【DAY⑤-2】続・自分にあった投資戦略の見つけ方

コラム

投資を行う上で、「長期投資」と「短期投資」はよく比較をされます。

どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらを使って良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は長期投資と短期投資について徹底的に説明をします。結論、おすすめは長期投資です。

長期投資の主な5つのメリット

まずは長期投資のメリットについて説明をします。長期投資の主なメリットは8つです。

  1. 世界経済は右肩上がりに成長しているので利益が狙いやすい
  2. 収益が安定する
  3. 複利効果を得られやすい
  4. 積立投資の効果を得やすい(ドルコスト平均法)
  5. 配当金のインカムゲインを得られる

長期投資のメリットについて説明をします。

世界経済は右肩上がりに成長しているので利益が狙いやすい

長期投資はその通り。長期間投資をする投資手法です。投資をする対象にもよりますが、世界経済は基本的に右肩上がりで上昇をしています。

世界経済と株価の関係についてまとめた表です。

出典:日興アセットマネジメント

このように、株価指数と世界経済の成長は基本的にリンクしているため、長期投資を行うことによって、世界経済全体の成長の恩恵が受けやすいです。

一方、短期で見ると、大きく下落している局面もあります。

長期投資を行うことによって、世界経済の成長の恩恵を受けられるのは、大きなメリットになるでしょう。

収益が安定する

株価は短期で見ると、大きく下落する局面もありますが、基本的に右肩上がりで成長しています。

もちろん、日経平均株価のように何十年も過去最高値を更新しないような場合もありますが、米国株に関しては過去の推移を見ると非常に好調です。

参考に、S&P500のチャートを載せておきました。

出典:tradingview

このように長期で見ると、大きく上昇しているのがわかります。

しかし、短期で見ると、リーマンショックやコロナショックなどのように大きく下落している局面もあります。

短期投資の場合、下落局面に当たってしまうと、大きな損をしてしまいますが、長期投資を行えば、安定的に収益を稼げるのがわかるでしょう。

複利効果を得られやすい

預金でいう複利とは、「元本+利息」に利息が付くことです。一方、単利は元本にのみ利息が付くことです。株式投資の複利は「元本+インカムゲイン(配当金)+値上がり分」になります。

複利は利息が元本に加算されるため、時間の経過とともに元本が増加し、利息もそれに応じて増えていきます。複利と単利は短期間だとあまり変わりませんが、長期間投資をすればするほど、その効果は大きくなります。

100万円を年率5%で運用した場合の単利と複利の違いは以下の通りです。

運用期間単利複利利益の差
1年1,050,000円1,050,000円0円
5年1,250,000円1,276,282円26,282円
10年1,500,000円1,628,895円128,895円
15年1,750,000円2,078,928円328,928円
20年2,000,000円2,653,298円653,298円
25年2,250,000円3,386,355円1,136,355円
30年2,500,000円4,321,942円1,821,942円

このように複利の効果は非常に大きいです。複利効果のすごさを示すものに「72の法則」というものがあります。72の法則とは、「72÷年率=年数」で計算されるもので、もし10年後に元本を2倍にしたい場合は金利は7.2%必要になります。

単利の場合は金利10%が必要なので、いかに複利の効果が大きいかを分かっていただけたのではないでしょうか?

積立投資の効果を得やすい(ドルコスト平均法)

長期投資は積立投資の効果を得やすいのもメリットです。積立投資とは毎月一定の金額を同じ商品に投資をする投資手法のことで、少ない投資資金から投資を始められるとして非常に人気があります。

積立投資のメリットは、少ない金額から始められることや、ドルコスト平均法の恩恵を受けられることです。ドルコスト平均法とは、一定金額で定期的に株式や投資信託などの金融商品を購入していく投資手法のことをいいます。

一定金額で定期的に金融商品を購入することによって株式や投資信託などの金融商品の価格が高い時は、少ししか買えず、価格が低い時はたくさん買うことができます。

具体的にドルコスト平均法の効果について説明をします。

前提条件

・毎月1万円を12ヶ月購同じ投資信託を購入

・投資信託の口数は購入金額÷基準価額×10000で計算される

・基準価額の動きの以下の通り

1月10000円
2月11000円
3月10500円
4月9500円
5月9000円
6月10000円
7月8000円
8月9000円
9月8500円
10月8000円
11月7500円
12月9000円

