From:編集部 小早川
三角保ち合い(さんかくもちあい)は、株式市場や為替市場で頻繁に見られるチャートパターンの一つです。
三角保ち合いは価格の変動が徐々に収束していく様子を表現しており、多くのトレーダーにとって重要な分析ツールとなっています。
三角保ち合いについてしっかり理解できると投資の勝率が上がる可能性が高いです。
そこで今回は三角保ち合いについて詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。
三角保ち合いの基本的な特徴
まずは三角保ち合いの基本的な特徴について説明します。
株価や為替は一般的に上がったり下がったりしながら推移しますが、株価の変動が一定の範囲で継続している状態を「保ち合い」といいます。
一方、下の図のように株価や為替の上昇・下落の値幅が徐々に狭まっていき、チャートの形が三角形のようになる状態を「三角保ち合い」というのです。
三角保ち合いは、その名の通り三角形の形状を示し、チャート上で、価格の高値を結ぶ下降トレンドラインと、安値を結ぶ上昇トレンドラインが徐々に近づいていき、最終的に一点で交わるような形を描きます。
三角保ち合いの形成には数週間から数ヶ月かかるのが一般的です。短期的なチャートでも見られますが、より長期のチャートで形成されるパターンの方が信頼性が高いとされています。
典型的な三角保ち合いでは、パターンの形成過程でボリューム(取引量)が徐々に減少していきます。これは、買い手と売り手の力が拮抗し、方向性が定まらない状況を反映しています。
最終的に、価格はどちらかの方向(上か下)に大きく動き、三角形のパターンから抜け出します。このブレイクアウト時には、通常ボリュームが急増します。
ではこの三角保ち合いですがどのような活用方法が良いのでしょうか?
三角保ち合いの種類
三角保ち合いには主に3つの種類があります。
それぞれの三角保ち合いの種類についてわかりやすく説明します。
均衡型三角保ち合い
上昇トレンドラインと下降トレンドラインがほぼ同じ角度で近づいていくパターンです。
これは、買い手と売り手の力が均衡していることを表しています。この状態は上振れるのか下振れるのかがまだわからない状態ですが、使い方はあります。
それは上下どちらかがブレイクアウトしたタイミングです。対称三角形でブレイクアウトすると、その方向に大きく動く傾向にあるので売買サインとして使いましょう。
また、ブレイクする前までは、レンジ相場なので、スキャルピングにも適していると言えるでしょう。
強気の三角形
下側のレジスタンスラインが切りあがり、上側のトレンドラインが水平のパターンです。
これは、買い圧力が一定ですが、売り圧力が徐々に弱まっていることを表します。
上方向にブレイクする可能性が高いのでロング戦略が良いでしょう。
弱気の三角形
上側のトレンドラインが切り下がり、下側のレジスタンスラインが水平のパターンです。
これは、売り圧力が一定で、買い圧力が徐々に弱まっていることを表しています。
下へのブレイクの可能性が高いのでショート戦略が良いでしょう。
三角保ち合いの活用方法
三角保ち合いの活用方法について説明します。
三角保ち合いには主に3つの活用方法があるので参考にしてください。
- トレンド継続の可能性
- エントリーポイントが明確なので使いやすい
- レンジ相場を回避できる
それぞれのポイントについてわかりやすく説明します。
トレンド継続の可能性
三角保ち合いは、既存のトレンドが継続する可能性を表しています。
例えば、上昇トレンドの中で形成された三角保ち合いは、上方向にブレイクする可能性が高いです。
エントリーポイントが明確なので使いやすい
三角保ち合いはエントリーポイントが明確です。ブレイクしたタイミングでエントリーすれば良いので、比較的、誰でも間違えずにエントリーができるはずです。
もちろん、絶対では無いので、注意が必要ですが、エントリーポイントが明確なのは大きなメリットになるでしょう。
レンジ相場を回避できる
スキャルピングなどの場合は、むしろレンジ相場の方が利益を出せますが、一般的にはレンジ相場だとなかなか利益は出せません。
三角保ち合いが続いている段階はレンジ相場なので、ブレイクするまでエントリーしなければレンジ相場に悩まされることはないでしょう。
トレーダーにもよりますが、レンジ相場を回避できるのは、三角保ち合いの大きなメリットになるでしょう。
三角保ち合いを活用する際の注意点
三角保ち合いの注意点について説明します。
- 三角保ち合い単体では次の相場の方向は明確にはわからない
- 様々なだましがある
それぞれの注意点についてわかりやすく説明します。
三角保ち合い単体では次の相場の方向は明確にはわからない
三角保ち合いは有効なチャートパターンですが、三角保ち合いだけだと、次に相場が上下どちらに向かうかの予想は、だましもあり難しいです。
ただし他のテクニカル指標と併せて分析すれば、精度を上げることができます。
様々なだましがある
三角保ち合いのだましとは、三角保ち合いを形成したもののセオリー通りの値動きにならないケースのことです。
例えば、強気の三角保ち合いの場合、レジスタンスラインを上抜けすればブレイクの合図になりますが、だましが発生すると、この通り行きません。
このだましは頻繁に起こるので注意が必要です。
だましの回避方法はブレイクした直後にエントリーするのではなく、少し様子を見てからエントリーする方法が良いでしょう。
三角保ち合いの活用例
初心者でも利用しやすい三角保ち合いの活用例を紹介します。
トレンドフォロー戦略
既存のトレンドの方向にブレイクアウトが発生した場合、そのトレンドに乗るポジションを取ります。
この方法は、最もシンプルな三角保ち合いの使い方になりますので、ぜひ覚えておきましょう。
まずはこれだけ覚えれば良いと思います。その後応用編として次から説明する方法について覚えましょう。
反転狙い戦略
既存のトレンドと逆方向にブレイクアウトが発生した場合、トレンド反転を見込んでポジションを取ります。
トレンド反転をうまく見極めることができれば大きな利益になりますが、初心者の方にはなかなか難しいかもしれません。
ブレイクアウト待ち戦略
三角形のパターンが形成されている間は取引を控え、明確なブレイクアウトが発生してからポジションを取ります。
この戦略は、初心者の方にもおすすめです。
ブレイクアウト直後にエントリーするのではなく、少し待ってからエントリーすることでだましに引っかかる可能性も低くなるので、ぜひ試してみてください。
スキャルピング
短期の時間枠で形成される三角保ち合いを利用して、小さな利益を積み重ねていく戦略です。
ブレイクするまではレンジ相場なので、スキャルピングが大きな効果を発揮するでしょう。
スキャルピングはポジションの固有時間が極めて短いため、投資初心者の方でも利益が出しやすいはずです。
まとめ
三角保ち合いは、株式市場やその他の金融市場において非常に有用なチャートパターンです。
しかし、他のテクニカル分析ツールと同様に、三角保ち合いも100%の精度で機能するわけではありません。
三角保ち合いは、市場の方向性が定まらない局面で形成されることが多いため、大きな相場転換の前兆となる可能性があります。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき三角保ち合いの知識を深めていただければ幸いです。