「ETFと投資信託の違いが分からない」
「ETFってよく耳にするけど何か知らない」
株式投資に興味を持っている人の中には、まだETFや投資信託などのさまざまなワードの仕組みについてあまり理解していない人もいるかもしれません。
この記事では、ETFの基礎的情報と投資信託との違いについて詳しく解説します。
その他にも、ETFに向いている人の特徴やETFのメリットとデメリットについても解説するので、ぜひ記事の内容を参考にETFについて詳しく理解しましょう。
ETFとは
ETFとは「Exchange Traded Fund 」の略称で、日本語で「上場投資信託」を意味します。
ETFは、文字通り上場しているため、通常の個別銘柄と同じように証券会社で価格を見ながら取引することが可能です。
また、ETFは日経平均株価やNYダウといった特定の指数に連動している点が特徴となっています。
さらに、ETF自体が投資信託同様に複数の銘柄で構成されているため、1つのETFに投資するだけで分散投資が可能です。
株式投資にあまり知識のない人でも、低リスクで投資を行えるため、ETFは投資初心者にも人気の金融商品となっています。
ETFと投資信託の違い
ETFは投資信託の1つなので、分散投資が可能であるという点では似た特徴をもった金融商品であると言えます。
しかし、ETFと投資信託には異なる点もいくつかあるため、今回は大きな違いである以下の5つについて解説します。
- 価格変動
- 注文方法
- 銘柄数
- 手数料
- 信託報酬
価格変動
ETFと投資信託では、価格変動のタイミングが大きく異なります。
ETFは、株式の銘柄と同じように開場中は、リアルタイムで価格が変動します。
そのため、自分の買いたい価格で商品を保有することが可能であり、相場を見ながら決済することも出来ます。
しかし、一般的な投資信託は、一日に一回しか価格が変動しないため、注文が約定するのは翌営業日になってしまいます。
注文した時は、どの価格で約定するかが分からないため、仮に注文後に経済情報の影響で相場の値動きが思わぬ方向に急遽変化する可能性もあります。
このように、リアルタイムで価格が変動するETFと一日に一度だけ価格が変動する投資信託では、価格変動のタイミングが大きく異なると言えます。
注文方法
ETFは、取引所に上場している株式と同様に、あらかじめ価格を設定して注文できる「指値注文」が行えます。
指値注文では、注文自体を取り消したり、設定価格を自由に変更できるため、仕事などで価格を確認出来ない場合でも安心して取引できます。
しかし、株式と同じように、絶対に設定しておいた価格で注文が約定するわけでは無いため、注意が必要です。
さらに、ETFはリアルタイムで価格が変動するので、現時点の価格で購入できる「成行注文」も利用できます。
一方で、投資信託は、注文が約定するのが翌営業日であるため、指値注文のように価格を指定した注文ができません。
そのため、投資信託は一日に一度更新される価格を見て、翌営業日のおおよその価格を予想して注文する必要があります。
銘柄数
ETFと投資信託では、取引できる銘柄数が大きく異なります。
投資信託は、およそ6,000銘柄程度あるのに対して、ETFはわずか250銘柄と非常に少なくなってしまいます。
また、投資信託は取引場所によって、取り扱っている銘柄が異なるため、会社によっては銘柄数が少ない場所もあるため、注意してください。
それに対して、ETFは、銀行では取り扱われていませんが、どの証券会社でもほぼ全ての銘柄を取り扱っています。
どちらの投資を行うにしても、取引会社を選ぶ際は、あらかじめ各会社がどのくらいの銘柄数を取り扱っているかを調べておきましょう。
売買手数料
ETFは、株式と同じように購入時と売却時にそれぞれ手数料が掛かります。
ETFの売買手数料は、証券会社によって異なるため、コストをなるべく抑えたい人は、売買手数料に注目して取引する会社を選びましょう。
ネット証券では、売買手数料が安い傾向にあり、オンライン上で手続きを済ませられるので、非常におすすめです。
一方、投資信託は購入時に「申込手数料」がかかり、購入金額に設定されている率を掛けた分が負担額となります。
