From:編集部 黒木
S&P500はアメリカの優良企業が約500社で構成される株式指数です。世界経済を牽引するアメリカの優良企業にまとめて投資できるためS&P500指数への投資は非常に人気があります。
しかし人気があるからといって、内容をよく知らないままの投資はおすすめできません。S&P500への投資が人気なのは、指数の内容やパフォーマンスに加えて有名投資家が推奨している点もポイントです。
S&P500指数の特徴やパフォーマンスに加えて、人気の理由を解説します。これからS&P500への投資を考えたい人や、すでに投資をしているけど指数の内容をよく知らない人は参考にしてください。
1.S&P500とは
S&P500を算出し運営しているのはアメリカのS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社です。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社は世界的な格付け機関であるS&P社と、株価指数の算出において歴史がありビジネス情報などを提供するダウ・ジョーンズ社を母体としている会社になります。
S&P社は世界中の国や企業の格付け評価し国債や社債など債券の安全性情報を提供しています。S&P社の格付けは投資の世界において非常に影響力があり、債券投資には必須の情報となります。また、国債の格付けは一国の財政除隊にとても大きな影響を与えるため、過去にアメリカや日本が格下げされたときには、大きなニュースとして取り上げられました。またダウジョーンズ社はニューヨーク・ダウ指数の開発で有名な企業でもあります。
S&P500社はS&Pダウ・ジョーンズ社が数多く算出するインデックスの一つです。
ニューヨーク証券取引所、アメリカン取引所、ナスダック取引所に上場している企業の中からアメリカを代表する企業を500社選出して算出される、時価総額加重平均型の株価指数です。アメリカを代表する企業であることが組み入れの条件であり、アメリカの取引所に上場していても、アメリカ企業でない場合は構成銘柄の対象にはなりません。
2.S&P500が注目される理由
アメリカは世界経済の中心であり牽引役でもあります。アメリカのGDPは世界のGDPの約4分の1を占めます。さらにアメリカ市場の株式時価総額は、世界の株式時価総額の約4割程度のシェアです。S&P500指数はアメリカの代表的な企業500社で構成されており、アメリカ経済の好調さをダイレクトに反映する傾向があり、世界から注目される指数となっています。
優良企業が多いため、景気が良いときに上昇が期待できることに加えて、景気が悪いときには株価が下落しづらい、下値抵抗力の発揮も期待されます。
また、著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、投資のプロではない人に対してS&P500への投資を推奨する発言をしており、自分の妻にも資産をS&P500で運用するようアドバイスしています。投資の世界で神様と崇められるバフェット氏が推奨する投資方法であることもS&P500への投資の人気を高めている要因といえます。
3.S&P500の構成銘柄
構成業種と比率
業種 | 比率 |
テクノロジー | 29.1% |
金融 | 12.9% |
ヘルスケア | 12.7% |
一般消費財 | 10.7% |
通信サービス | 8.6% |
S&P500に組み入れられる業種の特徴は、テクノロジー関連企業が約3割と多いことです。テクノロジー企業はマイクロソフトやアップルなど時価総額の大きいアメリカを代表する企業が多いため、S&P500の構成にも大きな影響を与えています。その他には金融やヘルスケア、一般消費財関連の業種が構成の上位に位置します。
構成銘柄TOP10と比率
銘柄 | 概要 |
マイクロソフト | WindowsやOfficeが有名、AI関連としても話題 |
アップル | iPhoneやiPadを製造する企業 |
アマゾンドットコム | ネット通販最大手、クラウド関連でも先行 |
エヌビディア | 成長著しい半導体企業、AI関連銘柄としても期待 |
アルファベット A株 | Googleの親会社、A株とは株式の種類 |
メタプラットフォームズ | 旧フェイスブックが社名を変更 |
アルファベット C株 | Googleの親会社、C株とは株式の種類 |
テスラ | 電気自動車大手、電力システムも製造 |
バークシャーハサウェイ | 著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資会社 |
ユナイテッドヘルス | 世界最大のヘルスケア企業 |
構成銘柄の上位を見ると、マイクロソフトやアップルなど誰もが知る世界的な企業が上位に名を連ねています。まさに世界経済を牽引する企業の集まりといえるでしょう。
4.S&P500のパフォーマンス
S&P500のパフォーマンスを見てみましょう。上記のグラフは過去5年の推移です。2018年末を2,506ポイントで引けたS&P500は、2023年12月22日現在で4,754ポイントまで上昇しています。この期間の上昇幅は2,248ポイント(+90%)、年率に直すと単純平均で約+ 17%となります。
同様にアメリカを代表する指数であるナスダック100とニューヨークダウを比較対象として入れています。真ん中の青い線がナスダック100です。赤い線がナスダック100、一番下の緑の線がニューヨークダウになります。
S&P500は長期的に見ると、ナスダック100ほどのボラティリティ(変動率)の高さがなく、安定的に高成長していることが特徴的です。
5.S&P500投資の注意点
ここからはS&P500に投資をする際の注意点を紹介します。
投資商品と手数料
S&P500に投資する場合、国内外ETFや投資信託、CFDとさまざまな選択肢があります。ETFであれば市場取引での売買、投資信託であれば毎日1回算出される基準価格での約定するなど商品ごとに取引ルールと手数料が異なります。自分に合った商品を選んで投資するようにしましょう。
為替リスク
S&P500の構成銘柄は米ドル建てで売買されます。日本から投資をおこなう場合、円を米ドルに交換した上で投資をおこなうため為替リスクが発生します。為替が円安になれば投資のパフォーマンスにプラスの要因、円高となればマイナス要因となります。
5.まとめ
S&P500指数は世界経済の中心であり牽引役であるアメリカを代表する企業を、500社選出して構成された株式指数です。
アメリカ経済や世界経済の好調さをダイレクトに反映する指数であり、優れた企業が多いため景気が悪いときにも下落に対する抵抗力の発揮が期待されます。著名投資家であるウォーレン・バフェット氏もS&P500への投資が優れていることを認めています。
S&P500への投資方法には、国内外のETFを利用する方法や投資信託を購入する方法などがあります。販売会社や手数料などよく確認して投資をおこないましょう。