From:編集部 小早川
2024年11月5日にアメリカ大統領選挙が行われます。世界中が注目をしていますが、ハリス氏、トランプ氏のどちらが勝つか全く予断を許しません。
もしハリス氏が大統領になれば、環境問題への意識が強いため「核融合」銘柄が上昇すると予測されます。
核融合って聞くと、一見怖いイメージがあるかもしれません。でも安心してください。
核融合は、軽い原子核同士がくっつく際に生じるエネルギーを利用した発電方法のことです。
原子力を使っているといった意味では、今までの原発の一種といえますが、従来の原子力はウランやプルトニウムなどの重い原子を使っていました。
一方、核融合発電は水素やヘリウムなどの軽い原子を使って発生させるエネルギーなので、
安全性が高く、資源が尽きないメリットがあります。
この記事では、ハリス氏が大統領になった場合に上昇が期待できる環境に優しい核融合銘柄を6つ紹介をします。
わかりやすく解説しますので参考にしてください。
おすすめの核融合銘柄6つ
核融合は日本がかなり力を入れている分野で政府の投資も受けているので、今後期待できます。
岸田前首相も施政方針演説において、カーボンニュートラル実現への技術的選択の1つとして核融合を挙げていました。
この章では有望な核融合銘柄を紹介します。
東洋炭素
まず1社目は東洋炭素です。炭素製品を製造・販売する大手企業で、世界トップクラスのシェアを誇る黒鉛製品をはじめ、セラミックスやガス製造装置を手掛けています。
黒鉛は、潤滑性や導電性、耐熱性、耐薬品性などの特性を活かして、鉛筆の芯、新幹線のパンタグラフ、F1カーのブレーキパッド、アルミホイルなどに使われています。
この黒鉛が核融合のキーポイントになるかもしれないといわれており、非常に優れた黒鉛材料を使ってCCコンポジット材のCX-2002Uや等方性黒鉛IG-430Uというものを研究しているのです。核融合エネルギーの早期実用化に貢献出来る可能性があるようです。
核融合炉の限界な環境に耐えうる特性を持ち、技術的な課題の解決に大きな役割を果たすことが期待されています。
CX-2002Uは、カーボンフェルトに熱炭素分解して高密度化させた高熱伝導材料です。
プラズマ・イオン/電子線に対する除熱特性を必要とする核融合炉に使うために開発された特別な材料になります。
IG-430Uは、高温ガス炉で実績のあるIG-110より高密度、高強度、高熱伝導を追求して開発された等方性黒鉛です。
核融合の無尽蔵なエネルギー源の実現に大きく貢献することが期待されているのです。
東洋炭素の株価チャートになります。
IHI
2社目はIHIです。造船業が起源の総合重工業グループで、航空エンジンを主力事業としています。
IHIはITER(国際熱核融合実験炉プロジェクト)に向けて、世界最大級の超臨界ヘリウム循環ポンプを開発しました。
このポンプはITERの超伝導コイルを冷却するための装置で、約マイナス269℃の超臨界圧ヘリウムを扱える設計となっています。
日本の量子科学技術研究開発機構の施設で実施された危険な実負荷試験でその性能と信頼性が確認されたすごい技術なのです。
IHIは内閣府が主導している核融合発電の実現を目指している約50社が参加する産業協議会にも参加しています。
IHIの株価は以下の通りです。
三菱重工
3社目は三菱重工。三菱重工を一言でいうと、防衛の何でも屋さんです。
艦艇、戦車、地対空誘導弾システムなどをはじめ、産業制御システム向けサイバーセキュリティ対策も手掛けています。
日本の核融合の研究を引っ張っている企業で核融合エネルギーは、世界のエネルギー問題解決と地球温暖化対策に大きな可能性を秘めた究極のエネルギー源です。
実用化に向けた国際プロジェクトであるITER計画や核融合原型炉開発計画ITER計画では、
長時間プラズマ燃焼の実証と核融合炉工学技術の実証を目指しているんですね。
三菱重工は主に核融合炉のためのデータ取得を行っていて、これは核融合原型炉の建設のために極めて重要なことです。
そのほか、核融合炉本体や炉内容器の遠隔保守、トロイダル磁場本体の電磁力解析評価、ブランケット構造体の遠隔保守シナリオなどにも大きく貢献をしています。
原子力発電プラントメーカーとしての経験を踏まえ、一次冷却系やタービン周辺系といった設備の概念検討にも取り組んでいます。
三菱重工の株価は以下の通りです。
神島化学
4社目は神島化学。建材、化成品、セラミックスの3つの分野を事業の軸とする無機化学メーカーです。
創業以来培ってきた無機化学に関する知見を強みとしており、主力事業の窯業系建材では、不燃建材など、安全性の高い機能性やデザイン性の高い製品も手がけています。
日本の透明セラミックス技術は、単結晶では困難だった大型結晶の製造を可能にし、
さらに異なるドーパントのYAG同士の接合も実現しています。
この技術は、大きさだけでなく形状もさまざまな要望に対応して柔軟に対応できる
特徴を持っているのです。
この大型接合セラミックスは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた二つの重要なプロジェクトに貢献しています。
一つはJAXAが主導する「宇宙太陽光発電システム」、もう一つは大阪大学や世界の研究機関が進めている「慣性核融合発電システム」です。
特に「慣性核融合発電システム」は、現在の電力不足や環境問題を解決する可能性を秘めた革新的な技術です。
このシステムでは、水素などの燃料にレーザーを直接照射して核融合をするのですが、
神島化学の「レーザー用YAGセラミックス」は、このシステムのレーザー発振媒体として重要な役割を果たしています。
核融合発電は、いまの発電システムをはるかに超える発電量を実現し、温室効果ガスや放射線の排出も少なく、クリーンで環境に優しい次世代エネルギーシステムです。
大阪大学やラザフォード・アップルトン研究所をはじめとする世界中の研究機関と協力しながら、様々なニーズに対応する技術開発に取り組んでいます。神島化学の株価は以下の通りです。
アルバック
最後5社目はアルバック。真空技術をコア技術として、真空装置や周辺機器、材料の開発・製造・販売を行う会社です。
クライオポンプというものが、核融合に貢献をしていて、核融合技術において非常に重要な役割を担う真空排気装置です。
極低温を利用して気体分子を作るまたは吸着することで真空を作る装置で、核融合装置内部で必要とされる超高環境真空を実現するために必要な技術になります。
核融合反応を起こすためには、プラズマを非常に高温かつ高密度にする必要がありますが、
同時にこのプラズマを真空容器内に閉じ込める必要があります。
この容器内の残留ガスを効率的に排気し、プラズマへの悪影響を考慮して不純物を除去する役割を果たしているのです。
アルバックのクライオポンプの特徴は、高い排気速度と大きな排気容量が挙げられます。
これにより、核融合装置内の真空度を高レベルで維持することができ、プラズマの安定性と持続時間の向上が期待できます。アルバックの株価は以下の通りです。
まとめ
今回はハリス氏が大統領になった場合に上昇が期待できる核融合銘柄について紹介をしました。あまり聞きなじみがない銘柄かもしれませんが、その分事前に知っておくと大きな上昇が期待できるかもしれませんので、ぜひ注目してください。
11月5日ハリス氏、トランプ氏どちらが大統領になるか注目です。