トレーダーは「待つ」のも仕事

コラム

テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。

5月が終わって今日から6月スタート。本当に早いのですが、今年も折り返しが近いですね。

5月相場を振り返ると、GW前後から動きが鈍くなって、日本株に関してはずっとレンジで横ばいでした。米国は調子が良くて、ナスダックもダウもS&P500も最高値を更新しました。米国株はこの直近1週間ほどは弱いですが、でも経済が強いので特に心配してないです。

むしろ心配してるのは日本株の方で、決算が出揃ったものの全体的に陰りも見えるし、四半期ごとに出るGDPも減速で、さらにここから日本は利上げするので、大丈夫かしらと今から危惧しています。

こちらは年初来の日経平均の値動きですが、ずっと上昇を続けていて、史上初めて4万円を超えたのが今年の3月末あたり。4月も前半までは良かったものの後半から下落、その流れが5月末まで続いていました。

6月相場、どうなる?

では6月、どうなるか?

まず、もうちょっと俯瞰して相場を見ると、8月は”夏枯れ相場”といって例年あまりいい相場になりません。理由はいろいろありますが、お盆休みで相場は閑散としますし、3月期決算企業の第一四半期でもあるので決算前の様子見ムードも出やすいです。

そして下旬には米国FRB議長による「ジャクソンホール会議」というイベントもあります。ここでの発言で相場が動くこともあって警戒されます。あとは海外投資家も1年を通して8月に売ってくることが多くて、需給面を見ても弱いんですよね。

これらの要因から8月はやや微妙な流れになりやすいことが前提としてある中で、6月7月ですね。今、目先はやや下目線ですが、下に振れてもその反動で7月に上げて、8月から徐々に上値が重くなる、みたいなザクっとでもいいので向こう数ヶ月の見立てを考えておくといいと思うんですね。

もちろんそこに行くまでにネガティブもポジティブもどちらもサプライズ的な何かはあると思うので、それはその時に考えるとして、ザクっとの方向感ですね。

私たちは「投資家」というよりは「トレーダー」です。

短期で株を売買する人をトレーダー、長期で売買する人を投資家と考えていますが、投資家は基本バイアンドホールド。つまり買ったらずっと保有ですね。でもトレーダーは売買して、回転させていきます。これが大きな違いですね。

で、トレーダーですから、今みたいに上に下に揉み合いが続くと、正直かなりやりにくいんですよね。

勝ちやすい相場って?

相場には3つの局面があって、それが

・上昇相場
・下落相場
・レンジ相場

ですが、上昇と下落はそのまんま上がっている相場と下がっている相場で、レンジ相場とは一定の幅でウロウロする相場のことを言います。

勝ちやすい相場は上昇と下落で、やりづらいのはレンジ相場です。言ってみればトレーダーは上昇と下落の波に乗っていくのが仕事で、レンジの時は波がない時なので、無理に海に出ずにリラックスしてた方がいいんですよね。

だから相場すら見ずに、美味しいカフェラテでも飲んでチルしてた方がいいのですが、でもなんだかんだで見るとトレードしたくなるんですよね。笑 

で、相場全体を10としたときに、上昇と下落は3くらいでレンジは7くらいの感覚です。なので、10あるうちの3くらいしかそもそも私たちトレーダーは仕事しないわけです。

この「何もしない」ということも、とても重要。

ノーポジも正解

株にのめり込んで行くと、必ずぶつかる壁があります。それが「ポジポジ病」です。

ポジポジ病とは呼んで字の通り、常にポジションを持っていたくなる”病”です。相場が動いてると色んな局面がチャンスに見えて、売り買いしたくなるんですよね。

でも無理に勝負するあまり、手を出すべきではないボール球を振って打率が安定しなかったり、それでフォームが崩れてスランプになったり、、みたいなこともあります。

私も経験したことがありますし、今でも焦って余計なことをしないように常に自分に言い聞かせていますね。

どんな相場であっても自分たちのトレードをすることが大事で、サッカー日本代表がワールドカップで強豪国と当たった時にすぐに戦略を変えるじゃないですか。

私はあれはあまり良くないと思っていて、大事なことは相手が誰であっても自分たちのサッカーをすることだと思うんですよね。トレーダーも同じです。

どんな相場でも、どんなネガティブサプライズがあっても、自分たちのトレードをする。それがちょっとでもできなそうな気配がするなら、勝負を降りてもOKです。これは私たちが常にパフォーマンスを求められる機関投資家やファンドマネージャーではなく個人投資家だからできるメリットです。

そう、つまりノーポジ(なんの株も持っていない状態です)も正解です。いえ、ノーポジはある意味「ポジションを持たないという選択」を持っているとも言えます。ノーポジと言ってもノーポジではないのです。(ちょっと分かりづらいけど)

トレーダーは待つのも仕事

ですから、トレーダーは待つのも仕事。

私も5月は売買が少なかった月で、決算後に飛び乗ったエヌビディアで利益取れたものの、他は打診で売り買いしつつも利益がでたり、削られたり、で微増って感じですね。

理想は6月からドンっと一度下がって、中旬のFOMCで上昇気流に切り替わって7月はいい感じで推移、8月から徐々に夏枯れ相場で垂れて、秋の大統領選前にさらに結構下げて、秋以降から年末にかけて去年みたいにぶち上げる、みたいな流れを妄想しています。夏から秋ころに利下げもあると思いますし。

株は連ドラですから、日々相場に触れておくことで少しずつ方向感も見えてくるはずです。その流れを捉えて、6月もいい波乗っていきましょうね!

ちょうど去年の6月にSNSで発信を始めたので、もう1年が経とうとしてます。あっという間でしたが、おかげさまで見てくれる人も増えて嬉しいです。

「全員で勝つ!」をモットーに掲げてるので、この荒波を乗りこなしていきましょう。あと、こないだYouTubeライブの接続を頑張ってまして、苦戦しながらも上手くできそうです。

毎月恒例の雇用統計ライブはいつもTIKTOKでやってたのですが、次回、来週金曜のライブではYouTubeでやろうと思います。(一応、できなかった時に備えていつものTIKTOKも準備しておきますが笑)来週の金曜、21時から放送しますので、集合!ください。

そして、編集部ともミーティングしてまして、6月から私のコンテンツもどんどんリリースしていくことになりました。既存のものや、さらにアップデートしたもの、新しく制作するものなど、色んな企画を考えています。興味あるものがあったらぜひご参加ください。

また、こちらも少し企画から遅れてるのですが、TIKTOKのザクっと相場解説に加えて、YouTubeでもうちょっとしっかりした相場解説もやろうと考え中です。私が主宰しているサブスク、WAVYでは毎週の相場を深掘り解説して、方向感や戦略をシェアしているのですが、それのもうちょっと簡易版みたいなイメージです。

視聴者の皆さんがどんなことに興味があるか、どんな発信だったら見ようと思うか、もう少しヒアリングしてからスタートしようと思ってます。もしご要望などあれば、ニュースレターに返信もらうかまたは私のSNSまでレスもらえたら嬉しいです。

ではでは、6月もいい波乗っていきましょう!