【テクニカル分析】ローソク足とダウ理論~ダウ理論とは?

コラム

From:編集部 小早川

株式投資やFXで利益を上げるためには相場を読む必要があります。

特にレンジ相場は全体の7割を占めるといわれ、レンジ相場を見極めることができれば投資での勝率を上げられるでしょう。

レンジ相場を見極める方法はたくさんありますが、今回は初心者の方でも簡単に利用できるダウ理論について説明をします。

わかりやすく紹介しますので参考にしてください

ダウ理論とはトレンドを見極める理論

ダウ理論は、19世紀のアメリカのジャーナリストであるチャールズ・ダウが提唱した株式市場の動向を予測するための理論です。

株式市場の動向を予測するための理論ですが、FXでも十分利用ができます。

この理論には、主に以下の3つの原則が含まれています。

  • トレンドは継続する傾向にある
  • 相場は全ての情報を織り込んでいる
  • 主要なトレンドは、その方向性を変えるまで続く

トレンドは一般的に以下のように動きます。

出典:外為どっとコム

それではダウ理論の特徴を見ていきましょう。

ダウ理論の特徴

ダウ理論の主な特徴は3つです。

  • トレンドは継続する傾向にある
  • 相場は全ての情報を織り込んでいる
  • 主要なトレンドは、その方向性を変えるまで続く

ダウ理論のそれぞれの特徴についてわかりやすく説明します。

トレンドは継続する傾向にある

トレンドは、為替市場の上昇や下落の方向性を表します。ダウ理論では、トレンドは継続する傾向にあるとされています。

上昇トレンドの場合、為替は徐々に上昇していきます。このような上昇トレンドの場合、為替は、順番に高値・安値を形成していきます。ダウ理論では、これを「山型」と呼びます。

下降トレンドの場合、為替は徐々に下落していきます。このような下降トレンドの場合、為替は、順番に安値・高値を形成していきます。ダウ理論では、これを「谷型」と呼びます。

相場は全ての情報を織り込んでいる

為替市場は、多くの投資家の取引によって成り立っています。

そして、それらの取引には、様々な情報が反映されています。ダウ理論では、相場は、全ての情報を織り込んでいるとされています。

主要なトレンドは、その方向性を変えるまで続く

ダウ理論では、トレンドは、継続する傾向にあるとされていますが、それに加えて、主要なトレンドは、その方向性を変えるまで続くとされています。

上昇トレンドは、山型で形成されますが、トレンドの転換点で、一度、安値をつけた後、安値を下回る場合、下降トレンドに転換します。

同様に、下降トレンドは、谷型で形成されますが、トレンドの転換点で、一度、高値をつけた後、高値を上回る場合、上昇トレンドに転換します。

主要トレンドは3段階

出典:ryoushi-trader

ダウ理論のトレンドは「先行期」「追槌期」「利食期」の3段階に分類しています。

先行期は少数の投資家が底値で買っているだけで、まだ大きなトレンドが出ていない状況です。

このタイミングで購入ができれば、大きな利益につながりますが、なかなか読むのが難しいのが現実になります。

追随期はトレンドが形成されていると気づいたトレーダーの一部が購入を始めている局面になります。このタイミングで購入ができれば十分な利益が狙います。

利食い期は先行期のトレーダーが利食いに入っているタイミングになります。このタイミングで購入してしまうと、その後下落に転じる可能性が大きいため、利益は出しづらいです。

