皆さんは資産運用と聞くと、どのようなイメージを持っていますか?人それぞれ、資産運用に、様々なイメージを持っていらっしゃるでしょう。
しかし、投資初心者の方の多くは資産運用にはリスクがあると思っているのではないでしょうか?
リスクは一般的に日本語では危険と訳されますが、資産運用で使われるリスクは一般で使われるリスクとは異なります。
今回は、投資におけるリスクの意味や、リスクを回避する方法などについてわかりやすく説明をします。
投資におけるリスクの意味
投資にはリスクがつきものです。しかし投資で言うリスクは皆さんが思っているリスクとは違うかもしれません。
この章では、投資で使われるリスクについて説明します。
投資におけるリスクの意味とは?
投資の世界で使われるリスクは、日常的な用語として使われる「危険」という意味で使う「リスク」とは異なります。投資の世界で使われるリスクの意味は、「値動きの大きさ」です。
投資初心者の方の多くは、リスクと聞くと下落するリスクやお金が減ってしまうリスクという意味でリスクという言葉について理解していると思います。
しかし、投資の世界で使われるリスクは、値動きの大きさになりますので、値上がりすることもリスクになるのです。この値幅の大きさのことをリスクといいます。
つまり、FXなどのリスクが高い商品は値幅が大きく、大きな利益を得られる可能性がありますが、一方で大きな損失をしてしまう可能性があるのです。
逆に、債券などのローリスクの商品は、値幅が小さいので大きな損失を回避できる可能性が高いですが、一方で大きな利益を得られる可能性も少なくなります。
投資のリスクを頭で表すと下記のように表すことが可能です。
出典:岡三証券
このように、投資の世界でいうリスクはあくまで値幅の大きさのことを指しますので、しっかり覚えておくようにしてください。
投資のリスクは主に6つ!
投資信託や、株式、債券、不動産など資産運用を行うには様々な商品がありますが、投資のリスクは主に6つに分類できます。
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- 信用リスク
- 流動性リスク
- カントリーリスク
株式の株価や投資信託の基準価額に影響を与えるものになりますのでしっかり理解するようにしましょう。
価格変動リスク
株式投資で使われる株価はマーケットが開いている間は、常に値動きがありますし、債券やリート(不動産投資信託)にも値動きがあります。
一般的には国内および世界の政治・経済情勢、企業業績などの影響を受けて株価などは上がったり下がったりするのです。
価格変動リスクとは、投資対象の値動きのリスクになります。
為替変動リスク
ドル円や、ユーロ円などの為替も常に変動しています。
円建ての商品の場合、基本的には円安になれば利益が出て、円高になると損失が出てしまうのが一般的です。(商品によって逆の場合もあります。)
為替に影響する投資信託や債券などにはこの為替変動リスクもあるので、為替動向には常に気を配っていなければなりません。
金利変動リスク
日本の金利やアメリカの金利などの金利も常に変動しています。
例えば、債券投資の場合、満期まで保有せずに途中で売却する場合には、金利動向の影響を受けます。
満期までの期間が長い債券ほど金利変動の影響が大きくなるのが一般的です。
また、不動産も金利によって値動きが上下しやすくなります。
なぜなら、金利が上がるとお金を借りるのに多くの利息を払わなければいけなくなるため、不動産を買いづらくなるので不動産価格は下がるのが一般的です。
このように、金利は、投資商品の値動きに大きな影響があります。
信用リスク
信用リスクとは、債券などの発行体である国や企業の経営状況が悪くなると、決められていた元本や利息の返済が不能になるリスクです。
流動性リスク
購入したいタイミングや換金したいタイミングで売買ができないリスクのことです。
特に、取引量が少ない銘柄を購入すると起こる可能性が高いリスクになります。
カントリーリスク
投資対象国や地域において、政治・経済の状況の変化によって混乱が生じた場合、投資した資産の価値が下落するリスクのことです。
特に、政治・経済が先進国に比べ不安定な新興国に投資するときに起こる可能性が高いリスクになります。
投資のリスクを数値化する方法
リスクの意味やリスクの種類について説明したところで、この上では投資のリスクを数値化する方法について説明します。投資のリスクは標準偏差というもので数値化が可能です。
標準偏差とは
標準偏差とは、統計学で使われる散布度(バラツキ)を計測する手法のことです。
分かりやすく説明すると、高校受験や大学受験の時の偏差値を思い浮かべて頂くと分かりやすいです。受験でいうと偏差値50が平均です。
平均の偏差値50からどれくらい点数にばらつきがあるかを見ていくのは偏差値です。
標準偏差もまったく一緒で平均の動きからどのくらい上下に値動きのばらつきがあるかを見ていきます。
ある一定の確率で値動きが収まりやすいレンジを「σ(シグマ)」と呼び、平均値から見て上のレンジを+1σ、平均値からみて下のレンジを-1σと呼びます。これを2倍したものをそれぞれ+2σ、-2σと呼ぶのです。
+1σ、-1σに入る確率は、約68.2%で+2σ、-2σに入る確率は約95.4%になります。つまり、「σ(シグマ)」の数値が大きいほどリスクが大きく、小さければリスクも小さいことになります。
この標準偏差を利用することで投資のリスクを簡単に数値化することができるのです。
投資のリスクを回避・軽減するためのポイント
投資のリスクを回避、軽減するには様々な方法がありますが、おすすめの方法は長期分散投資を行うことです。
投資のリスク回避には長期分散投資が有効!
長期分散投資とは、株式や債券、不動産など値動きが違う投資資産に分散して投資を行い長期間投資を行うことです。
値動きの違う資産に分散して投資することによって1つの資産が値下がりしても他の資産で補うことができます。
また、株式や債券などの投資資産は、長期間保有すればするほど安定する傾向にありますので、長期分散投資を行うことで投資のリスクを抑えるのに役に立つのです。
長期分散投資の効果を表した表を載せておきましたのでぜひ参考にしてください。
出典: 金融庁
このように長期分散投資をおこなうことによって投資のリスクを回避・軽減させることができるのです。
まとめ:投資のリスクは回避できる!
今回は、投資のリスクについて説明しました。投資のリスクは、投資先によって異なりますが、値動きがない投資商品は基本的にはありません。
リスクが高い商品とは、値動きが大きい商品でリスクが低い商品は値動きが少ない商品になります。
投資信託や株式、債券などの投資商品によってリスクは異なりますので、ご自身に合ったリスクレベルの商品を選ぶのが重要です。
今回の記事が投資のリスクについての理解を深めるのに役に立てば幸いです。