さらに、売却時には「信託財産留保額」という手数料がかかります。
「申込手数料」と「信託財産留保額」はそれぞれ取引銘柄によって異なり、中には手数料がかからない銘柄もあるため、購入前に調べておくことが大切です。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託を運用するときにかかる手数料を指し、保有日数が長いほど手数料は高くなります。
信託報酬は、銘柄によって異なりますが、ETFは取引会社への手数料が必要ないため、全体的にETFの方が安い傾向があります。
信託報酬があまりにも高い銘柄を運用すると、取引で利益が出たとしても、あまり稼げない危険性が高いです。
そのため、あらかじめ長期的に保有する予定がある場合は、信託報酬が安い銘柄を選ぶといいでしょう。
ETFのメリット
少額から始められる
通常の株式と比較して、ETFは最低購入単価が安く設定されています。
日経平均株価に連動するタイプの銘柄で、比較的安いものだと、2,000円程度で購入することが可能な銘柄があり、その他にも数千円〜数万円で購入できるものがほとんどです。
そのため、少額資金で取引を始めることが可能で、投資信託よりも手数料が安いため、厄介なコストの心配も必要ありません。
さらに、株式と異なり、企業が破綻することによる暴落リスクや企業の成長を計る指標の分析も必要ないため、初心者でも無理なく始められるでしょう。
1銘柄から分散投資が可能
株式投資の世界では、1つの銘柄だけでなく複数銘柄に資産を分けて投資する「分散投資」が鉄板の手法です。
分散投資をすることで、集中投資の場合よりも、1つの銘柄が大きく崩れた時に、損失額を抑えられるため、退場リスクを下げられます。
しかし、ETFでは1つの投資対象が複数の銘柄によって構成されているため、1つに投資するだけで分散投資になります。
そのため、わざわざ複数の投資対象を選ぶ必要が無く、1つ分の投資資金で分散投資できるため、少額資金で十分に運用できます。
ETFのデメリット
株主優待が無い
ETFは投資信託と同様に、株主優待を受け取ることは出来ません。
株主優待の対象になるためには、株主優待を実施している企業の株を直接購入・保有している必要があります。
仮に、企業の株が投資しているETFの構成銘柄に入っていたとしても、ETFを購入しているだけでは企業の株を保有していることにはならないため、優待の対象にはなりません。
自動で積立投資が出来ない
個別株の場合は、証券会社によって、毎月自動で設定した金額を購入し、積み立てを行ってくれる「自動積立サービス」が提供されています。
毎月手作業で積み立てていくことや積み立てするタイミングを考えるのが面倒であるといった人は、自動で設定した金額が積み立てられていくため、非常に助かります。
しかし、ETFには自動積立サービスが存在しないため、積立投資を行いたい場合は、自力で毎回購入する必要があります。
ETFがおすすめな人
ETFは先ほど紹介したように、少額資金から始めることが可能でありながら、ETF自体が複数銘柄で構成されているため、分散投資も自動的に行えることになります。
そのため、株式投資に対しての知識や経験が浅い投資初心者や個別銘柄を1つずつ選ぶことが面倒な人に非常におすすめです。
また、リアルタイムで売買できるので、一日で取引が成立する「デイトレード」や数日間でトレードが完結する「スイングトレード」も可能です。
投資信託では、出来ないトレード手法であるため、短期的にトレードを行いたい人にもETFがおすすめです。
投資信託がおすすめな人
ETFでは、自動積立が出来ないため、毎月同じ額で積み立てを行いたい人は、自動積立の利用が可能である投資信託がおすすめです。
また、ETFは連動している指標との乖離率が投資信託よりも低いため、比較的安定した運用ができる点がメリットと考えられています。
しかし、より高い利益のある運用を目指す場合は、相場の値動きがアクティブである投資信託がおすすめです。
その他にも、投資信託の方が取り扱っている銘柄数が多いため、あらかじめ明確な投資対象やジャンルがある人は、投資信託が向いているでしょう。
ETFの売買手順
ETF購入の基本的な流れを紹介します。
