【業種別】円高が株価に与える影響について徹底解説!

コラム

From:編集部 小早川

2022年から始まった円安は、一時1ドル160円台まで進みました。

一般的に円安は、輸出に頼る日本経済にとって良いことだと思われている方が多いかもしれません。

一方、円高に関しては、海外旅行に行く際は有利ですが、株価には悪い影響を与えると思っている人も一定数いらっしゃるでしょう。

しかし、円高や円安は業種によって大きく受ける影響が異なります。

そこで今回の記事では円高が株価に与える影響について解説をします。わかりやすく紹介をしますので、ぜひ参考にしてください。

業種別・シチュエーション別!円高が株価に与える影響とは?

円高が株価に与える影響について、業種別とシチュエーション別に説明をします。

  • 輸出企業の場合
  • 輸入企業の場合
  • 海外進出を考えている企業の場合
  • インバウンドに頼っている観光業などの場合

それぞれの業種別やシチュエーション、別に円高が株価に与える影響についてわかりやすく解説をします。

輸出企業の場合

自動車や電子機器・半導体などの輸出を主としている企業の場合、円高によって輸出による収益が減少するため、一般的に株価は低くなります。

なぜ円高になると、輸出による収益が減少するかというと、例えば10,000ドルで商品を販売する場合、1ドル160円の場合は160万円の売り上げになりますが、1ドル140円だと140万円の売り上げにしかなりません。

このように輸出企業の場合は、円高になると収益が減ってしまうため、株価は一般的に低くなりますので注意しましょう。

輸入企業の場合

エネルギー関連企業や商社など輸入を主としている企業の場合、円高は良い影響を与えます。

円高は外国通貨に対して日本円の価値が上がる状態です。

例えば、1ドル=160円から1ドル=140円になると、同じ1ドルを得るために必要な円の金額は少なくなります。

輸入企業にとっては、海外から商品や原材料を購入する際、同じドルの価格でも円に換算すると、仕入れコストは安くなるため、利益率は向上しやすいです。

利益率が向上すると、当然株価にも良い影響を与えるため、輸入企業の場合は円高になると、株価は上昇しやすい傾向にあります。

海外進出を考えている企業の場合

海外進出を考えている企業の場合、円高は株価に良い影響を与えやすいです。

なぜなら、円の価値が高くなるため、海外企業の買収などを低い価格でしやすいからです。

円の価値が高くなるため、円換算での現地での調達価格も低くなるため、これから海外進出を考えている企業にとって円高は株価に良い影響を与えやすいので覚えておいてください。

インバウンドに頼っている観光業などの場合

インバウンドに頼っている観光業などの場合、円高はアゲインストになります。

なぜなら、円高になると、海外からの旅行客が減ってしまうからです。

例えば、10,000ドルを1ドル160円の時に円にすると、160万円を手にすることができますが、1ドル140円だと140万円になってしまいます。

つまり、円高になればなるほど、円にすると手にすることができる円は少なくなってしまうため、海外の人は日本に旅行をしづらくなってしまうのです。

2025年3月現在は1ドル150円程度と、ここ20年で考えると、大きな円安傾向にあるため、海外の旅行者が増えているので、インバウンドは増加し続けています。

もし今後、円高傾向が続けば、観光業の収益を圧迫してしまい、株価を大きく下げてしまうかもしれません。

円高によって大きく株価を上昇させた企業を具体的に紹介!

過去に円高によって大きく株価を上昇させた企業を具体的に紹介をします。

  • ニトリホールディングス(3923)
  • 大阪ガス(9532)
  • 良品計画(7453)

それでは、チャートをもとにわかりやすく解説をします。参考までにドル円のチャートも載せておきます。

出典:GoogleFinance

ニトリホールディングス(9843)

出典:GoogleFinance

ニトリホールディングスは、家具を中心に販売をしている会社です。皆さんも利用したことがあるのではないでしょうか。

ニトリホールディングスは主に海外から家具を輸入しているため、円高は業績に良い影響を与えます。

近年は、日経平均株価など、株価全体が上昇をしているため、円安でも株価は上昇していますが、基本的には円高の時に強い銘柄とされています。

大阪ガス(9532)

出典:GoogleFinance

大阪ガスも円高によって業績がプラスになりやすい企業です。

大阪ガスは液化天然ガスを海外から輸入しており、円高になることによって仕入れ価格を抑えることができます。

こちらも、近年は日本株全体が上昇していることもあり、株価を上昇させていますが、基本的には円高がプラスになる企業なので覚えておきましょう。

良品計画(7453)

出典:GoogleFinance

良品計画は、無印良品を展開しており、無印良品の商品の40%は海外から輸入をしているため、基本的に円高がプラスに働きやすい企業です。

こちらも近年の日本株の上昇によって円安になっても株価は上昇させていますが、円高がプラスになることが覚えておきましょう

まとめ

今回は円高が株価に与える影響について解説をしました。

日本経済全体で見ると、自動車産業などが日本経済を引っ張っているため、円高は基本的に株価に悪影響になります。

ただし、今回紹介をしたニトリや良品計画など輸入を主にしている企業にとって円高はプラス要因に働くので覚えておいてください。

一概に円安が日本株に良い影響を与えるわけではありませんので、株式投資をする際の参考にしていただければ幸いです。