デイトレーダーに必要な資金はどれくらい?初心者からプロまで解説

コラム

「デイトレーダーになりたいけど必要な資金が分からない」

「初心者はいくらからトレードを始めるべきなのか知りたい」

株やFXなどの金融商品への投資に興味を持っている人の中には、自分がトレードするにはいくらが適切なのか分からない人もいるでしょう。

この記事では、経験年数別のデイトレーダーに必要な資金やデイトレーダーになるうえで大切なポイントについて詳しく解説します。

その他にもデイトレーダーのメリットやデメリットについても解説するので、自分がデイトレーダーに向いているか判断する参考にしてください。

デイトレーダーとは

デイトレーダーとは、株やFXなどの金融商品での取引を1日の中で完結させる「デイトレード」を手法として用いている投資家です。

トレード手法は、その他にも、数日間かけて取引を完結させる「スイングトレード」、数か月以上の取引を行う「ポジショントレード」があります。

中・長期的な保有をすることで取引しない日も多い2つの手法とは対照的に、デイトレードは1日に何度も取引を行って利益を出す手法です。

また、デイトレードは非常に短期的なトレードであるため、企業情報や経済状況などの知識よりも、相場の動きを正しく分析できる力が必要になってきます。

デイトレーダーのメリット・デメリット

メリット

デイトレーダーの最大のメリットは、資金効率の良さです。

中・長期的なトレードは、長い時間保有し続けた結果、一時は大きな含み益があったにも関わらず、最終的に利益を得られない場合も頻繁にあります。

それに対して、デイトレードは、小さな値幅を狙ってコツコツと安定的に利益を狙っていくため、少額資金でも着実に利益を増やしていけます。

さらに、どんな状況でも一日でポジションを決済するので、翌日に持ち越したことが原因で大きな損失を抱えるリスクを抑えることが可能です。

デイトレードは一度に狙える利益が小さいですが、損失も少ないため、精神的にも安定してトレードできる点もメリットです。

デメリット

デイトレーダーの最大のデメリットは、相場の値動きを細かく確認していないといけない点です。

デイトレードは、相場の細かい値動きを見て、エントリータイミングを探るため、相場を見ないで取引することは、とても難しい手法です。

さらに、一度に何度も取引を行うため、多くのプロデイトレーダーは取引時間中、常に相場を確認できる状態で取引を行っています。

また、株式投資の場合、取引可能時間が平日午前9時〜11時30分、12時30分〜15時までと非常に限られています。

FXの場合、平日であれば24時間取引可能ですが、相場を長時間確認するだけでも集中力が必要なため、かなり大変です。

そのため、平日に仕事がある会社員の人は、細かく相場を確認することが難しいため、デイトレーダーには向いていない可能性があります。

デイトレーダーの必要資金

経験年数・トレード環境別でのデイトレーダーの必要資金を解説します。

今回は、以下の3段階に分けて解説するので、自分の環境に近い必要資金を参考にしてください。

  • 初心者デイトレーダー
  • 副業・数年の経験のあるデイトレーダー
  • 専業デイトレーダー

初心者デイトレーダー

初心者デイトレーダーの必要な資金は10万円程度です。

トレード経験が無い状態で、いきなり数百万以上の大きな資金でトレードを始めると高確率で資金を無くしてしまう危険性があります。

株やFXでは、1枚数千円で取引できる口座や銘柄があるため、数万円から取引を始められます。

数万円の資金の場合、得られる利益は少なくなりますが、トレードで失敗する危険性も減少します。

初心者デイトレーダーは、目先の利益を得ることよりも、なるべく損失を抑えながら、トレード経験を積むことを優先しましょう。

また、デモトレードでも経験を積むことも出来ますが、実際に自分の資金で取引する場合とデモの場合では緊張感が大きく異なります。

将来的に、少しでも大きな資金でトレードしたい人は、自分の資金が増減する緊張感に慣れるためにも、なるべく少額資金で経験を積みましょう。

副業・数年の経験のあるデイトレーダー

副業・数年の経験のあるデイトレーダーは、300万円程度の資金でトレードすることを推奨します。

数年のトレード経験がある場合、多少の資金の増減には慣れてきているため、数百万程度の資金でも落ち着いてトレードできるでしょう。

副業デイトレーダーは、目標利益やトレード環境によって必要な資金は変わりますが、今回は、月に10万円程度の利益が欲しいトレーダーを仮定します。

資金が100万円の場合は毎月10%程度の利益率、200万円の場合は毎月5%程度出す必要があります。

しかし、利益率が毎月5%以上のデイトレードは、少しハイリスクかつ多くのトレード時間を要するため、副業には向いていない可能性が高いです。

また、デイトレードでリスクを抑えつつ、月に安定して出せる利益率はおおよそ3%程度となります。

そのため、月に10万円程度の利益を求める場合、約300万円ほど用意すれば達成できるでしょう。

専業デイトレーダー

専業デイトレーダーの必要資金は、約1,000万円程度になります。

専業デイトレーダーは、トレードの利益だけで生活しなければいけないため、少なくとも平均年収程度が必要と仮定します。

国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、令和3年度(2021年度)の国民の平均年収は443万円でした。

