【日本株】5大半導体メーカーの決算内容を解説!

コラム

From:編集部 黒木

2月9日に東京エレクトロンの決算発表があり、日本の大手半導体メーカ5社の決算が出そろいました。

今回比較するのは

  • 東京エレクトロン
  • アドバンテスト
  • ディスコ
  • レーザーテック
  • SREEN

の5社です。

最初に時価総額を確認しておくと、東京エレクトロンが14兆、アドバンテストが5兆、ディスコが4兆7000億、レーザーテックが3兆7000億、SCREENが1兆7000億となっています。

では今回発表された各社の業績を見ていくので参考にしてください。

東京エレクトロン

最初に見るのは東京エレクトロンです。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.031,127,286237,292244,979185,206390.2196
2021.031,399,102320,685322,103242,941520.7260.33
2022.032,003,805599,271601,724437,076936467.67
2023.032,209,025617,723625,185471,5841,007.80570.33
予 2024.031,830,000445,000450,000340,000734.5367
前期比-17.2-28-28-27.9-27.1

東京エレクトロンは半導体製造装置世界3位の企業で全ての工程の製造装置を作っていますが、特に前工程の世界シェアが高いのが特徴です。

今回発表された第三四半期の業績は前年費売上がマイナス0.99%で営業利益が+15.4と%なっています。営業利益率は4.1%改善されて28.6%です。

売上は前年比マイナスでしたが、今期の第一四半期の決算を底に少しずつ回復しています。

さらに売上原価は前期よりも下がっており利益が出やすくなっています。

アドバンテスト

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
I 2020.03275,89458,70858,57453,53267.520.5
I 2021.03312,78970,72669,61869,78788.529.5
I 2022.03416,901114,734116,34387,301112.430
I 2023.03560,191167,687171,270130,400174.433.75
I 予 2024.03480,00085,00082,50064,50087.4
前期比-14.3-49.3-51.8-50.5-49.9

次にアドバンテストを見ていきます。

アドバンテストはその名の通りテスト工程で使用する装置を製造しています。

発表された第三四半期の業績は前年比売上がマイナス3.4%で営業利益がマイナス34.9%です。

営業利益率は9.8%下がって20.1%となっています。

四半期の推移で見ると今期第一四半期を底に徐々に回復が進んでいます。

売上原価は前期よりも上がっており、売上が同程度だった22年第一四半期と比較しても利益率が大きく下がっています。

ディスコ

次にディスコを見ていきます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.03141,08336,45138,31427,653256.5146
2021.03182,85753,10653,62939,091361.8225.67
2022.03253,78191,51392,44966,206611.7269.33
2023.03284,135110,413112,33882,891765.5305.33
予 2024.03287,800108,600109,10074,300685.8255
前期比1.3-1.6-2.9-10.4-10.4

ディスコは主に精密加工装置を製造しています。

発表された第三四半期の業績は前年比売上がプラス16.9%で営業利益がプラス25.1%、営業利益率は39.4%と非常に高くなっています。

四半期の推移を見ていくと今期の第一四半期を底に第三四半期では過去最高とほぼ同水準になっています。

利益率も第一四半期に少し下げましたが、その後は40%近くあり高水準を維持しています。

レーザーテック

次にレーザーテックを見ていきます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.0642,57215,06215,11510,82312042.5
2021.0670,24826,07426,43819,250213.575
2022.0690,37832,49233,58224,850275.697
2023.06152,83262,28763,66846,164511.9180
予 2024.06195,00067,00067,00049,000543.3191
前期比27.67.65.26.16.1

レーザーテックは主に血管検査装置を製造しています。

発表された第二四半期の業績は前年比売上がプラス62.3%で営業利益がプラス123.3%、営業利益率はプラス45%と大きく伸びて今期は前期よりも大幅に上回って推移しています。

しかし注意したいのは22年まで好調だった受注が今期は減少が続いています。

積み上げていた受注残高も23年第三四半期をピークに減少が続いているので他の4社からは遅れて売上が減少に転じる可能性があります。

SCREEN

最後にSCREENを見ていきます。

決算期売上高営業益経常益最終益修正1株益修正1株配
2020.03323,24912,56111,6365,01053.715
2021.03320,32224,49222,72015,164162.645
2022.03411,86561,27359,43845,481488.3146.5
2023.03460,83476,45277,39357,491608.2182.5
予 2024.03500,00088,50088,50064,000674.8202.5
前期比8.515.814.411.311

SFREENは主にウエハ洗浄装置を製造しています。

発表され第三四半期の業績は前年比売上がプラス3.8%で営業利益がプラス12.4%、営業利益率はプラス18.3%となっています。

四半期の推移は今期第一四半期を底にその後は最高水準に回復しています。

そして利益率は第一四半期の13.5%を除くと、孫尾後はは20%を超えて前期よりも高く推移しています。

総評

東京エレクトロンとアドバンテストが大幅に減収減益、ディスコが小幅に減益、レーザーテックは大幅に増収増益、SCRENNは小幅に増収増益となっています。

次に発表された通期予想の修正を確認します。ディスコは非開示だった通期予想を開示し、他4社は情報修正をしています。

発表された通期予想の成長率は現在までの累積の成長率と比較するとレーザーテック以外は回復する見込みです。

レーザーテックは受注が減っており好調だった前期第四四半期の反動で下期は売上が下がる見込みです。

通期予想の営業利益率を比較すると、ディスコ、レーザーテックは35%近くあり、東京エレクトロンが約25%アドバンテストとSCRENNが約18%となっています。

通期予想に対する経常利益の進捗率はレーザーテック以外の4社は前期よりも少し進捗は悪くなっています。

しかし、情報修正も出しているので第四四半期で挽回できる見込みが見えてるのだと思います。

レーザーテックは前期より進捗進んでいますが、前期は第四四半期に売上が大きく伸びて

いるので通期予想を大きく超過するという期待はあまり持たない方が良さそうです。

続いてバリエーションを比較するとPERがレーザーテックとアドバンテストが70倍超えと非常に高く評価されています。

ディスコも60倍超え、東京エレクトロンは40倍、SCRENNは25倍です。

アドバンテストとSCRENNは売上と利益ほぼ同じなのですが時価総額には大きな差があります。

それを反映してか最近の株価はSCRENNが最も上昇率が高いです。

ついで今期減少幅が少ないディスコが上昇しています。

その次が今期大きく減少しているにも関わらずアドバンテストが上昇しています。

これは高性能な半導体向けの装置を製造していることから期待が先行しているものと考えられます。

その次が東京エレクトロンとレーザーテックとなっています.。チャートで見ると5社とも過去最高の株価の更新が続いています。