このように、トレンドのタイミングを読むことができれば、大きな利益につなげることができるのです。

しかし、ダウ理論は、株式相場を念頭に作られているため、FXには当てはまらないと言う方がいます。

なぜなら、売買高はダウ理論においては非常に重要だからです。

株式取引の場合、売買高を気にしない方はいないと思いますが、FXの場合、売買高を気にする人は逆に少ないかもしれません。

しかし最近は売買高についても向上しているFX会社がありますので、ぜひ参考にするようにしてください。

トレンドは明確な転換サインが出るまで続く

これはダウ理論の中で最も重要な理論です。トレンドは明確なサインが出るまで続くということになります。

多くの株式投資家やFXトレーダーはトレンドが出てもすぐに利確してしまう傾向にあります。

なぜならすぐにトレンド転換が起こると思ってしまっているからです。

しかし実はそんなことはありません。明確なトレンド転換のサインが出ない限り、トレンドは長く続くものです。トレンドフォローは最も利益を出しやすい方法になりますので、しっかり覚えておくようにしましょう。

ダウ理論におけるブレイクアウト

ダウ理論におけるブレイクアウトとは、為替レートがある範囲(レンジ)から抜け出すことを指します。

このレンジは、一定期間内に形成された価格帯のことで、しばしば支持線と抵抗線で囲まれたレンジとして表現されます。

ブレイクアウトが発生すると、価格が一気に急騰したり、急落したりすることがあります。

ダウ理論では、ブレイクアウトは、トレンドが形成される前に起こることが多く、次のトレンドの方向性を示唆することがあるとされています。

以下は、ブレイクアウトの例を示した図です。

この図では、為替が上昇トレンドにあるときに、一定期間内に形成された価格帯の上限(抵抗線)に触れた後、抵抗線を上抜けすることで、ブレイクアウトが発生しています。

このブレイクアウトにより、為替は急騰し、次の上昇トレンドが形成されました。

ブレイクアウトのポイントは、価格が既存のレンジを抜け出すことです。

このポイントを確認するには、一般的には高い出来高が伴うことが望ましいとされます。また、ダウ理論においては、ブレイクアウトが起こった場合、そのトレンドは持続する可能性が高いとされています。

ダウ理論の注意点

ダウ理論は、為替市場における為替の動きを分析する上で有用なツールの1つですが、以下のような注意点もあります。

過去のデータを基にしているため、将来の為替動向を完全に予測することはできない

ダウ理論は、過去の為替の動きを基にしているため、将来の為替動向を完全に予測することはできません。

市場環境が変化すると、過去のデータから予測されるトレンドが崩れることがあります。そのため、ダウ理論を使用する場合には、常に市場環境や経済情勢を注意深く監視し、現状に応じた判断をする必要があります。

テクニカル指標としてのみ使用すると、誤解が生じることがある

ダウ理論は、為替チャートを基にして分析するため、テクニカル指標の1つとして使われることがあります。

しかし、為替市場は複雑な社会現象であり、単一の指標だけで為替の動きを予測することは困難です。

ダウ理論を使用する場合には、為替チャートの分析とともに、ファンダメンタル分析を組み合わせて判断することが望ましいです。

チャートの解釈は主観的であるため、正確な判断が難しい場合がある。

ダウ理論は、チャートのパターンを基にして為替動向を予測するため、解釈によっては正確な判断が難しい場合があります。

チャートの形が変化するだけでなく、同じ形でも解釈が異なる場合があるため、分析の正確性を保つためには、トレンドやパターンを見つける能力を磨く必要があります。

個別の通貨ペアに対してはあてはまらない場合がある

ダウ理論は、為替市場全体のトレンドを予測するために使用されます。

個別の通貨ペアに対してはあてはまらない場合があります。個別の通貨ペアを分析する場合には、ファンダメンタル分析とともにテクニカル分析を行うことが必要です。

大衆心理を読むことで、レンジ相場がトレンド相場かを見極められる!ダウ理論は、大衆心理を読むのに最適!

チャートは大衆心理を表すものであり、大衆心理を読めればレンジ相場がトレンド相場かを見極められます。

ダウ理論はチャートを読むことで、大衆心理をつかむことが可能です。なぜなら、チャートは大衆心理を表したものになるからです。非常に簡単に大衆心理を読めるダウ理論を身に付けて、テクニカル分析の役に立てていただければ幸いです。