エヌビディアの第3期決算の内容について徹底紹介!注目のブラックウェルに黄色信号?

コラム

From:編集部 黒木

エヌビディアが2024年11月20日に第3期決算を発表しました。

エヌビディアはアメリカを代表する半導体企業で、巨大ハイテク企業7社を指すM7(マグニフィセント・セブン)にも入っています。

M7はアップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、テスラから構成をされており、米国の代表的な株価指数であるS&P500における7社の寄与度は大きく、時価総額の3割を占めます。

このように大きな影響力を持っているエヌビディアの最新の決算について、今回は詳しく解説をしますので参考にしてください。

決算の基本内容をみていきましょう

出典:エヌビディア決算資料

決算内容は悪くなかったが株価は下落

決算期売上高営業益税引前益最終益修正1株益1株配発表日
2023.118,12010,41710,5229,2430.3702023-11-21
2024.0122,10313,61514,10612,2850.4902024-02-21
2024.0426,04416,90917,27914,8810.60.012024-05-29
2024.0730,04018,64219,21416,5990.670.012024-08-28
2024.135,08221,86922,31619,3090.780.012024-11-20
前期比93.62.1倍2.1倍2.1倍2.1倍

今後の見通し

  • 収益は375億ドル(プラスマイナス2%)
  • GAAP および非 GAAP の粗利益率はそれぞれ 73.0% および 73.5% (プラスマイナス 50 ベーシス ポイント) 
  • GAAP および非 GAAP の営業費用は、それぞれ約 48 億ドルと 34 億ドル

このように内容は総じてよかったですが、時間外の株価は下落をしました。

エヌビディアには高い期待がかけられており、もう少し良い内容の決算を期待していたアナリストが多かったのが主な要因と思われます。

エヌビディアの次世代AI半導体「ブラックウェル」、熱問題で出荷遅延の懸念

エヌビディアが開発した次世代AI処理用半導体「ブラックウェル」シリーズにおいて、深刻な技術的課題が浮上していることが明らかになりました。

米テクノロジーメディア「ジ・インフォメーション」の報道によると、この革新的な半導体チップは、大規模なサーバー環境での実装時に重大な問題を引き起こしているといいます。

ブラックウェルGPUは、最大72個のチップを搭載できる高密度サーバーラックでの運用を想定して設計されています。

しかし、実際の運用テストにおいて、これらのチップが生成する熱が当初の予測を大きく上回り、効果的な冷却が困難であることが判明。

この問題に対応するため、エヌビディアは過去数ヶ月にわたり、サーバーラックのメーカーに対して設計の見直しを要請している状況が続いているようです。

市場への影響

2024年3月に華々しく発表されたブラックウェルは、当初第2四半期での出荷開始が予定されていました。

しかし、この熱問題により、出荷スケジュールの大幅な遅延が避けられない状況となっています。

この遅延は、メタ、グーグル親会社のアルファベット、マイクロソフトといった主要テクノロジー企業の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性が指摘されています。

 

この問題は急速に成長するAI市場において、高性能コンピューティングが直面する技術的な課題を浮き彫りにしています。

特に、より高性能かつ高密度なAIチップの開発において、熱管理が重要な技術的障壁となっていることを示しました。

エヌビディアは現在、この課題の解決に向けてしっかりと取り組んでいますが、具体的な解決時期については明らかにされていません。この状況は、世界的なAI開発競争において重要な転換点となる可能性があるでしょう。​​​​​​​​​​​​​​​​

第二次トランプ相場でどのような注目を集めるのか

トランプ氏が大統領選挙に勝利をしたことで、エヌビディアにどのような影響を与えるのか心配している方も多いのではないでしょうか?

トランプ氏は経済成長のために減税やアメリカ国内への産業回帰を行うのではないかと見られています。

減税はエヌビディアにとってプラス要因ですが、アメリカ国内への産業回帰については対応が求められることになるでしょう。

なぜなら、現在のエヌビディアのサプライチェーンは台湾に依存しているため、米国内に製造拠点を移すには時間とコストがかかると予測されるからです。

また、トランプ氏は、対中国強硬路線を取ると見られているため、中国への輸出規制の強化やビジネス展開に制約が生じる可能性もあります。

しかし、中長期的に見れば、減税や規制緩和などの経済を重視したトランプ氏の政策は、エヌビディアにとってもプラスに働く可能性が高く、さらなる株価上昇が期待できそうです。

生成AIやデータセンターの需要は今後も増加していくと見られるためエヌビディアの技術は必要不可欠です。

まとめ

今回はエヌビディアの第3期決算の内容とブラックウェルについて詳しく解説をしました。

 第3期決算の内容は決して悪い内容ではなかったものの、市場の期待が高すぎて、エヌビディアの株価は下落しました。また、ブラックウェルに黄色信号が出ていることで、今後の動向が懸念されます。

しかし、エヌビディアの半導体に関する技術は世界中で必要とされており、問題が解決すれば株価は大きく上昇することが期待できます。このタイミングでの投資を検討してみてはいかがでしょうか?