【株相場】12月のアノマリーについて徹底解説!

コラム

From:編集部 黒木

株式市場における12月のアノマリーについて、この記事では詳しく解説をします。

アノマリーとは「規則性」のことで根拠は無いですが、何故か起こりやすい事象のことです。

アノマリーは必ず起こるものではありませんが、知っておくと株式投資の参考にはなります。

それでは、12月のアノマリーについて見ていきましょう。

12月の日経平均株価は「サンタラリー」で上昇しやすい

12月は「サンタラリー」として知られる上昇相場が期待できる月です。

特に日本株式市場では、年間を通じて最もパフォーマンスの良い月の一つとして注目されています。

日経平均株価の月別の騰落率は以下の通りです。

騰落率
1月0.017
2月0.0036
3月0.0094
4月0.0162
5月-0.06%
6月0.0087
7月-0.38%
8月-0.11%
9月-0.42%
10月0.0022
11月0.0105
12月0.0091

※1953年から2024年の日経平均株価の騰落率:筆者作成

このように12月は11月、3月に次いで3番目に上昇率の高い月です。ではなぜ12月は日経平均株価が上昇しやすいのでしょうか?

主な理由は3つあります。

  • 機関投資家の行動
  • 企業の自社株買い
  • 個人投資家の動向

それぞれの理由について詳しく解説します。

機関投資家の行動

機関投資家の年末行動は、日経平均株価の動きに大きな影響を与える要因の一つです。

年金基金は年末に向けて資産配分の調整を行うため、株式の買い増しが発生することがあります。

また、企業年金も12月は新規資金の流入が増える傾向にあり、これらの資金が株式市場へ流入するため、株価が上昇しやすい傾向にあるようです。

特に、年金基金による株式の組み入れ比率の引き上げは、大型株を中心に需給面での下支え要因となります。

年末の決算対策も日経平均株価に大きな影響を与えるのをご存知でしょうか?

機関投資家は年間のパフォーマンス改善を目的として、含み損を確定させる「損切り売り」や含み益を確定させる「益出し」を行う傾向にあります。

機関投資家の運用を担当している担当者は1年での結果を求められる傾向にあるため、少しでもパフォーマンスを改善するためにこのような行動を行う傾向にあるのです。

企業の自社株買い

企業の自社株買いも12月に日経平均株価が上がりやすい理由の1つです

多くの企業が第3四半期(10-12月期)の業績見通しが固まってくるこの時期に、余剰資金の活用策として自社株買いを選択することが多くなります。

特に、3月期決算企業の場合、株主還元策の一環として年末に自社株買いを実施するケースが目立ちます。

これは、株価の下支えとなるだけでなく、株主価値の向上にもつながる動きなので、投資家にとっては非常にありがたい行動です。

個人投資家の動向

個人投資家の動向も重要です。

12月は冬のボーナス支給時期と重なることから、個人投資家の市場参加が活発化します。

特に、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)への投資も年末にかけて増加する傾向があります。

これは、確定拠出年金の掛け金が年末に集中することや、NISAの投資枠を使い切ろうとする動きが出るためです。

特に12月に上がりやすい業界とは

12月は年末商戦への期待から、小売業や消費関連株が堅調な推移を示すことが多くなります。

また、電機やIT関連株も、年度末に向けた企業の情報システム投資需要の増加期待から、買い需要が高まりやすいです。

さらに、建設や不動産といった年度末の需要増加が見込まれる業種も、この時期に注目されます。

12月の投資の注意点

一方で、12月に特集をする際に注意すべき要因もいくつか存在します。

まず、月末にかけては年末年始の休暇で、市場参加者の取引が手控えられる傾向があります。

これにより、出来高が減少し、株価の変動性が高まる可能性があるので注意しましょう。

また、米国のクリスマス休暇や年末年始の休暇により、海外投資家の取引も減少します。

日本株式市場において重要なプレイヤーである海外投資家の不在は、マーケットの流動性低下につながる可能性があり、特に小型株で影響が出やすいです。

さらに、12月は年末の株式分配金や配当の権利落ちが集中する時期でもあります。

これにより、見かけ上の株価下落が生じることがあるため、個別銘柄の値動きを見る際には注意が必要です。

特に、配当利回りの高い銘柄では、権利確定を狙った短期的な売買が活発化することがあります。

年末の為替動向も重要な要素です。多くの企業が12月末の為替レートを期末の決算に反映させるため、為替の急激な変動は企業業績への影響を通じて株価にも影響を与える可能性があります。

まとめ​​​​​​​​​​​​​​​​

今回は12月の日経平均株価のアノマリーについて紹介をしました。

アノマリーは必ず当たるものではありませんが、規則性を知っておくのは株式投資を行う上で重要です。

サンタラリーが起こる可能性が高く、日経平均株価が上昇しやすい12月は投資をする時期としては非常に良いといえるでしょう。

今回の記事を参考にしていただき、12月以外の株式のアノマリーについても興味を持っていただければ幸いです。