From:編集部 小早川
東京地下鉄株式会社、通称東京メトロが2024年10月23日(水)に東京証券取引所プライム市場への上場を予定しています。
証券コードは9023で、業種は陸運業に分類されます。
この上場は、日本の公共交通機関における重要な出来事として注目を集めています。
今回は、久々の大型IPOの東京メトロIPOについて詳しく解説をしますので参考にしてください
会社概要
東京メトロは、東京都心部を中心に9路線195.1kmの地下鉄網を運営する大手鉄道会社です。
1941年に帝都高速度交通営団として設立され、2004年に民営化されました。
現在は、日本政府と東京都がそれぞれ53.4%と46.6%の株式を保有しています。
東京メトロの路線は、東京の都市機能を支える重要なインフラとして機能しており、日々数百万人の乗客を輸送しています。
また、不動産事業や広告事業なども展開し、総合的な都市サービス企業として成長を続けています。
IPOの詳細
東京メトロのIPOの概要は、以下の通りです。
- 上場日:2024年10月23日(水)
- 証券コード:9023
- 市場:東証プライム
- 単元株:100株
- 時価総額:6,391億円(想定価格で計算)
- ブックビルディング期間:2024年10月8日(火)~10月11日(金)
- 仮条件決定日:2024年10月7日(月)
- 公開価格決定日:2024年10月15日(火)
- 購入期間:2024年10月16日(水)~10月21日(月)
このようなスケジュールで東京メトロはIPOを行いますので、ぜひ覚えておきましょう。
株式発行・売出しの構造
このIPOは純粋な売出し方式を採用しています。
新規の株式発行(公募)はなく、既存株主が保有する株式の一部を市場に売り出す形式となっています。
- 発行済株式数:581,000,000株
- 売出株数:290,500,000株
うち国内向け:232,400,000株
うち海外向け:58,100,000株(海外販売の割合 20.0%)
- オファリングレシオ:50%
オファリングレシオが50%というのは、発行済株式数の半分が市場に放出されることを意味し、非常に大規模な上場といえます。
2019年にソフトバンクが上場して以来の大きなIPOといえるのではないでしょうか?
調達金額と資金使途
売出しによる調達金額は約3,195.5億円と見込まれています。
この金額は、公募増資を行う一般的なIPOとは異なり、既存株主(この場合は主に政府と東京都)に帰属することになります。
したがって、会社の成長のための資金調達という側面は薄く、政府の保有資産の流動化という性格が強いIPOといえるでしょう。
投資家にとってのメリット
東京メトロのIPOが投資家にとって魅力的である理由はいくつか考えられます。
- 安定した事業基盤
- 成長の可能性
- 配当期待
- ブランド力
それぞれのメリットについてわかりやすく解説をします。
安定した事業基盤
東京の中心部で長年にわたり運営されてきた地下鉄網は、安定した収益源となっています。
コロナ禍の影響はあったものの、東京の人口や経済活動の集中度を考えると、長期的には堅調な需要が見込まれます。
成長の可能性
不動産開発や広告事業など、鉄道事業以外の分野での成長ポテンシャルがあります。
また、観光需要の回復や新技術の導入による効率化なども、将来の成長要因となる可能性があります。
配当期待
安定した収益基盤を持つ企業であることから、安定的な配当が期待できる可能性があります。
特に、政府や東京都が主要株主であることを考えると、株主還元に対する一定の配慮がなされる可能性があります。
ブランド力
東京メトロは、多くの日本人や訪日外国人にとって馴染みのあるブランドです。こうした知名度の高さは、投資家の関心を集める要因となるでしょう。
投資家にとっての注意点
東京メトロのIPOには様々なメリットがありそうですが、デメリットもあります。
- 規制環境、
- 少子高齢化の影響
- 災害リスク
- 競合の強さ
それぞれのデメリットについて、わかりやすく解説をしますので、参考にしてください。
規制環境
公共交通機関として、運賃や安全基準など、様々な規制の影響を受けやすい業種です。
少子高齢化の影響
長期的には、日本の人口減少や高齢化が輸送需要に影響を与える可能性があります。
災害リスク
地震や水害など、自然災害によるインフラへの影響リスクがあります。
競合の強さ
JRや私鉄各社との競合、また将来的には自動運転技術の発展による新たな移動手段との競合も考えられます。
東京メトロIPOの注目度
東京メトロのIPOは、その規模や知名度から、非常に高い注目を集めることが予想されます。
東京メトロのIPOが注目を浴びそうなポイントは以下の通りです。
- 大規模なIPO
- 政府保有株式の放出
- インフラ企業への投資
- 海外投資家の関心
東京メトロのIPOが注目されるポイントについてわかりやすく説明をします
大規模なIPO
売出株数が2億9,050万株、想定価格ベースで約3,195.5億円という規模は、近年の日本のIPO市場では最大級です。
政府保有株式の放出
政府や東京都が保有する株式の一部が市場に放出されるという点で、一般投資家にとっては貴重な投資機会となります。
インフラ企業への投資
安定した事業基盤を持つインフラ企業への投資機会として、機関投資家からの需要も高まる可能性があります。
海外投資家の関心
海外販売の割合が20%と設定されていることから、海外投資家からの需要も見込まれています。
IPO参加の方法
個人投資家がこのIPOに参加するためには、以下のステップを踏む必要があります。
証券口座の開設
IPOに参加するためには、証券会社に口座を開設する必要があります。
ブックビルディングへの参加:
2024年10月8日から11日までのブックビルディング期間中に、取引のある証券会社を通じて申し込みを行います。
抽選結果の確認
各証券会社で抽選が行われ、当選した場合のみ購入が可能となります。
購入資金の用意
当選した場合、2024年10月16日から21日の間に購入手続きを行う必要があります。
まとめ
今回は東京メトロのIPOについて紹介をしました。東京メトロのIPO久々の大型IPOということもあり、多くの注目を集めています。
もちろん上場直後に株価が上昇するかは誰にもわかりませんが、長期保有をしていても良さそうな銘柄です。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、東京メトロのIPOに参加してみてはいかがでしょうか?