
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
5月3週目の相場が終わりました。ここまで連騰で、相場は上昇トレンドを継続していましたが、週の後半は少し失速しました。
しかし、振り返れば今週の日経平均は小幅ながらも5週連続で上昇。米国株を週間ベースで見ても続伸中で、1ヶ月半前の”トランプ関税ショック”は完全に過去の話になりました。来週も期待したいですね!
では、今日も相場を振り返りましょう。
【米国株】ダウは3日ぶりに反発、ナスダックは7日ぶりに小反落
昨日の米国ですが、主要3指数が高安まちまちの展開となりました。
ダウ平均は前日比271ドル高の42,322ドルと3日ぶりに反発。S&P500も24ポイント高の5,916ポイントで小幅に4日続伸。ナスダックは34ポイント安の19,112.32ポイントとなり、7日ぶりに反落しました。
昨日出てきた2つのデータは、今週の相場のハイライトだったと思います。それが小売売上高とPPI(業者のインフレデータ)ですね。
4月の小売売上高が前月から大きく低下、しかし市場予想を上回ったことで景気減速懸念がやや緩和しました。PPIは予想外に低下し、関税によるインフレ懸念が後退しました。
ここ最近のマーケットで警戒しているのが金利高で、米国だけでなく日本や欧州も上昇トレンドにあります。金利高の局面は警戒ですが、今回の結果をうけて米長期金利が低下したのは良かったです。
こちらは直近1ヶ月のS&Pですが、いよいよ節目の6,000に接近ですね。

業種ごとで見ていくと、昨日は11業種中8業種が上昇しました。特に公益事業と生活必需品が強く、不動産やヘルスケア、素材なども上昇でした。
一方で、一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、ハイテクが下落。やや資金はディフェンシブ銘柄へシフトしました。SOX半導体も下がりましたね。
個別株を見ても、ユナイテッドヘルスは司法省の捜査報道で続落。ここ1ヶ月ほどで株価は半分以下に、、
そしてウォルマートの決算が出ましたが、売上増加。関税のコスト増で今後は値上げする方針を発表しました。
他にはメタはAI「Behemoth」の開発が遅れているとの報道から2.3%下落。農業機械メーカー大手のディアも決算を発表し、売上もEPSも増加。ガイダンスでは見通し下振れも期待感から買われて上昇しました。
他にも主力企業を見るとAmazon、ネットフリックス、コストコ、VISA、ボーイングなどが上昇。
ボーイングはカタール航空から最大210機を受注との報道もあり、ここ1ヶ月で30%ほど上昇しています。引き続き防衛株の中心銘柄ですね。

米国株がまちまちのなか、今日も日本市場もオープンしました。
【日本株】日経平均は小幅続落、週間では250円高
今日の日経平均は前日比1円安の37,753円となり、3日続落となりましたが下落幅は小さいです。
米国のハイテク株安の流れから半導体株を中心に下げました。
朝の寄付き前に発表された2025年1~3月期の国内実質GDPが前期比年率0.7%減となり、4四半期ぶりにマイナス成長となったこともネガティブ材料になりましたね。
日本の先行きはかなりネガティブで、消費者信頼感などのデータを見ても上値が重く、とてもじゃないですがこの流れで利上げするのは難しいです。
かといって何もしなければ円安も進んでいくので、前に進めず後ろにも下がれず、です。加えて、為替が円高進行となって売りが重なりました。
後場に入ってからも方向感のない展開となりましたが、米国株先物が上昇したことや、円高進行の一服から小さく反発する場面もありました。しかし、前日終値付近で停滞、そのまま今週の取引を終えました。
日経平均は週間では250円高となり、週後半にかけてはもみ合いになったものの、前週比プラスで取引を終えましたね。
売買代金は4兆4706億円。プライム市場の値上がり銘柄は52%、値下がり銘柄は43%でした。
来週、加藤財務大臣がカナダで開催予定のG7会合の場でも、米ベッセント財務長官と協議するようです。

出典:ブルームバーグ
日本株は今週で決算のピークを抜けました。これであとは関税ですね。無事に着地してくれたら、もう少し相場に安心感も出るはず。でも繰り返しですが、ノーダメージで終わることはないと思います。輸出関連、気をつけましょうね。
業種ごとで見ると、今週は海運株の巻き返しが目立ちました。週間で最もパフォーマンスが良かったのが海運で、倉庫運輸、証券、銀行と続きます。
弱かったのは医薬品で、日米ともに売りが続いていますね。次に弱かったのが水産農林、石油石炭、不動産でした。
日本の関税も気になりますが、インド、EU、韓国などもどう着地するか見ておきたいところ。日経平均がここからさらに上抜けにはさらなる材料が必要です。
来週は大手損保3社の決算発表が予定されていて、23日金曜は消費者物価指数(CPI)も出ます。20日から22日にかけてG7の会合ですね。
これらのイベントを受けて、為替の変動が予想されるので、マーケットにも影響が出ると思いますね。
では、来週もいい波乗っていきましょう!