取引成立まではおおよそ4つのステップがあります。
- 証券会社で口座開設する
- 購入したい銘柄を選ぶ
- 注文する
- 相場を見極めて決済する
それぞれのステップについて詳しく解説します。
証券会社で口座開設する
まずは、取引する証券会社を選び、口座開設しましょう。
ETFは、証券会社によって売買手数料が異なるため、取引コストを少しでも安く済ませたい人は、売買手数料が安い会社を選ぶことが大切です。
証券会社には実店舗型やネット型の会社など、さまざまな種類が存在します。
実店舗型の会社では、実際にお店でアドバイザーに相談できるため、投資知識がない人でも安心して取引できます。
一方、ネット型の証券会社は、売買手数料が安く、全ての手続きがオンライン上で簡単に済ませられるため、すぐに取引を始めたい人におすすめです。
また、口座開設には以下の書類が必要になってきます。
- マイナンバー確認書類
- 本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、パスポート、各種年金手帳等)
- 印鑑
- 金融機関口座
どれか1つでも不備があった場合は、口座開設できないため、あらかじめ用意しておきましょう。
購入したい銘柄を選ぶ
口座開設が完了し、入金を済ませたら購入したい銘柄を選びましょう。
ETFを選ぶ際の基準はいろいろありますが、代表的な選び方は「流動性」と「乖離率」の2つになっています。
ETFは、リアルタイムで価格が変動し、好きなタイミングで売買できる点がメリットです。
しかし、流動性が少ない銘柄であると値動きの幅が狭かったりとメリットを最大限に活かすことが出来ません。
同じ連動指標のETFでも銘柄によって、出来高や流動性が異なるため、同じ連動カテゴリーの中でも、なるべく出来高や流動性が高い銘柄を選ぶと良いでしょう。
また、ETFの価格と連動している指標の数字の乖離率が大きい銘柄は、指標が下ぶれた際にETFの価格が大きく下がってしまう危険性があります。
そのため、乖離率が小さいETFほど下落リスクが低いので、安定した運用が目指せます。
注文する
購入したい銘柄を選び終わったら、相場の値動きを見て好きなタイミングで注文しましょう。
平日の市場が開いている時間であれば、買いたいタイミングで成行注文が可能ですが、土日祝日は休場であるため、指値注文しか出来ません。
しかし、相場が動いていない土日祝日は、俯瞰的に相場の値動きを分析できるため、効果的に指値注文を入れることが可能です。
さらに、ETFは個別銘柄と違い破綻リスクが無く、分散投資になっているため、平日に相場を確認出来ない会社員の人でも、比較的安心して運用できるでしょう。
また、エントリー条件や損切り基準などをあらかじめ設定しておくと、より安定的に運用できるため、トレードルールを作ることをおすすめします。
相場を見極めて決済する
ETFを購入したら、相場を見ながら売却するタイミングを計りましょう。
売却タイミングは、その人の利益目標やトレード環境によって異なりますが、保有日数が長くなると信託報酬が増えていくので、保有期間も考慮しなければいけません。
せっかく利益のあるポイントで決済したにも関わらず、信託報酬によって利益が大幅に減るといったことが無いように、ある程度保有期間を決めておくといいでしょう。
また、当然ですが、購入した銘柄が下落していく危険性もあるため、下落した時の決済タイミングなどの想定を前もってしておくことで、落ち着いて決済できます。
まとめ
今回は、ETFの基礎知識と投資信託との違いやETFのメリットデメリットについて解説しました。
ETFは、1つの投資対象が複数の個別銘柄によって構成されているため、1つに投資するだけで分散投資になります。
また、最低購入金額が2,000円からの商品もあるため、少額資金で損失リスクを抑えながら運用することが可能です。
しかし、ETFには株主優待や自動積立サービスが無いため、優待目的や積立投資が目的の人には、あまりおすすめできません。
今回解説した、ETFのメリット・デメリットやETF・投資信託に向いている人を参考に、自分に合った金融商品で、投資を始めてみてはいかかでしょうか?