From:編集部 小早川
2024年3月期のメガバンクの決算が出そろいました。
結論は3メガ体制になってから最高益でした。
24年3月期の3メガバンクの合計の純利益は前の期に比べて26%増加し3兆1325億円と2005年度に現在の3メガバンク体制となってから最高益を更新しました。
利ざやの改善と低金利下で続けてきた構造改革が収益の拡大に結びついた結果です。
今回はメガバンクの24年3月期の決算、株主還元、25年3月期の見通しについて解説します。
三菱UFJフィナンシャルグループ
昨年度24年3月期の業績の伸びが最も顕著だったのが三菱UFJフィナンシャルグループでした。前年に比べて利益を33%伸ばしました。
今期25年3月期は0.6%増と微増ではあるものの1兆5000億円の大台に載せる予定です。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 修正1株配 |
2021.03 | 6,025,336 | - | 1,053,610 | 777,018 | 60.5 | 25 |
2022.03 | 6,075,887 | - | 1,537,649 | 1,130,840 | 88.5 | 28 |
2023.03 | 9,281,027 | - | 1,020,728 | 1,116,496 | 90.7 | 32 |
2024.03 | 11,890,350 | - | 2,127,958 | 1,490,781 | 124.7 | 41 |
予 2025.03 | - | - | - | 1,500,000 | 127.9 | 50 |
前期比 | - | - | - | 0.6 | 2.6 | % |
三井住友フィナンシャルグループ
2期連続の大幅利益増となりそうなのが、三井住友フィナンシャルグループです。
こちらは前期24年3月期は前の期に比べて、19.5%の利益増で10期ぶりに過去最高を更新しました。
国内外で旺盛な資金需要が収益を押し上げ、SMBC日興証券の黒字転換も寄与しました。
今期も前期に続き10%増の純利益を予想。初の1兆円台に乗せると予想されています。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 修正1株配 |
2021.03 | 3,902,307 | - | 711,018 | 512,812 | 374.3 | 190 |
2022.03 | 4,111,127 | - | 1,040,621 | 706,631 | 515.5 | 210 |
2023.03 | 6,142,155 | - | 1,160,930 | 805,842 | 590.5 | 240 |
2024.03 | 9,353,590 | - | 1,466,128 | 962,946 | 724.6 | 270 |
予 2025.03 | - | - | - | 1,060,000 | 806.7 | 330 |
前期比 | - | - | - | 10.1 | 11.3 | % |
みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループの24年3月期の純利益は前の期に比べて22%増の6789億円でした。
国内外の金利上昇により貸出しの利ざやが改善し、円安などによる市場環境の追い風が収益を押し上げました。
今期25年3月期は最高益となる7500億円の純利益を見込みます。
みずほ本業の儲けを示す業務益は25%増えて1兆58億円と24年3月期に1兆円台に乗せました。
2003年3月期のみずほフィナンシャルグループ発足以来初めての1兆円台です。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 修正1株配 |
2021.03 | 3,218,095 | - | 536,306 | 471,020 | 185.8 | 75 |
2022.03 | 3,963,091 | - | 559,847 | 530,479 | 209.3 | 80 |
2023.03 | 5,778,772 | - | 789,606 | 555,527 | 219.2 | 85 |
2024.03 | 8,744,458 | - | 914,047 | 678,993 | 267.9 | 105 |
予 2025.03 | - | - | - | 750,000 | 295.9 | 115 |
前期比 | - | - | - | 10.5 | 10.5 | % |
3メガバンクの株主還元は?
3メガバンクとも配当性向は4割前後となっているものの、三井住友フィナンシャルグループのみ40%を超えてきました。
配当増加率でもトップとなり、今回の決算で注目の1つとなっていた株主還元では三井住友フィナンシャルグループが一歩リードしています。
また、自社株買いについては三井住友フィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャルグループがそれぞれ1000億円を上限に自社株買いを実施するとしました。
23年の春に米国で金融システムの懸念が浮上したことを受けて自己資本の充実を優先しようと自社株買いは控えられていましたが、金融環境の正常化により23年秋には三菱UFJが4000億円、三井住友が1500億円を上限に自社株買いの実施を公表するなど株主還元の強化に動き出しました。
今期の業績も堅調に推移すると見られ、各社は株主還元の強化を進めていきそうです。
合わせて三井住友フィナンシャルグループは1株を3株にする株式分割も発表。24年1月に始まった新NISAでは個人投資家の資金が業界トップの銘柄に向かいやすいと考えられています。
実際に新NISAの上位にはNTTやJTなどが並び、個人投資の間では三菱UFJに対して三井住友が出遅れている感も見受けられます。
投資単位の引き下げは個人投資家にとっては嬉しいニュースとなるかもしれません。
今後の業績は
今期25年3月期そして中長期的にはどうなっていくのか見ていきましょう。まずは3メガバンクの利益を再度見ていきます。
まず、三菱UFJフィナンシャルグループは今期25年3月期の純利益は前期比1%増の1兆5000億円を見込み、24年3月期に続き2期連続で最高益となるとしています。
マイナス金利解除の影響で金利収入が順調に推移すると見られ、今後は国内金利の上昇とともにさらに業績が上振れる可能性もあります。
そして、今回三菱UFJフィナンシャルグループは27年3月期に純利益で1兆6000億円以上を目指す新しい中期経営計画も公表しました。
続いて三井住友フィナンシャルグループの24年3月期の連結純利益は前の期に比べ19%増の9629億円。
そして今期25年3月期は前期比10%増の1兆600億円を目指します。
初めて1兆円を超え2期連続で最高となる見通しです。
経営計画の1年目を終え非常に力強いスタートを切った三井住友フィナンシャルグループ。
2年後の最終年度のボトムライン目標として掲げていた9000億は初年度で達成しました。
資本効率を示す自己資本利益率ROEの新しい目標も公表し、東京証券取引所が定める厳格な基準で今年3月末時点の数値は7%でしたが、それを29年3月末までに9%程度へ引き上げるという計画を出しました。
みずほフィナンシャルグループも24年3月期の連結最終利益は前の期比22.2%増の6789億円になり、25年3月期も前期比10.5%増の7500億円に伸びを見込み、11期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなりました。6期連続の増益になります。
まとめ
今回は3大メガバンクの決算内容について紹介をしました。
結論、今回の決算は非常に良かったです。また今年度の決算もかなり良さそうなので、今後さらに株価が上昇する期待があるのではないでしょうか。ぜひ今回の記事を参考にしていただき、メガバンク株にも興味を持っていただければ幸いです。