「空売り」とは?下落を利益に変える、その仕組みを解説!

コラム

編集部の黒木です。

株式投資には、様々な手法がありますが、空売りは代表的な取引手法の1つです。

株式投資上級者にとって、空売りは欠かすことができないものになりますが、初心者の方の中には、空売りはハードルが高いと思われる方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、株式投資における空売りについてわかりやすく説明をします。

「そもそも空売りとはどんな仕組みなのか」についても説明しますのでぜひ参考にしてください。

空売りとは?

空売りとは、一言でいうと、「株価が下落すると利益が出る取引」です。

通常の取引の場合、株価が上昇しなければ利益を得ることができませんが、空売りの場合、株価が上昇すると損失が出て株価が下落すると利益が出る取引になります。

空売りの仕組みについて簡単に説明しましょう。

空売りは信用取引でのみ利用することができます。

空売りは、証券会社から株を借りて借りた株を売却します。そして、借りた株は返さなければいけませんので、株を買い戻して証券会社に返却する仕組みです。

例えば、1株100円の株を借りて、借りた株を売ったとします。1株50円まで下落すると、借りた株を買い戻すことで50円の差額が生じ利益が発生することとなります。

空売りの仕組みを説明すると少し難しいですが、要は株価が下がれば利益が出る仕組みと覚えておけば何の問題もありません。

では、この空売りですがどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

空売りのメリットは4つ!

空売りの主なメリットは4つです。

  • 下落局面で利益を出せる
  • 短期間で利益を出せる可能性がある
  • 現物株投資のリスクヘッジができる
  • 株主優待や配当をリスクを抑えて受け取ることができる

空売りのメリットについてわかりやすく説明していきます。

下落局面で利益を出せる

空売りは、先程から何度も説明している通り、下落局面で利益を出せる取引手法になります。

株価は当然ですが、一本調子で上昇していくものではありません。

上昇や下落を繰り返すことが一般的になりますので、下落局面でも利益が出せることは空売りの最大のメリットといえるでしょう。

短期間で利益を出せる可能性がある

一般的に、下落は上昇よりもスピードが速いといわれています。

皆さん思い出してみてください。2008年に起きたリーマン・ショックや2020年に起きたコロナショックの時は、ものすごい勢いで株価が下落しましたよね?

その他にも2013年に起きたバーナンキショックや2019年に起きたフラッシュクラッシュなど急激に株価を下げた局面は今までに何度もありました。

下落局面にうまく乗ることができれば、空売りを利用して短期間で大きな利益を得ることも決して夢ではありません。

短期間で大きな利益を出せる可能性があることは空売りの大きなメリットといって良いでしょう。

現物株投資のリスクヘッジができる

株は残念ながら下げるときは一気に下げます。それは業種に問わずです。

現物株のみで投資をしていると上昇局面でしか利益を取ることができませんので、株価下落局面には大きな含み損を負うことになります。

しかし、現物株と空売りを併用すれば、現物株の含み損を空売りの利益で補ってくれるのでリスクヘッジになるのです。

長期的には上昇すると予想して、長く株式を保有したい場合、下落局面に空売りを併用することは非常に有効な手段といえるでしょう。

株主優待や配当をリスクを抑えて受け取ることができる

空売りをうまく利用することによって、株主優待や配当をリスクを抑えて受け取ることが可能です。

やり方は、現物株での買いと空売りを同時に行います。

この方法をとることによって、株価変動リスクをほぼ抑えることができますのでリスクを抑えて配当や株主優待を受けることができるのです。

ただし、空売りを行う際は手数料がかかりますので全くリスクがないわけではありませんので注意してください。

空売りのデメリットは3つ!

空売りの主なデメリットは3つです。

  • コストがかかる
  • 利益には上限があり、損失は無限大
  • 急騰すると莫大な損失を負う可能性がある

空売りのデメリットについてわかりやすく説明をします。

コストがかかる

空売りは、信用取引の一種になりますので、金利コストがかかります。

空売りの期間が長ければ長いほどコストがかさんできますので注意が必要です。

現物株の取引と違い、空売りにはコストがかかることは大きなデメリットといえるでしょう。

利益には上限があり、損失は無限大

現物株での取引の場合、理論上は無限大に利益を出せる可能性があります。

また、損失は株価が0になるまでなので限定されています。

しかし、空売りは全く逆です。

利益は、株価が0になった時までに限定されている一方、損失は、株価の上昇に上限はないので無限大に広がる可能性があります。

このように、空売りの場合、利益には上限があり、損失は無限大に広がる可能性があることは大きなデメリットといえるでしょう。

急騰すると莫大な損失を負う可能性がある

株価の動きは、一般的に上昇局面よりも下落局面の方が早いといわれていますが、必ずしもそうとは限りません。

例えば、2020年の株式相場についてはコロナショックが落ち着いた後は、上昇し続けました。

調整があまりなかったため、損切りのタイミングを逸してしまい、空売りによって莫大な損失を被ってしまったトレーダーもたくさんいます。

このように、株式相場が急騰すると莫大な損失を被ってしまう可能性があることは空売りの大きなデメリットといえるでしょう。

空売りをすべきタイミングとは?

空売りをすべきタイミングは、ズバリ相場がパニックになっている時でしょう。

リーマンショックやコロナショックなどの時のように相場がパニックになると投げ売りが続出し、株価は大きく下落する傾向にあります。

しかも、パニック相場の場合、短期で大きく株価は下落しますので、空売りをすることによって大きな利益を狙うことができるでしょう。

空売りをすべきでないタイミングとは?

空売りは、上昇相場の時にすべきでないです。「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われるかもしれませんが、上昇相場の時に空売りをする人は驚くほど多いです。

なぜなら、調整局面を狙っているからです。基本的に株価は一方的に上昇することは少ないので、上昇局面に空売りを行って調整が来れば大きな利益を得ることができます。

しかし、いつ調整局面が来るかは誰にもわかりませんので、調整局面を狙った空売りは非常に危険です。

損切りのタイミングを逸してしまい莫大な損失を被ってしまう可能性がありますので、欲を出して調整局面を狙った空売りを行うことはやめましょう。

まとめ

今回は、空売りについて説明をしました。空売りは投資初心者の方にとっては難しいものだと思っている方も多いかもしれませんが、決して難しいものではありません。

空売りを身に付けることによって、スピードが上昇よりも一般的に早い下落局面の時に大きな利益を得ることができます。

ぜひ今回の記事を参考に空売りについて興味を持っていただき利益を出していただければ幸いです。