①ドルコスト平均法にて購入

ドルコスト平均法で購入した場合、毎月1万円の購入になりますので、購入金額の総計は12万円になります。購入口数は以下のようになります。

1月10000口
2月9090口
3月9523口
4月10526口
5月11111口
6月10000口
7月12500口
8月11111口
9月11764口
10月12500口
11月13333口
12月11111口
合計132569口

もし12月に解約した場合、132559口×9000円=122,121円になります。解約するときの基準価額が最初に購入したときの基準価額よりも下がっていてもプラスになっていることがわかります。

②毎月同じ口数を購入

こちらの例では、毎月1万口を買い続けるシミュレーションです。毎月1万口の購入なので合計で12万口購入することになります。

1月10000円
2月11000円
3月10500円
4月9500円
5月9000円
6月10000円
7月8000円
8月9000円
9月8500円
10月8000円
11月7500円
12月9000円
合計110,000円

もし12月に解約した場合、12万口×9000円÷1万口=108,000円です。

投資金額110,000円に対し2000円ほどマイナスになっていることがわかります。こちらはあくまで一例ですが、ドルコスト平均法の効果が高いことがわかっていただけるのではないでしょうか?

ドルコスト平均法は長期で投資をすればするほど平均購入単価が安定し、効果が出やすいです。ドルコスト平均法の恩恵を受けやすいのも長期投資のメリットでしょう。

配当金のインカムゲインを得られる

長期投資は大きなキャピタルゲイン(売却益)を得られる可能性がありますが、配当金などのインカムゲイン(配当収入)を長期的に受け取れるメリットもあります。

株式の配当金は銘柄によって全くないものもありますが、米国株の場合、多くは3か月に1回出るものが多いです。

長期間株式を保有することによって、インカムゲインを得られ続けるのも長期投資の大きなメリットです。特に配当が高い高配当株投資を行う上で、長期投資の恩恵は大きいです。

売買コストを抑えられる

長期投資は基本的に短期間で売買することがないため、購入時や売却時のコストを抑えられます。短期投資は、短いスパンで株式を買ったり売ったりするので、その都度コストがかかります。

最近は、購入時や解約時のコストがかからない証券会社も多いです。しかし、売買コストがかかる場合、長期投資は取引回数が少ないので売買コストを抑えられるのは大きなメリットでしょう

短期投資のメリット

短期投資にもさまざまなメリットがありますが、主なメリットは3つです。

  1. 短期間で大きな利益を得られる可能性がある
  2. 利益確定が早いので楽しい
  3. 保有期間が短いため基本リスクを持ち越さない

それぞれのメリットを説明します。

短期間で大きな利益を得られる可能性がある

短期投資は、購入した株式が短期間で大きく上昇すれば、大きな利益を得られる可能性があります。

株価が短期間で大きく上昇するのが前提にはなりますが、過去に短期間で大きく上昇した銘柄がたくさんあります。下のチャートは2024年の年初来からのエヌビディアの株価推移です。

出典:tradingview

このように、短期間で大きく上昇している銘柄は過去にもたくさんあるので、短期投資の大きなメリットになるでしょう。

利益確定が早いので楽しい

短期投資は基本的に利益確定を早く行います。また何度も利益確定を行うのが特徴です。利益確定が早いので、楽しくトレードができるのも短期投資の大きなメリットです。

保有期間が短いため基本リスクを持ち越さない

デイトレードに代表される通り、短期投資は銘柄を保有する期間が短いです。

保有期間が短いため、リーマンショックやコロマショックのような経済ショックによる急落に出くわす可能性は長期投資に比べて少なくなります。

長期投資と短期投資のデメリット

長期投資のデメリットは長期間投資をしないと利益が出づらいことです。一方、短期投資のデメリットは短期間で大きな損失を出してしまう可能性があることになります。

これらを踏まえて長期投資短期投資どちらが良いのでしょうか?

投資初心者であれば、長期投資が無難!

長期投資や利益を出すまでに時間はかかりますが、短期投資に比べて安定的に利益になりやすい傾向にあるので、特に投資初心者であれば、長期投資を主に行うのが良いでしょう。

まずは長期投資を基本に行い、その後投資に慣れてきたら、短期投資で利益を狙うのが良いのではないでしょうか。

まとめ

今回は長期投資と短期投資について説明をしました。投資を行う上で長期投資、短期投資の考え方について知っておくのが非常に重要です。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、ご自身の投資スタンスを決めていただければ幸いです。