半導体株が今後も上昇する理由

コラム

From:編集部 黒木

エヌビディアを中心に半導体株の上昇が止まりません。

この記事を読んでいる方の中にも半導体株への投資を検討している方もいるのではないでしょうか。

しかし、これだけ上昇すると、そろそろ下落すると思っていらっしゃる方もいるはずです。

そこで今回は半導体株が今後も上昇する理由について説明をします。

今回は米国株に比べて出遅れている日本株の半導体株を中心に紹介しますので、参考にしてください。

半導体決算から見えること

主要半導体企業の決算が大体でました。

現在の一般的な半導体株の見通しについて解説をします。

最近は生成AIの台頭で、エヌビディアを始めとする半導体株は大きく上昇をしました。

これについては、皆さん生成AIについて大きく構造をされているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

しかし、一口に生成AIといっても、様々な需要があります。

  • データセンター
  • 車載向け
  • PCスマホ向け

まずはデータセンターですが、生成AIの投資向けで成長しています。

その次に車載向けですが、車載EVも半導体がなければできません。

この車載向けの半導体の需要がかなり去年は活況でした。一旦、落ち着いてはいますが引き続き、顕著な需要が継続しています。

次にPCスマホ向けの半導体の需要ですが、こちらは需要がかなり弱かったです。

しかし、ようやく底打ちになっています。

2020年のコロナの年にかなり需要がありましたので、買換えの時期になってくるということで、ここから回復してくる見込みになっています。

半導体が強い理由をまとめると、データセンター向けの需要が大きく、さらなる成長が期待できる車載向けが無難に順調で、PCスマホ向けがやっと底打ちしてきたということです。

今1番需要が高いのはデータセンター向けで、データセンターに強いエヌビディアなどの株価が大きく上がっているのです。

しかし、車載関連やPCスマホ関連の半導体銘柄に関しては、データセンター向けのエヌビディアに比べて、まだまだ上昇が期待できる状況になります。

車載関連でいうとテキサス・インスツルメンツ、PCスマホ向けでいうとインテルなどが代表的な銘柄です。

いつが半導体株の売り時なのか?

株価の上昇・下落期間と業績の推移を比べると、株式を売却すれば良いかが見えてきます。

もちろん絶対では無いですが、いつ売ればいいかというと、結論は利益が過去最高に回復してきたところが株価ピークに近いところです。

なので、利益が過去最高に回復してきたタイミングで、売り抜けるのがいいのではないでしょうか?

業績がピークをつける頃にはすでに株価は下落していますので、それより前に売る必要があるということです。

今後、日本の半導体株はどのような動きをするのか?

決算発表が一通り終わりましたので、業績を確認し、利益が過去最高更新してきたら売り時ということになります。あとは今後の業績の展望も確認していきます。

こちらについては、アメリカに比べて出遅れている日本株を中心に説明をしますので、参考にしてください。

半導体の中でも、中心分野である製造装置と材料系に分けて見ていきます。

まず半導体製造装置の銘柄代表的なものを3つ上げていきます。まずは前工程が強い銘柄です。

  • 東京エレクトロン
  • スクリーン
  • レーザーテック

売上総利益ですが、3社とも全体的に底打ちをしています。

 

スクリーンは過去最高の営業利益に近いです。

次に後工程に強い銘柄も3つ見ていきましょう。

  • アドバンテスト
  • ディスコ
  • 東京精密

東京精密以外は反転してきていて、底打ちの兆しが見えています、

そしてPERも全体的に過去1番ぐらいで高い推移になっています。

レーザーテックは前は100倍以上ありましたが、最近は落ち着いてきています。

一方、アドバンテストとディスコが最近かなり過熱していてPR80倍、65倍という風になっています。

これは業績がまだ完全に回復していない中で株価上昇しているかたちなので、期待値がかなり入っているといえるでしょう。

では、何の需要と期待値で上がっているかというと、基本的に中国向けが大きいです。

中国向けの投資が増加していること、あとは生成AI需要に向けた投資が増えたことによって反発しているのでしょう。

この生成AIで顕著なのがアドバンテストとディスコの2社です。

レーザーテックはまだそこまで回復していません。理由としてはまだレーザーテックは生成AIの本命銘柄になっていないからではないでしょうか。

レーザーテックは最先端向けでかなり強みを持っていますが、生成AIのデータセンター向けについては最先端ではないので、本命の銘柄ではないという形で少し出遅れています。

次に半導体材料系の銘柄を見ていきます。まずは前工程に強い3社です。

  • SUMUCO
  • 東京応化
  • トリケミカル

ここも銘柄ごとに特徴があります。SUMUCOはまだ在庫が掃けていないというところでかなり厳しいです。まだまだ株価回復までには時間がかかるでしょう。

東京応化、トリケミカルはかなり反発してきていて、特に東京応化は今回の決算発表でかなり反発しました。

ただPERもかなり高くなっていて、SUMICOが29倍、東京応化、トリケミカルがそれぞれ51倍・46倍と過去最高レベルで高いです。

後工程に強い3社も見ていきます。

  • 住友ベークライト
  • 三井ハイテック
  • イビデン

後工程の方が特徴が現れていて、住友ベークライトはほぼ横ばいもしくは若干上昇傾向、三井ハイテックは少し反発、イビデンはちょっと反発が弱いです。

この理由としては分野が違うからです。

全体感として見えることとしては、車載向けはまだ堅調だということです。

一方でPCスマホ向けはまだまだ低調で底打ちが見えてくるかどうかというところです。

イビデンはこのPCスマホ向けの比率がかなり高いので、反発が遅れているという風になっています。

その他の銘柄はPCスマホ向けに偏っておらず幅広い分野で使われる材料であることから基本的には反発してきているという風な形です。

半導体製造装置と半導体材料2つに分けて見ていきました。

半導体製造装置に関しては反発してきていますが、こちらは中国投資が増加しているということと生成AIの需要がさらに大きくなっているということです。この2つが大きな要因です

半導体材料に関しては、半導体製造装置の銘柄と違って車載向けが引き続き順調であるということ、一方でPCスマホ向けは低調ですが少しずつ回復してきています。

しかし、生成AIの需要が入ってきているかというとまだ材料系には入ってきていません

今後についてですが、半導体材料は半導体製造装置に比べて遅れて業績に出てくると思います。

現在は生成AIに向けて装置を入れる段階ですので、この生成AIの需要が材料に入ってくるまでは少し時間がかかるということで装置、材料共に若干時期が違いますが、いずれも今後の生成AIの拡大とPCスマホの需要回復によって業績は伸びてくるのではないでしょうか。

元々はPCスマホの需要が回復してくるだけだったところに対して生成AIの需要というところもプラスされて業績に入ってくるので、過去最高の営業利益をかなり高い確率で達成してくるはずです。

逆にここから業績がまた下落していくっていうところは考えにくいので基本的には株価も業績も上目線で良いでしょう

ただ、すぐに業績は過去最高をとってくるというかというと、そうではなくて、ようやく底打ちをして業績の回復してくるフェーズであるので株価はまだ上昇トレンドが続くという風に予想しています。