
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
今日のマーケットも好調でしたね。米国株も続伸、そして前日の強い地合いを引き継ぐ形でスタートした日経平均も3日続伸に。GWの連休前に少しずつマーケットの方向感が固まってきました。
米中貿易摩擦の緩和報道もあり、円安進行もあり、4月初旬の関税ショックを取り返す展開です。
それでは、今日のマーケットを振り返りましょう。
米中の歩み寄りが円安・株高を後押しして日経平均35,700円台へ
ここ最近マーケットが荒れていたのは米中がバチバチしてるからですよね。
トランプと習近平による、世界経済を巻き込んだバトルで各国のマーケットが揺れ動き、米国テックも200日移動平均線を割れるなど大きく崩れました。日本の主力も同じですね。
しかし今週の市場を支えた最大の材料は「中国が米国からの一部輸入品に対する関税の適用除外を検討」との報道。
トランプ政権が打ち出した追加関税の対抗措置として注目されていて、ここ数日の報道で「米中が一触即発の状態から対話モードへ」とシフト。
トランプ関税ショックで不安定な相場でしたが、まさに冷や水を浴びせるようにガラッと相場の雰囲気が変わり、リスク回避姿勢は後退。マーケット全体にポジティブなムードが広がりました。
日経平均35,705円、TOPIXも続伸。中国関連株が急反発
では、まず日本株から振り返りましょう。
日経平均は+666円高の35,705円で取引を終えました。TOPIXも前日比+1.3%の2,628ポイントと続伸。しっかりと相場を支えました。グロース250も+1.3%の667ポイントでした。
半導体などハイテク株に買いが集まり、ディスコや東京エレクトロン、アドバンテストなど強かったですね。あとは三菱重工などの防衛株、任天堂やトヨタなどもしっかりと。
昨日大きな赤字(予想の約10倍の赤字!)を発表した日産も材料出尽くしから上げましたね。
また、中国が一部の商品で対米輸入関税を引き下げる流れになりつつあり、物色されたのは中国関連銘柄。
今日は村田製作所やファナックなどが上昇するなど、関税リスクの直撃を受けていた銘柄に買いが集まりましたね。
また今日はニデックも上昇。25年3月期の営業利益見通しを発表し、2期連続の最高益を更新する見込みで、今日は12%も上昇しました。
一方で、内需ディフェンシブ系はやや調整ムード。資金がリスクオン銘柄へとシフトしているのが感じられますね。
為替は円安進行で、ドル円143円後半まで届きました。
今週のハイライトは日米財務大臣の会談でしたが、特に大きな進展はなしで、為替の話も出てこなかったとのことで、これもマーケットは好感。(本当に話してないのか?と疑問ではある)

出典:NHK
トランプ関税も緩和したのでは?なんて雰囲気もありますが、どのタイミングで実行に移されるのかは依然として不透明。これは引き続き来週もですね。株高・円安に楽観しすぎるのはまだ早いかと。
来週は日本企業の決算発表がピークを迎え、自社株買い・増配・最高益といった好材料に期待したいところ。
または為替の逆風が影響するか、直近の業績だけでなく次以降のガイダンスにも注目したいですね。
来週は火曜が祝日、そしてGWです。今日も伸び悩む場面もあったものの、雰囲気は悪くないので、来週にも期待しましょう。来週はビッグイベント目白押しです!
今日の売買代金は4兆4020億円で、売買高も戻ってきていますね。
米国株は利下げ期待でハイテク主導の続伸、ドルは全面安
次に昨日の米国株も見ていきます。昨日も続伸してダウ+1.23%、S&P500+2.03%、ナスダック+2.74%。3指数ともそろって上昇となりました。
11業種中10業種が上昇し、生活必需品のみが下落しました。
FRB高官の利下げ期待もあり、ハイテク株が主導する相場になりましたね。反撃の一日でした。
これでトランプ関税が発動された今月初旬以来の高値にタッチしました。
クリーブランド連銀のハマック総裁は、経済の方向性について「説得力のあるデータがあれば6月利下げの可能性」も示唆。ウォラーFRB理事も同様の発言もありました。
これらの発言を受けて米国債利回りは低下。2年債利回りは3.7%台へ。10年債も4.2%台へと下げました。
米国も決算が続いており、昨日は半導体のテキサス・インスツルメンツが市場予想を上回るガイダンスを発表。これで6.6%上昇しました。IBMは売上高と利益が市場予想を上回ったものの、株価は下落しました。
Googleも業績好調でガイダンスも強気、自社株買いも発表するなどいい結果に。時間外でも上昇しました。インテルも決算でしたが、こちらはガイダンスが見通しに届かず、時間外で下落しています。
向川の視点:4月最終週へ
来週はかなり刺激的な1週間になりそうです。
まず日本企業の決算がピーク。日立製作所やレーザーテック、コマツ、東京エレクトロン、JR東日本、村田製作所、商船三井、HOYAや三井物産など主力企業の決算が続きます。
米国もハイテク企業など主力決算が続きます。ゼネラル・モーターズ、マイクロソフトやメタ、アップルやアマゾンなどなど。
そしてトランプ関税が緩和するのかどうか。赤沢大臣はまた渡米するみたいで、日本時間5月1日にベッセントとの2回目の交渉のようです。
他にもいつもの月初の重要な経済データも出てくるし、さらに日銀会合もひかえており、週末は雇用統計です。痺れる展開ですね。
日経平均は36,000円ー38,000円のレンジに回復できるかどうか。ここは3月相場で揉みあっていたところですね。
4月最終週、最後まで慎重に行きましょうね。では、来週もいい波乗っていきましょう!