【重要な金融イベント】FOMCやCPI・日銀会合を解説。

コラム

6月12日にCPI、6月13日にFOMC、6月14日に日銀会合の結果発表と先週は相次いで超重要指標の発表がありました。

この記事では、6月に行われたアメリカCPI、FOMC、日銀の政策、金利決定会合の内容について説明をします。今後の予測についてもまとめてますので、ぜひ参考にしてください。

アメリカCPIとFOMCの内容

5月の消費者物価指数(CPI)は前月比で横ばい、前年同月比3.3%の上昇と予想よりも緩やかな上昇となりました。

食品とエネルギーを除いたコアCPIはわずか0.16%の上昇でした。これは2021年以来最も遅いペースで、前年同月比でも3.4%の上昇と4月の3.6%の上昇から減少。

総合CPIとコアCPIどちらもここ最近落ち着いています。けれどもそれでもFRBの目標である2%よりもまだまだ高い水準にあります。

5月の住宅関連インフレは0.4%の上昇と引き続き問題であった住宅関連の数値はCPIのウェイトを大きく占めてます。

しかし今回はエネルギーが2%も低下し食品は0.1%の上昇にとどまったため物価上昇は抑制されました。

エネルギー部門ではガソリン価格が3.6%下落しました。さらにサービス部門のいくつかの商品カテゴリーでは意味のある鈍化が見られ、ヘルスケア・自動車保険・航空運賃のインフレ率は全て減速。

CPIの結果を好意的に受け止め、S&P500指数は午前中の取引で1.3%も急上昇。

そして午後にFOMCは2日間の会合を終えました。FOMCは全会一致で政策金利を現在の目標レンジである5.25から5.5に据え置くことを決定。

こちらは予想通りでしたが、サプライズだったのが経済予想サマリーです。FRBメンバーの今年の利下げ回数の予想が前回の3回から1回に変更されました。

さらに4人のメンバーが今年は全く利下げが行われないと予測。つまりCPIはいい数字だったんですけれどもFOMCは少しタカ派だったのです。

それでもS&P500は0.9%の上昇で終え、ナスダックは1.5%上昇し、どちらも再び過去最高値で取引を終えました。

しかし、ナスダックは50日移動平均線を7.4%上回っており、一旦調整するリスクは高まっています。

上昇ピッチが早すぎる点が気になりますし、株価が移動平均線から大きく乖離すると今度はその移動平均線に戻ってこようとする力が働きやすいです。

さらに気になるのがJPモルガンが2日連続で50日移動平均線を下回って、引けていることです。Appleの上昇がなければ株価はもっと悪くなっていたかもしれません。

ただし、今回はタカ派の内容ではありましたが、少なくとも今年は1回の利下げを確実視しており、さらに2回の利下げを実施する確率は残されていることを受けアメリカ10年債利回りは急落。4.29%まで下がりました。

FOMCとCPIの結果を受けて9月の利下げ確率は52.8%から61.5%に上昇。

少なくともマーケットは今年1回の利下げは92.8%の確率で行われるとしています。さらに2回の利下げの確率は60%を超えています。

もちろんこれは株価にとってはプラスで恐怖・強欲指数は恐怖に近いニュートラル。

ドル円は大きく動きました。昨日のCPI発表を受け利下げ観測が高まり一気に円高に触れましたが、その後再び一気に円安になり157円台に戻ってきています。

以上まとめると、ナスダックとS&P500が最高値を更新し、株式市場の上昇は力強い小型株とダウは50日移動平均線近辺で揉み合う中、ナスダックはNVIDIAとAppleに支えられ上昇を続けている。しかし特にナスダックは50日移動平均線から離れすぎているのでそろそろ調整を警戒してます。

FOMCは終わりましたが、今後数日はまだ乱高下があるかもしれません。

それではパウエル議長の記者会見のハイライトを見ていきます。FRBの政策は中央銀行が期待していたインフレの効果をもたらしていると述べていました。

さらに「今日のCPIの報告は前進であり自信を深めるものだ。しかし現時点で政策を緩和し始める自信があるとは考えていない。インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信を強めるためにはもっといいデータを見る必要がある。我々はインフレ率を2%の目標に戻すことに強くコミットしている。」と述べました。

日銀政策決定金利会合の内容

6月13日・14日に行われた日銀政策決定会合において、国債買い入れ減額の大きさが、どの程度になるか注目されましたが、詳細な計画は次回に持ち越されました。7月30日、31日の次回会合で今後1〜2年程度の具体的な減額計画を決定します。 今夏以降に保有国債を減らし、事実上の量的引き締め(QT)に移行。 政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は0〜0.1%程度に据え置きました。

結果、失望からドル円は157円台前半から158.25円まで上昇。しかし欧州時間に入りフランスの政治危機が嫌気され、キャリートレードを手仕舞いする動きからドル円は156円台後半へと急落しました。

7月は金利据え置きがコンセンサスではありましたが、今回の失望を受け、金利の引き下げに踏み切るかもしれません。7月の日銀政策決定会合に注目が集まります。

まとめ

今回は2024年6月第2週の重要事項について説明をしました。

結果としては大きなサプライズはなく、順調に材料を消化できた印象です。

株価の調整がなく、下落するリスクが怖いところではありますが、現在の企業業績などを見ると、このまま一本調子で上がる可能性もあります。

資金に余裕を持たせる必要はありますが、ある程度積極的に投資をするのが良いでしょう。今回の記事が今後の株式投資の戦略立案に役に立てば幸いです。