副業の際と同じように毎月3%の利益率で、平均給与の443万に近い利益を出すためには、少なくとも約1,000万円近くが必要になります。

しかし、副業の場合よりもトレードに多く時間が取れる点から、より高い利益率を出せる可能性もあります。

そのため、自分の年間利益目標とトレード技量のバランスを考慮して、目標が達成できそうな資金で挑戦することが大切です。

デイトレードの始め方

デイトレードの始め方は、4つのステップがあります。

  1. 取引会社を選ぶ
  2. トレードルールを決める
  3. 取引銘柄を選ぶ
  4. 実際にトレードする

それぞれのステップについて解説します。

取引会社を選ぶ

まずは、トレードする金融商品に関連する取引会社の中から自分に合った会社を選びましょう。

株式投資を始めたい場合は証券会社を選び、FXを始めたい場合はFX会社かFXを取り扱っている証券会社を選んでください。

証券会社やFX会社は、根本的な操作性やトレードの仕組みは同じようになっていますが、会社によって手数料やスプレッドが異なります。

また、会社によってメリットやデメリットがあるため、自分がストレスなくトレード出来る環境が作れるように、会社選びは慎重に行いましょう。

トレードルールを決める

会社選びが終わったら、実際にトレードを行いたいところですが、銘柄選びやトレードの前に必ずトレードルールを作りましょう。

デイトレードは一日に何度もトレードを繰り返すため、毎回適当にトレードを行っていると、安定的に資金は増えません。

特に初心者の間は、なかなか損切りが出来なかったり、損失が出た後に感情的にトレードを繰り返してしまうことがよくあります。

しかし、損切り位置やエントリー条件をあらかじめ設定するなどのトレードルールを設けることによって、初心者に多く見られる失敗が少なくなります。

安定的に利益を出しながら、なるべく資金を失わないためにも、損切りを含むトレードルールを作っておくことが大切です。

取引銘柄・通貨を選ぶ

トレードルールを作り終わったら、実際に取引する銘柄・通貨を選びましょう。

まずは、膨大にある銘柄・通貨から自分のエントリー条件に当てはまりそうな候補を探し、取引するものを絞っていくことが必要です。

しかし、取引銘柄・通貨を探しても、自分のエントリー条件に当てはまる候補が見つからない場合もあります。

そのような場合に、無理に候補を探してトレードすると、高い確率で失敗するため、候補が見つからない場合は、トレードは控えるようにしましょう。

もし、何日経ってもエントリー条件に当てはまる取引候補が見つからない場合は、エントリー条件が厳しすぎる可能性があるため、バランスよく調整する必要があります。

実際にトレードする

取引する銘柄・通貨が決まったら、トレードルールに則って取引しましょう。

保有したポジションは、必ず当日中に決済する必要があるので、どこで決済するかを考えておく必要があります。

そのため、ポジションを保有する前に、ある程度は利益確定の場所と損切りの位置を決めておくと取引しやすいです。

また、相場の値動きを見ながら、想定していた利益確定の場所を変更することは利益を伸ばす可能性が上がるため、その場に応じて判断しましょう。

しかし、損切り位置を変更することは、損失額を増やしてしまう危険性があるため、推奨できません。

デイトレーダーになるうえで大切なポイント

ここからは、デイトレーダーになるうえで大切なポイントについて解説します。

大切なポイントは以下の3つです。

  1. 余剰資金でやること
  2. 情報集や勉強は怠らないこと
  3. トレードルールを厳守すること

それぞれ解説していきます。

余剰資金でやること

「トレードで大きく利益を得たいから」や「いち早く専業デイトレーダーになりたいから」といった目的で、生活資金でトレードすることは絶対にやめましょう。

資金を失うリスクを知らないトレード初心者の中に、生活資金を使っている人が稀に見られますが、その多くは資金を失い相場から退場している傾向にあります。

また、トレード経験を少し積んだことによる気の緩みで、生活資金を使い、損失を出してしまった人も多く見られます。

生活資金でトレードすると、ポジションの損益に動揺してしまい、トレードルール通りの取引を行えなくなってしまいます。

そのようなトレードが続くと、安定的に利益を増やすことは不可能であるため、必ず生活資金を除いた余剰資金でトレードするようにしましょう。

情報収集や勉強を怠らないこと

デイトレードにおいて、情報収集や勉強は非常に重要です。

デイトレードに大きく影響する相場の状況は、常に変化します。

毎日相場を新しく分析しなおす必要があるため、分析に必要な知識も大切になってきます。

さらに、相場の値動きが急激に変動した場合は、経済指標や要人発言が原因なのかなど、相場がなぜ変動したのかを知っておくことでより相場への理解が深まります。

また、トレード経験を積んでいくと、トレード環境に慣れてしまうことで、つい分析や情報収集などの勉強を怠ってしまうかもしれません。

しかし、安定的に利益を得ている専業デイトレーダーの多くは、常に最新の情報収集や分析を怠らずに行っています。

最新の経済情報や相場状況は、SNSでも簡単に知ることができるため、ぜひすぐ調べてみてください。

トレードルールを厳守すること

デイトレードで安定的に利益を得るためには、必ずトレードルールを守って取引しましょう。

負けトレードや予期せぬ値動きで損失が出てしまった場合、つい感情的になってしまいます。

そのような場合でも、いつもと同じようにトレードできるためにトレードルールがあります。

トレードルールを守らずにポジションを保有してしまうと、損切りルールや利確位置なども決めにくくなってしまい、一度の過ちで取り返せない損失が出てしまうリスクが高いです。

そのため、トレードルールを守ることは、資金を守る一番の対策であり、長期的に利益を出すための最善の方法であると言えます。

まとめ

今回は、デイトレーダーに必要な資金を経験度・トレード環境別で解説しました。

また、デイトレードは相場の動きを正しく分析できる力が必要になってくるので、トレード経験を多く積むことが大切になってきます。

そのため、初心者は目先の利益よりも経験を積むために、まずは10万円程度の少額資金でトレードを始めることを推奨します。

今回解説したデイトレーダーになるうえで大切なことを参考に、自分の目標を達成できるようにトレードを行っていきましょう。