円安がメリットとなる関連銘柄5選!

コラム

「これから株式に投資しよう」とお考えの方にとって、数多くの銘柄の中からどの銘柄を選ぶかは重要な問題です。時代のトレンドや潮流に乗りそうな企業の株を購入できれば、将来的に株価が安定的に上昇する可能性が高いので、安心して保有できるでしょう。この記事では、2022年後半に突入した現在、円安が進行する中で押さえておきたい、要チェック銘柄について、詳しくご紹介したいと思います。

現状の為替動向と世界経済の現状

現在、急速な円安の流れが続いています。2022年9月には、24年ぶりとなる、1ドル140円台を付けました。1ドル140円台となるのは、1998年9月以来の出来事です。石油をはじめとする資源価格も、世界的なインフレを背景に先行き不透明な状況が続いています。また、ロシアによるウクライナ侵攻以降、国際的な食料価格も上昇傾向でインフレに拍車をかけています。

石油、ガスといった資源や食料について、海外からの輸入に頼っている日本は、円安による輸入物価の影響を受けて、さまざまな品物が値上がりしています。このような物価の上昇は、日本だけの問題ではなく、世界中で起こっているのが現状です。

米国と日本の金融政策の違い

米国では、歴史的な物価高騰に対応するため、2022年3月、米連邦準備制度理事会(FRB)がゼロ金利政策を解除し、2018年以来となる利上げを決定しました。その後も想定を上回るペースで物価が上昇していることを受け、6月に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、約27年半ぶりとなる大幅な利上げ(0.75%)を決定しています。

そんな中、日本銀行は2013年4月、「量的・質的金融緩和」を開始して以降、一貫して金融緩和政策を継続しています。石油や食料品の値上げが相次ぎ、日本国内でも物価が上昇している中、金融緩和を継続する日本銀行。米国と日本の金融政策は、現在真逆となっており、この政策の違いが円安をさらに加速する一因といわれています。

円安がメリットとなる企業とは

円安が進行している現状を踏まえて、株式に投資するとしたらどのような銘柄を選ぶと良いでしょうか。特に円安の恩恵を受けると思われる企業は、インバウンド関連企業や製造業、輸出関連企業です。今回はこの中から、インバウンド関連の企業に絞ってご紹介したいと思います。

インバウンドとは

インバウンドとは、訪日観光客のことを指し、彼らが日本国内で生み出す需要をインバウンド需要といいます。訪日観光客の受け入れが徐々に拡大する中で、その恩恵を受ける企業の株式を保有しておけば、将来的な株価の値上がりが期待できます。

2020年初頭から世界的な新型コロナウイルスの影響を受け、インバウンド需要は消滅していましたが、感染が始まる前までは「爆買い」に代表される旺盛な消費行動が、日本経済に好影響を与えていました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、厳しい水際対策を実施してきた日本でしたが、2022年6月、観光目的の訪日を部分的に再開しました。今後も水際対策は緩和される見通しなので、円安が進んでいる現状は、訪日外国人にとって、日本の品物を安く手に入れることができ、日本を訪れるきっかけとなるでしょう。

インバウンド消費の内訳

観光庁が2019年の訪日外国人の消費について分析した、「訪日外国人の消費動向」によると、2019年の 訪日外国人旅行消費額は4兆8,135億円。訪日外国人旅行消費額を費目別にみると、買物代が34.7%と最も多く、次いで宿泊費の29.4%、飲食費の21.6%となっています。

この内訳から、小売系企業やホテルや旅館といった宿泊関連企業、飲食系企業がインバウンド需要の恩恵を特に受けていることがわかります。次に、訪日外国人旅行における買物の場所を見てみると、「コンビニエンスストア」 (73.9%)、「空港の免税店」(59.8%)、 「ドラッグストア」(59.5%)、「百貨 店・デパート」(55.6%)、「スーパー マーケット」(48.2%)となっています。

次に、その費目を購入した人の 割合を見てみると、「菓子類」(69.5%)、「化粧品・ 香水」(42.2%)、「その他食料品・飲料・ たばこ」(38.0%)の順となっています。

円安がメリットとなる関連銘柄5選

ここからは、調査結果を踏まえ、インバウンド関連企業の中でも、小売系企業、宿泊関連企業、飲食系企業の中から注目したい銘柄を5選ピックアップしたいと思います。

デイトレードのように短期間で利益を確定するには、企業の情報を知ることはもちろん、株価チャートを分析する能力も必要ですので、投資初心者の方は、短期的な利益を狙わず、長期的な視点で企業の成長を見守る姿勢が大事です。

(株)ローソン

三菱商事の子会社で、高級スーパーとして知られる成城石井を運営しています。菓子類や化粧品、食料品、飲料、たばこといった、インバウンド消費をを満たす品物を取り扱っており、株価は横ばいの状態が続いており、配当利回りは執筆時点(9月19日)で3.21%と比較的高いのも魅力です。

(株)サンドラッグ

菓子類、化粧品はもちろん、医薬品も扱うドラッグストアの存在も要チェックです。物流や配送システムの効率化を図るなど、堅実な経営を行う企業として知られています。

(株)帝国ホテル

日本の首都として世界的な知名度を誇る東京。その都心部に位置し、皇室ともゆかりのある高級老舗ホテルです。コロナ禍で旅行需要が縮小する中、長期滞在型プランを打ち出すなど、社会の変化に柔軟に対応しています。

(株)京都ホテル

日本の歴史と文化に触れられる京都は、訪日観光客が訪れたい旅行先の一つです。そんな京都にある京都ホテルは、明治時代から続く老舗ホテルで、現在は「ホテルオークラ京都」と「からすま京都ホテル」を経営しています。

くら寿司(株)

日本の国民食として知られるお寿司を、手ごろな値段で提供している大手回転寿司チェーン。お客様の健康を優先するために、食材から添加物を排除する取り組みを行っており、健康意識の高い訪日外国人には魅力的に映ると思われます。