はじめまして、編集部の小早川です。
サイバーエージェントについてご存知でしょうか?サイバーエージェントは1998年に藤田晋氏が設立した日本屈指のIT企業です。
ITだけでなく最近はゲームやサッカーなどさまざまな分野に進出しており注目されています。
時価総額も大きく日本株に大きな影響を与えるサイバーエージェントについてしっかり理解しましょう。
沿革
まずはサイバーエージェントの沿革をみていきましょう。
1998年3月:東京都港区に設立
2000年3月:東京証券取引所新興企業市場(マザーズ)に上場
2004年9月:「Ameba」を開始
2009年4月:スマートフォンに特化した広告代理事業を行う「㈱CyberZ」を設立
5月:「㈱サムザップ」を設立し、ゲーム事業を本格的に開始
2011年5月:ゲーム事業強化のため「㈱Cygames」を設立
2012年6月:スマートフォン向け「Ameba」開始
2013年5月:クラウドファンディングサービスを行う「㈱サイバーエージェント・クラウドファンディング(現・㈱マクアケ)」を設立
2014年9月:東京証券取引所市場第一部へ市場変更
2015年4月:㈱テレビ朝日との共同出資により動画配信事業を行う「㈱AbemaTV」を設立
2016年4月:㈱AbemaTVにおいて、新しい未来のテレビ「AbemaTV(現・ABEMA)」を開局
2018年10月:Jリーグクラブ「FC町田ゼルビア」を運営する「㈱ゼルビア」のグループ参画
2022年4月:東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行
会社概要
サイバーエージェントは、インターネット関連の事業を中心に展開している会社です。主要事業は以下の通りです。
①メディア事業
メディア事業には、「ABEMA」、「WINTICKET」、「Ameba」などがあります。
売上高は1,411億円(前年同期25.9%増)、営業損益は115億円の損失計上(前年同期比8億円の改善)となりました。
②インターネット広告事業
インターネット広告事業には、インターネット広告事業本部、AI事業本部、㈱CyberZ等があります。
広告効果の最大化を強みに、過去最高の売上高を更新し、売上高は4,053億円(前年同期比10.2%増)、営業損益は183億円の利益計上(前年同期比25.1%減)となりました。
③ゲーム事業
ゲーム事業には、㈱Cygames、㈱Craft Egg、㈱サムザップ、㈱アプリボットなどがあります。
2021年のウマ娘などのスマッシュヒットなどの反動で売上高は1,791億円(前年同期比21.6%減)、営業損益は227億円の利益計上(前年同期比62.5%減)となりました。
④投資育成事業
投資育成事業にはコーポレートベンチャーキャピタル、㈱サイバーエージェント・キャピタルにおけるファンド運営などが属しており、売上高は3,198百万円(前年同期比27.9%減)、営業損益は1,840百万円の利益計上(前年同期比27.1%減)となりました。
⑤その他事業
その他事業には、㈱マクアケ、㈱リアルゲイト等が属しており、売上高は28,976百万円(前年同期比12.7%増)、営業損益は358百万円の利益計上(前年同期間16百万円の損失計上)となりました。
会社規模
時価総額:4,372億円(2023年11月2日)
売上高:7,202億円(2023年9月末)
経常利益:249億円(2023年9月末)
従業員:10,336人(2023年9月末)
業績
次に業績について見ていきましょう。2021年9月期の経常利益と最終利益が突出して高いですが、これは「ウマ娘」のスマッシュヒットの影響です。
ここ2年間はその反動で減益にはなっていますが、堅調な業績を続けています。
今後、インターネットテレビの「ABEMA」の投資回収が終わり、大きな利益を得る可能性があるので、今後に注目が集まっている企業です。
それではここ数年の決算内容について見ていきましょう。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 修正1株配 |
連 2020.09 | 478,566 | 33,880 | 33,863 | 6,608 | 13.1 | 8.5 |
連 2021.09 | 666,460 | 104,381 | 104,694 | 41,553 | 82.3 | 11 |
連 2022.09 | 710,575 | 69,114 | 69,464 | 24,219 | 47.9 | 14 |
連 2023.09 | 720,207 | 24,557 | 24,915 | 5,332 | 10.5 | 15 |
連 予 2024.09 | 750,000 | 30,000 | 30,000 | 8,000 | 15.8 | 15 |
2024年9月期の連結予想について、2023年11月1日にサイバーエージェントが発表しました。
2024年9月期(今期)の連結営業利益は前期比22%増の300億円、純利益は50%増の80億円になるとの見通しです。大幅な増益予想を受け、見直し買いを集めました。
インターネット広告事業のマージン(利ざや)の改善傾向が続くほか、インターネットテレビ「ABEMA」の赤字縮小を見込んでいます。
サッカーのプロリーグであるJリーグに参入するなど、様々な分野に進出している非常に積極的な企業といえるでしょう
財務状況
非常に順調に成長を続けていますが、財務状況について確認をすることも重要です。サイバーエージェントの財務状況を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。
・成長性
成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。増収率とは売上が前年比どのくらい伸びているかを示す指標です。一般的に成長企業ほど数値は大きくなり、成熟企業の数値は小さい傾向にあります。
サイバーエージェントの2023年9月期の売上高は7,202億円に対し2024年9月期の予想売上高は7,500億円となっており、104%の増収です。
これだけ大規模な会社にしてはかなり高い成長率であるといえるでしょう。
(2)収益性
サイバーエージェントの2023年9月期の経常利益249億円に対し2024年9月期の経常利益は300億円となりました。今後の業績にも大きな期待が持てます。
(3)安全性
安全性は自己資本比率が高いと良いとされていますが、33%以上の自己資本比率があると安定性は高いといわれています。
サイバーエージェントの自己資本比率は30.23%(2023年9月時点)です。33%に届いていませんがこの規模の会社であれば全く問題ない水準です。
まとめ
今回はサイバーエージェントについて解説をしました。サイバーエージェントは1998年に設立された比較的新しい会社ですが、7,000億円以上の売上高を誇る大企業です。
インターネット会社だと思われますが、メディア事業やゲーム事業、投資事業など収益を生んでいる事業は多岐に渡っています。
大学生の就職活動でも常に人気の企業でもあり、優秀な人材がどんどん入社していることから今後さらなる成長が期待できます。
投資対象としても非常に魅力的です。ぜひ今回の記事を参考にしていただきサイバーエージェントの理解を深めていただければ幸いです。