
テクニカルアナリストの向川a.k.aチャートの向こう側です。
引き続き日米ともに重い相場が続いています。今週は特にイベントがなく、ここまでの上昇の利確売りに押されているかたちですね。
相場こうして上げ下げを繰り返しながら動くため、この下落は健全な流れですから、安心して見ておきましょう。むしろこうゆう時にちゃんと見ておくから次の転換をとらえられます。「相場は連ドラ」ですからね。
では、今日のマーケットを振り返りましょう。
【米国株】大幅続落。長期金利上昇と小売業の決算が重しに
昨日のマーケットは主要3指数が揃って大幅に続落しました。
米20年債の入札が不調となり長期金利が上昇。以前から警戒している金利高の流れがイヤな雰囲気を作っています。
ダウ平均は前日比816ドル安の41,860ドルで引けました。S&P500は95ポイント安の5,844、ナスダックは270ポイント安の18,872で引けています。
こちら米国10年債。

また、欧州ECB(中央銀行)がトランプ関税によって世界の金融システムにリスクがあると指摘しました。
さらにトランプが進める減税法案が、米国債務をさらに悪化させるとの懸念もあり、マーケットは嫌気しました。
また、大きく売られたところからリバウンドしていたユナイテッドヘルスが急落。これがダウを押し下げましたね。
ハイテクも大きく売られましたが、アルファベットの上昇からナスダックは一時プラスへ。しかし買いは続かず下落しました。
業種ごとで見ると11業種中10業種が下落、特不動産やヘルスケア、金融が下げました。一方、コミュニケーション・サービスのみが小幅に上昇しています。
Googleが上昇したのはAIを用いた検索サービス「AIモード」を全米に提供すると報道があったことですね。
一方、ディスカウントストア大手のターゲットは第1四半期決算で売上・EPSともに市場予想を下振れし、5%ほど下落しました。
米国は株安、ドル安、国債利回り上昇(価格下落)となり、トリプル安となって昨日の相場を終えました。
【日本株】日経平均は313円安で続落。37,000円を割れる。
さて、では日本マーケットも見ていきましょう。
米国のトリプル安から今日も売り優勢でスタート。37,000円を割れるのは5/8以来となりました。
序盤は押し目買いもあって、巻き返す雰囲気もありましたが、為替が円高に振れたこともあって上値は重かったです。
今日は値下がり銘柄が1,100になり、全体の6割を超えました。33業種中、27業種が下落。日経平均は367円安の36,931円で引けました。TOPIXは15ポイント安の2,717、グロース250は2ポイント安の713で引けています。
まだ強かったのは非鉄金属や海運、医薬品など。
こちらドル円チャートですが、円高が止まりません。

日本の金利も上昇中で、さらに今週は日米の為替協議もありました。特に大きな進展はなかったのですが、23日には3回目の協議もあるようで、円高の流れがどこまで進むのか、はっきり見えていません。これもマーケットを重くしている要因と言えますね。
個別株を見ると、今日は京成電鉄が10%ほど下げました。直近の決算も業績はよかったですが、市場の期待には届かず売られましたね。
そして古河電気も続伸ですね。昨日の中期経営計画でAI向けの製品の受注が増えるとの見方から買いが増えました。
そしてメタプラネットも続伸。ビットコインが上昇しており、値上がりによって収益拡大が見込まれるため、買いが集まりました。
他にも今日は防衛株もしっかりと。売買代金トップの三菱重工も続伸で3,000円を超えてきました。半導体も強いわけではないですが、まちまちですね。
明日は日本の消費者物価指数も出ます。そして4月の全国百貨店売上高も出てきます。
売買代金は4兆935億円で、ギリギリ4兆円にのせました。プライム市場の値上がり銘柄は31%、値下がり銘柄が65%でした。
向川の視点:CPI発表と日銀の動向を見ておく
日本株は先週半ばから売りに傾き、米国も上昇が一服ですね。
明日の消費者物価指数ですが、市場予想では上振れ予想で出ています。
日銀は利上げに慎重ですが、インフレ進行であれば追加利上げの観測も強まるでしょう。かといってできるかどうかは別で、この経済状況ですからね、、
進むこともできず、戻ることもできず、難しいハンドリングを迫られていますが、日本株の展望を考えるうえで、今の状況はおさえておいたほうがいいでしょう。
では、明日もいい波乗っていきましょう!