気自動車の普及は高い可能性で広まるはずなので、株価が下落している今こそ長期目線で保有するのは良いのではないでしょうか。
エヌビディア
エヌビディアの2024年4月5日時点のPERは73.8倍です。
S&P500のPERは現在25倍程度なので、エヌビディアはかなり割高に見えるかもしれません。
しかし2024年年末のエヌビディアのPERの予想はなんと24倍です。
PER24倍というのは一般的にはそんなに割安ではありませんが、エヌビディアで考えると非常に割安の水準といえます。
株価が下がって割安ではなく、業績が上がりすぎているのに株価の上昇がともなわず割安ということになっているのです。
エヌビディアの将来の見通しは非常に良くなっています。
データセンターの売上はアドバンスド・マイクロ・デバイシズとインテルを足したよりも、はるかに大きいです。
エヌビディアのデータセンターは大きな売上を上げており、成長率も非常に高いので株価が頭打ちかというと決してそんなことはなさそうです。
AI技術においてエヌビディアはまだまだアドバンテージを持っています。
ChatGPTやGoogle Bardなどを動かす時にデータセンターでNVIDIAのGPUが活躍していますし、今までH100という製品でしたがH200という新製品が発表されました。
結果的にデータセンターは年間279%、四半期で41%成長しました。279%の成長率はこの規模の会社では驚異的であるといえます。
エヌビディアの技術はChatGPTなどの生成AIはもちろん、車の自動運転、ゲーム、医療関係の画像処理、仮想通貨のマイニングなどにも使われています
現状他社を大きく引き離しており、ライバルらしいライバルは見当たらないことを考えると、1000ドルを超えるかもしれません。
明暗を分けている両者だが…
世界を代表する銘柄であるテスラとエヌビディアは2024年、明暗を分けている状態です。
しかし、どちらの会社も先行きが非常に有望な分野でイニシアチブを握っているため、今後大きく上昇する可能性があります。
エヌビディアに関しては、既に強烈な上昇をしていますが、生成AIが対応している今、今後さらにデータセンターなどへの需要は高まるはずです。
また、データセンターだけではなく、車載機や需要が落ちているPCやスマートフォン向けの半導体の需要も今後増えてくるのではないでしょうか。
特に、パソコンやスマートフォンに関しては、今から4年前のコロナが大流行し、2020年に爆発的に売れました。そろそろ買い時の期間であることを考えると、半導体の需要は一段と高まりそうです。
また、株価が年初来30%以上下落しているテスラですが、テスラの電子自動車の技術の高さは世界中で認められています。
自動車王国である日本の自動車会社ですら、テスラの技術にはほとんど追いついていない状況を考えると、中国の需要が回復してくれば大きく進捗する可能性があります。
仮に中国の需要が回復しなくても、人口の多いインドやインドネシアで電気自動車の需要が高まる可能性は高いので、どちらにしても有望な分野であるといえるのではないでしょうか。
株式の原則は、株価が低い時に買って高い時に売り抜けることです。
これだけ大きく下落しているテスラ株は、もしかすると潜在一遇のチャンスであるかもしれません。
株式投資は余裕資金で行うのが原則です。大きく下落したからといって慌てるのではなく、むしろ買い増しをする強い気持ちを持って臨んでいただければ幸いです。
まとめ
今回は2024年に明暗を分けているテスラとエヌビディアについて紹介をしました。
結論、どちらの株も、買って良いと考えます。エヌビディアに関しては今後PERが大きく下がることが予想されますし、テスラに関しては需要が戻れば、一気に株価も戻す可能性があります。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、今後の株式投資で大きな利益を上げていただければ幸いです。