ステーブルコインの基本解説 〜デジタル資産市場における「安定性」の追求〜

コラム

From:編集部 小早川

デジタル資産市場において、ステーブルコインは今や不可欠な存在となっています。

複雑な暗号資産の世界の中で、ステーブルコインは比較的理解しやすいのが特徴です。

ステーブルコインは米ドルなどの既存の資産と価値を連動させることで、安定した価格を維持する仕組みにあります。

ビットコインやイーサリアムといった、価格が大きく変動する従来の暗号資産とは一線を画すのが、ステーブルコインの最大の魅力となっています。

今回の記事では、ステーブルコインについて詳しく解説をします。わかりやすく解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。

ステーブルコインとはそもそもなに?

2014年に考案されたステーブルコインは、当初はあまり注目を集めませんでした。

理由は、暗号資産の利用者が限定的だったことと、市場ニーズとの不一致が挙げられます。

しかし、スマートコントラクト・プラットフォーム、特にイーサリアムの登場により、状況は一変します。

2015年7月のイーサリアムのローンチ以降、ブロックチェーン技術の世界的な普及とともに、ステーブルコイン市場は爆発的な成長を遂げました。

2017年にはわずか10億ドル未満だった時価総額が、2024年春には約3500億ドルにまで拡大。この成長は、安定した価値を持つデジタル資産への強い需要を示しています。

ステーブルコインには主に2つのタイプがあります。この2つのタイプについて理解しておけば、とりあえずステーブルコインについては問題ありません。

法定通貨担保型

政府発行通貨や短期国債などによって担保される仕組みです。

テザーのUSDTやサークルのUSDCが代表例で、1:1の交換が可能な設計となっています。

発行体は、発行したステーブルコインと同額の法定通貨を準備金として保有しているのが特徴です。

暗号資産担保型

他の暗号資産を担保として発行される方式で、メーカープロトコルのDAIが代表例です。

価格変動リスクに対応するため、発行額を上回る担保(超過担保)が必要となります。

スマートコントラクトによる自動化された管理システムにより、透明性の高い運営を実現しています。

ステーブルコインの主な用途とは?

ステーブルコインの主な用途について解説をします。

  • 価値保存手段としての活用
  • 国際送金の効率化
  • DeFiプラットフォームでの利用

わかりやすく解説をしていますので、参考にしてください。

価値保存手段としての活用

市場変動が激しい時期に、一時的な避難先として機能します。他の暗号資産からステーブルコインに資産を移すことで、価値を維持することが可能です。

国際送金の効率化

従来の銀行送金と比べて、低コストで迅速な決済が可能です。特にクロスボーダー送金において、非常に優位性が高く多くの利用者がいます。

DeFiプラットフォームでの利用

貸借や取引の基盤として広く使用され、分散型金融(DeFi)エコシステムの発展に貢献しています。

安定した価値を持つことから、様々な金融取引の基準通貨として機能しているのが特徴です。

主要なリスク要因

ステーブルコインの主なリスク要因についてまとめました。

  • カウンターパーティーリスク
  • 規制リスク
  • 技術リスク

ステーブルコインのリスク要因についてもしっかり理解しましょう。

カウンターパーティーリスク

法定通貨担保型の場合、発行体の信用リスクに直接さらされます。

2023年3月のシリコンバレー銀行破綻時には、USDCが一時的に1ドルのペッグを外す事態が発生しました。

規制リスク

各国で異なる金融規制の対象となっており、規制環境の変化が事業運営に影響を与える可能性があります。

しかし、トランプ氏が大統領に就任することで、規制については緩和される可能性が高いです。なぜなら、トランプ氏は暗号通貨に積極的とされているからです。今後、さらに市場が広がる可能性があるでしょう。

技術リスク

暗号資産担保型の場合、スマートコントラクトの脆弱性が問題となる可能性があります。また、ブロックチェーンネットワーク自体の技術的な問題もリスク要因となります。

今後の展望と課題

ブロックチェーン技術の普及に伴い、ステーブルコインの重要性は更に高まると予想されます。しかし、対応すべきことも多いので注意が必要です。

  • 規制対応の強化
  • 技術的な安全性向上
  • リスク管理の徹底

ステーブルコインの今後の展望と課題についても理解しておきましょう。

規制対応の強化

各国の規制当局との協調を図りながら、適切な規制環境を整備することが求められています。特に利用者保護の観点から、準備金の管理や透明性の確保が重要です。

技術的な安全性向上

スマートコントラクトの安全性向上や、システムの冗長性確保など、技術面での継続的な改善が必要です。

リスク管理の徹底

市場リスクや信用リスクに対する管理体制の強化が求められます。特に、市場の急激な変動に対する耐性を高めることが重要です。

まとめ

今回はステーブルコインについて解説をしました。

ステーブルコインは暗号資産市場において重要な地位を確立しています。ステーブルコインの特徴とリスクを正しく理解することは、デジタル資産市場に関わるすべての人々にとって重要な課題となっています。

技術の進化と市場の発展に合わせて、ステーブルコインの役割は今後も拡大していくことでしょう。